2021北海道ツーリング2日目:礼文島と利尻島

台風14号の影響でこの間の天気予報ではずっと雨予報だったが、台風が熱帯低気圧に変わって関東のほうに進んでくれたおかげで道北は晴れるらしい。雨だったらそのままオホーツク街道で東に向かう予定だったが、晴れるらしいので前から気になっていた礼文島・利尻島に行ってみることにした。

今回は前回と違ってあまりしっかりプランを立てなかったが、それが自由な旅を実現させてくれてる気がする。まぁそれぞれ良し悪しはあると思うけどね。

礼文島・利尻島へのフェリーを調べたらネットで人や車は予約ができるけどなぜかバイクだけ予約ができない仕様になっていて当日先着順で買うしかないらしい。運行スケジュールを確認すると7/5~9/30までは朝一番早いのが6時半に礼文島に行く船だったのでまずそれで礼文島に行って島内を回って、12時55分の船で利尻島に行ってそのまま泊まる。翌日の朝一に稚内に戻ったらちょうどよさそうだった。

6時半の礼文島行きのチケットは出港の1時間前から販売らしいので5時半までに稚内フェリーターミナルへ向かうとハンターカブのお兄さんが一人いてチケット売り場は閑散としていた。船に乗ってみるとお客さんは結構いたのでバイクで島に向かう人はそれほど多くないらしい。結局バイクを持ち込んだのはハンターカブのお兄さんと私の二人だけだった。

寒くもなく暑くもない、船旅に最高の天気だったのでデッキで潮風を浴びながら陸地のほうを見つめる。船旅には他の乗り物と違う情趣があって好き。ドキドキ・ワクワクする気持ちに何故か哀愁も少し。

最初に向かうのは礼文島だけどまず目に入ったのはやっぱり利尻島の利尻富士だった。左半分は晴れていて右のほうは曇ってる。が、徐々に晴れが広がっていく感じ。いい予感がする。

さって礼文島のほうを見てみると…空模様があまりよろしくない。夏のゲリラ豪雨のような感じで絶対雨降ってるんだろうな。でもその雲も右に流れて行ったのでもしかするといい感じに避けてくれるかもと淡い期待をしてしまう。せっかくなので雨の中を走るよりは太陽の下を気持ちよく走りたい。

稚内から礼文島までは2時間弱、海も穏やかだったので予定時刻に香深港に着いた。天気は晴れ、少し暑いくらい。稚内より礼文島のほうが気温が高い気がする。バイクは2台しかなかったので結束ロープもすぐ外してくれた。

いよいよ初めての離島でのバイク旅!スコトン岬に向かって5kmくらい走ったとき急に雨が降ってきた。全身TriumphのGore-texウェアで雨に濡れる心配はなかったが、雨粒が大きくて当たると痛いくらい。また雨が体温を奪っていくのでバイクを停めてインナージャケットを着る。やっぱり北の天気を舐めてはいけない。港では夏だったのに5km離れたら冬(関東基準…)になるとは!

スコトン岬には江戸屋山道で向かう。この道は死ぬまでに走ってみたかった道でまた一つバケットリストを達成した。晴れたらまた違う感じだったかもしれないけど雨もほぼ止んだし、これはまたこれで味があっていいと思う。

日本最北限のスコトン岬に着いて先端まで行くと海驢島が大きく見える。トドやアザラシがいるのか探してみたけど見つけられない。時期じゃないのか?今はもういないのか?いつか機会があったら海驢島にも渡ってみたい。

礼文島でもう1ヶ所行ってみたいところがあった。それがグルメな知人が最近礼文島へ行ってきて激賛していた「海鮮処 かふか」。「かふか」ってなかなか気取った名前の食堂だと思ったが、「香深」を「かふか」と読むのを島に渡って知った。漁協直営のお店でとにかく海鮮が美味しいと。

お昼の営業は11時開始だけど色々心配だったので10時40分くらいにお店に行ったらまだ誰もいなかった。実は最近までお昼の営業を取り止めてたらしくて再開したのは直近らしい。11時5分前にスタッフさんが2階から降りてきて店内に案内してくれた。少し早いけど大丈夫と。

メニューを見ながら悩んでるとスタッフのお姉さんが鮭が戻ってくるシーズンなので今のイクラは漬けではなく生ということを教えてくれた。これは生イクラを食べられるチャンス!しかし、礼文島まできてウニを食べないことはできないので2つ合わせた欲張りな二色丼を頼んだ。

このウニとイクラの鮮度はもう今まで経験したことがないレベルだった。濃厚でクリーミーで甘い。こんなに美味しいウニとイクラは食べたことがない。もう一度このウニとイクラを食べにまた礼文島へ行きたいくらい美味しかった。これはぜひオススメしたい!

