大田(デジョン、대전)から江原道(カンウォンド、강원도)の東海(ドンヘ、동해)市までは下道で300km。江原道は山が多いことで有名なので峠道を走ることを考えると想定よりも時間がかかりそう。また午後からは雨の予報なのでできるだけ急ぎたい。
東横イン 大田政府庁舎前は朝6時半から朝食を提供してくれるので嬉しい。5時半くらいに起きて支度を全て終わらせて朝ごはんをしっかり食べてから出発。
その前にホテルのすぐ横にハイオクを扱うガソリンスタンドがあったのでここで給油を済ませておく。DesertXは21Lが入るのでこの一回の給油で東海までの300kmは余裕で行くはず。給油機から聞かれることがやたら多いし、すごい急かされる。ここもカードだと約1万5千円が先に決済されて給油が終わるとその金額がキャンセルされて実際の給油分が改めて決済される。何があってこういうシステムになったのか興味が深い。ロシアはさっきに決済してからの給油らしいのでまたそれも楽しい。国によって、文化によって変わってくるものが結構あって面白い。
大田から北東に向けて国道を走って行くけどなかなか休憩ポイントが見つからない。約2時間くらい走って槐山郡(ケサングン、괴산군)辺りでやっとコンビニ、それもセブンイレブンを見つけて休憩。セブンイレブンなので店内にトイレがあることを期待してたけどここにはなかった。甘くないコーヒーを選んでとりあえず疲れた体を休ませながらどうやってトイレを探すが悩んでいた。
ここで悩んでも仕方ないのでとりあえず行ってみよう。

とバイクにまたがってどの方向に行こうか迷ってるときにバイクが右側に倒れてしまった。瞬間何が起きたのか分からなくて足で踏ん張ろうとしたが、この重さは無理と判断してダメージが少ないようにゆっくりと倒した。
この旅の記念すべき初立ち転け。人も車もある程度通っでる所で倒れてよかった。実はこの韓国での旅がちょうどいいオリエンテーション的な役割をしてくれていてロシアに行く前により優しい条件の中でたくさんテストや訓練ができている。

とりあえず外せる荷物を全部はずして一人で引き起こしを試してみたが、これがなかなか難しい。Youtubeを見ながらイメトレはしてたが、動画を上げた人たちは怪力に人たちに間違いない!アドベンチャーバイクってそんなに容易く起こせない。結局助けを求めようとしたが、近くにいる人たちは皆年寄りで頼めない。その時に車が一台止まって中から素敵なお兄さんが出てきて「手伝いましょうか?」と声をかけてくれた!マジ神!二人がかりでなんとか起こせたが、一人だとなかなか厳しい気がする。モンゴルとかで倒れたらどうしよう?モンゴルに行く前にちょっと練習しとこう。

右側のパニアケースに軽微な擦り傷ができたくらいで大したことはなかった。やっぱりこのDucatiのパニアケースは丈夫だし、よく考えられて作られている。この強化プラスチック部分の傾斜が衝撃をうまく逃してくれている。Unit Garageのと迷ったけど丈夫そうだったので高くてもDucatiの純正パニアケースを選んでよかった。
こんなことがあるとトイレに行きたかったのが嘘のようになくなってた。やっぱり気持ちの作用はすごい!しかし、ある程度走ってたらやっぱりトイレに行きたい。まあ当たり前だよね。もう一時間走ってガソリンスタンドに付いているトイレを発見してようやく事なきを得る。後でTwitterからたくさんの方からアドバイスをいただいたので貼っておこう。
たくさんのアドバイス、ありがとうございました!

そう!トイレを解決したら今度はまた飯!人間ってなんだかんだ言って本能的な部分が大きい。忠清道(チュンチョンド、충청도)から江原道へ行く道には綺麗な山や川、湖が多くて観光地としても知られている。その観光客向けのお店がたくさん並んでいるけど大体辛いチゲ(メウンタン)や焼き肉の店が多くて一人で食事ができるかどうか微妙なお店が多い。また見るからにあまり好みではない店も多くて…こんな贅沢言えるのも今だけな気がするけどね。
そんな中あるお店の前を通る時に中から満足げに出てくる人たちを見つけてその表情から美味しい店に間違いないと確信して急いでその店に入った。

駐車場にも車がたくさん停まってあってもう一回確信した。
バイクを停めてヘルメットを外してカバンの上に置いたら目に入ったUTPのステッカー。フィジカル的には一人で旅をしていても一人ではなく家族や友人、先輩、後輩、SNSのフォロワーなどなどたくさんの方と一緒に旅をしている気がする。何かしらつながっていることが大事だよね。このブログもそういうつながりや自分の経験を共有したくて更新を頑張っている。

やっぱり人気店で店内は満席だったのでテラス席で食べることにした。また一人で食べられるメニューは胡麻カルクッスか胡麻スジェビしかなかったので胡麻スジェビを頼んだ。カルクッスは昨日食べたしね。スジェビは日本のすいとんに近い感じで韓国でポピュラーな料理だけどこの胡麻スジェビは初めて。郷土料理らしい。久しぶりの優しい味がすごく美味しかった。人気がある理由がよく分かった。

お腹が満たされるとやっと景色が目に入る。こういう自然を求めてたくさんの人が都会からここに来ている。山も川も綺麗でいい所だ。
東海まではもう一踏ん張り。正直に言うと今までの韓国の道はバイクで走っていてもあまり面白くない道が多かった。自分に情報がなくて高速道路のような国道だけ走ってたせいもあると思うけどね。しかし、この江原道の道は適度なワインディングがあって綺麗な自然があって走っていてすごく楽しい道だった。韓国に来て初めてツーリング中のバイクともたくさん会ったしね。
ただ、ここには一ついただけないのがあってそれが縦溝!特に急なカブや峠道にたくさんあってそれが現れると生きた気がしない。車には役に立つらしいが、バイクとは相性が悪くてタイヤがちゃんとグリップしなくなる。速度が早いとフロントタイヤが左右に揺れちゃうので大の苦手。それが道が険しくなるにつれ増えてくるからこれはもうしんどい。

そんな縦溝に文句を言いながら目的地のDonghae Oceancity Residence Hotelに無事到着。下道300km、1階の立ち転けと3回の逆走…慣れたと思った時が一番危ない。大きくて車通りが多い道では大丈夫だけど細い道に入ると癖で左側によってしまう。向こうから車が来てやっと気づいて右側に急いで退避したけどこれはもっと意識して気を付けないとね。危ない。


今回のホテルはレジデンスタイプで火曜日のウラジオストク行きのフェリーに乗るまで連泊の予定。ロシアに渡る前にちゃんとメンテナンスしたくてこのホテルを選んだが、リーズナブルで設備も整っているのでここにして正解だった。ただ、部屋の温度設定がすごく高くて上手く調整できないのが唯一の難点。特にオンドルからの熱気が半端ない。その分洗濯物がすぐ乾くけどね。

一息つけようとコンビニに行ったら缶ビールがずらりと並んでいる。コロナ前はほぼ韓国のビールが並んでたが、今は海外からの輸入品とクラフトビールが多い。正直昔からの韓国ビールってお世辞でも美味しいとは言えないものが多かった。やっとみんなそれに気づいたかもしれない。

サントリーのプレミアムモルツがあったので嬉しくてつい2本も買ってしまった。それも500ml!ビールの中ではプレミアムモルツが自分の口に一番合う気がする。大好き。

軽く一杯飲んでのんびりしてたらまた晩ごはんの時間になってしまった。ホテルの周りに飲食店がたくさんあったが、日曜日だからか閉まってる所が多くてやっと見つけたスンデグッパ専門店。それも辛いやつ…。

辛いスンデグッパ専門店に入って辛くないスンデグッパを頼んだらやっぱり辛かった。でも美味しい。が、これからはもう少し刺激の少ない食べ物が食べたい。
いよいよ韓国での旅も最終盤!