昼食を楽しんだ後はチケットを買いにフェリーターミナルへ。実は礼文島に着いてすぐ利尻島沓形へのチケットを買おうと売り場で並んだが、船の出発時刻の1時間前からじゃないと買えないらしい。

礼文島の香深から利尻島の沓形への船に乗るバイクは私を含めて三台。カブで北海道を一ヶ月以上回ってる船橋のお兄様と色々談笑してたらたまたまGo-Proの話になり、マウントだけ家に忘れてきてしまって動画を撮れてない話をしてたらお兄様がマウントの余分があるかもしれないから探してみると。素敵な景色が目の前にあるのに撮れなかったら辛いでしょうと。なんて親切な方なんだろう。

リアボックスの奥まで探してくれてなんと顎マウントにちょうどいい感じのをいただいた!これはAmazonでもなかなか見つけられない形と長さ!実は前日稚内のケーズデンキにも行ってたけどGo-Proそのものの取扱がなくて今回の旅では動画の撮影を諦めてただけにすごく嬉しい。

船橋のお兄様、本当にありがとうございました!!

沓形行きの船が到着して車とバイクが降りてから船に乗り込む。昼の便は朝より人や車が少なくてスムーズだった。もう写真で分かると思うけどキレイに晴れてもはや夏日でフル装備だと暑くて汗が垂れるくらい。

礼文島、短い時間だったけど色々ありがとう!行ってないどころも多くて食べてないもの(ちゃんちゃん焼きなど)も多いのでまたいつか行きたい。

礼文島の香深から利尻島の沓形までは約40分。あっという間に着いてしまう。利尻島ではキャンプ場が4,5箇所くらいあるらしいが、各キャンプ場の状況が分からなくて沓形港のすぐ隣にある沓形岬公園キャンプ場が営業してたので悩まずそこに決めた。

基本無人で運営されていて利用者はコインランドリーが設置されてる建物の中の募金箱に利用料の500円を入れるだけ。設備はコインランドリーとトイレがあるだけの小さいキャンプ場だけど近くに温泉があって街やセコマも近いので何かしら便利で使い勝手のいいキャンプ場だった。

この日キャンプ場を利用したのは、チャリダーのお兄さんが一人、車で旅行中のカップル、バイクの私と少ないながらもなかなかバランスのいい組み合わせだった。小さいキャンプ場だけど3組だけ利用するには十分すぎる広さだった。

少し暑いくらいだったので軽装に着替えてからバイクにまたがって出かけた。それほど時間かからなそうだし、軽く一周してこようと。

まず向かったのはキャンプ場からも近い「ミルピス商店」。利尻島の名所を調べると必ず出てくるスポットでまたその味が気になったのでとりあえず行ってみた。基本無人販売のようで料金入れに350円を入れて業務用の冷蔵庫から取り出して飲むシステム。お味はカルピスとヤクルト、ミルクが混ざったような感じで乳酸飲料らしい味わいだった。なるほど。

その後は島の海岸に沿ってのんびり走ったけどそれがものすごく気持ちいい。夏と秋の間、両方の表情を持った風景と青い空は爽快そのもので心に染みる美しさ。最初は何もない島だと思ってしまったけどその「何もない」が特別な美しさを作ってくれてることが分かってきた。

一つ一つその美しさを心に刻みながらのんびり走ってるとなんか後ろから呼ばれてるような気がしてふっと振り向くとそこにはこの島最後の夏の記憶が残っていた。なんて素敵な島なんだろう。

キャンプ場に戻って温泉入ってから〆のサッポロクラシック。この冷たいビールが嬉しい。

かもめの大群が飛んできてまたしばらくするとどかかへ飛んでいく。夕陽が海に沈んで利尻山の向こうから満月から少し欠けてる月が昇ってくる。なんだか美しすぎて非現実的に見えてしまう。その中ひたすら何もしないをする。

こういうのを感じるために北海道に来たかもしれない。

沓形には飲食店が結構あるようだったので夕食はお店で食べることにした。まず向かったのは利尻ふる里食堂。入ってみるとお店は大繁盛で残念ながら満席だった。

その後グーグル先生を便りに他の食堂に行ってみたけどほとんどの店が営業してなかった。仕方ないのでセコマでなんか買って食べようかと思ったときに一つ光を見つけた。

凡天」、その名前から天丼な気がした。入ってみるとここもほぼ満席だったけど一人ならカウンターで大丈夫とのこと。カウンター越しで天ぷらを揚げてる大将の後ろ姿から下田まといの大将を思い出す。

頼んだのは海老天丼。絶妙な揚げ加減に秘伝の甘いタレがよく合って非常に美味しい。

美味しくいただいた後キャンプ場に戻って就寝。北海道に来てから色んなことが満たされて幸せのレベルがどんどん上がっていく。

“2021北海道ツーリング2日目:礼文島と利尻島” への 2 件のフィードバック

  1. 「何もないのが心地よい」だったかな?そんなキャッチコピーをどこかの長閑な地で見た気がします。
    利尻島もそんな長閑さが美しい所なんでしょうね~。

    いいね

コメントを残す