鮨 梢

初めて梢さんの鮨を食べたのは今から2年前のちょうど同じ時期だった。当時梢さんは鮨なんばで修業をしていて、難波大将が若手育成のために設けていたランチの二番手コースで鮨を握っていた。お客さんを前に緊張しながらもしっかりと難波大将の鮨を充実に再現していて、すごく丁寧な仕事が印象的だった。その後、梢さんが独立して自分のお店を出す話は結構前から聞いていたが、コロナ渦のせいなのかなかなか新店の話は聞こえてこなかった。

やっと先月辺りからあちこちから梢さんの新しいお店の噂が聞こえてきて、いよいよ2021年10月13日高輪台に「鮨 梢」をオープンするとニュースが届いた。また友人がオープン直後に「鮨 梢」での貸切会に招待してくれたので喜んで参加してきた。

梢さん、いや、梢大将は見ない間かなりの貫禄を身に纏うようになって鮨なんばさんでの修業時代とはその雰囲気が全く変わっていた。多分オープンまでの間にたくさんの苦労とともに成長されただろうと勝手に解釈してしまう。

つまりから握りへとオーソドックスな構成でありながらも自分のオリジナリティーを出すための工夫をいろんな所から見受けられる。まだ難波さんの影響は濃く残っているものの自分のクリエイティビティで変化を試している姿が印象的だった。まだ弟子はいなくて一人で仕入れから仕込み、調理を全て行いながらも一切妥協しない、そのストイックな姿勢からは修道僧のような雰囲気まで滲み出している。

料理は最高クラスのものだったが、それだけではなく梢大将が得意としているワインのライナップもすごかった。特にシャンパーニュと白ワインを中心にしたリストは普通の鮨屋ではなかなか会えないものばかり。

ついついと頼みすぎちゃったが、料理とお酒の最高のバランス、幸せな夜だった。

鮨 さえ㐂

大阪と京都を経て銀座へ進出した鮨 さえ㐂さん。2ヶ月前に予約してやっと訪問できた。

予約時間は18時だったのに10分くらい早く着いてしまった。お店の前で18時まで待つつもりだったのにスタッフさんが出てきて中へ案内してくれた。開店時間まで外で待たせるお店が多いのにそのホスピタリティーが嬉しかった。大将も支度中だったのに笑顔で歓迎してくれた。気さくで面白い大阪のおじさんな感じの佐伯大将は人当たりがすごくいい。スタッフさんもみんな笑顔で明るい感じで大将の人の良さを表してる。

コースはつまみから握りへ進むオーソドックスな構成だけどつまみのレベルが非常に高い。高級和食屋の逸品料理のようで少し塩気があって酒の肴にちょうどいい。握りも赤酢ベースのシャリに最上級ネタの組み合わせで美味しくないはずがない。

またお酒の持ち込みも可能だったので今回は白と赤のワインを2つ持っていった。私をワインの世界に導いてくれた友人との訪問だったのでその御礼と勉強(?)の成果を見せるために今回は自分がすべて用意した。

まず白はアメリカのMarcassin Vineyard Chardonnay 2012を用意した。すごく評判がよかったのと中々手に入らない希少性、また友人があまり飲んだことないようだったのでこれにした。フルーツ&フローラル系のアロマに濃厚だけど甘さと酸味のバランスが非常によくて豊かな味わい。まるでモンラッシェのグラン・クリュのよう。

続いて赤はDomaine Fourrier Griotte Chambertin Grand Cru Vieille Vigne 2016。これがまた衝撃的に旨かった。Marcassinがかなり濃厚という噂があったのでそれに負けないブルゴーニュワインを探してこれを選んだ。Domaine Fourrierのワインが繊細さよりは力が強くて少しワイルドな感じがあったのでこれにしたけど予想を遥かに超えて力強さに加えて繊細さや艶めかしさまで揃えていて非常に魅力的なワインだった。

美味しい料理にいいお酒、いい人々とのディナーは最高すぎる!

鮨 石橋正和

4ヶ月ぶりの定例訪問。

マサさんの髪が伸びててびっくりしたけど聞いてみたらバイクがもうすぐ納車されるのでそのために少し伸ばしたらしい。2月が40才の誕生日でその日に合わせてビンテージハーレーのカスタムをオーダーしたけどコロナのせいでやっと来週納車されるらしい。それも色々諦めての納車らしいけどまぁとりあえず乗りたいよね。納車されたら千葉に一緒にツーリングに行く約束をした。勝浦タンタンメンコースだな。

とりあえずビールからスタート。最近あまりビールを飲んでないけどここのビールは特に美味しいのでついつい頼んでしまう。ビールを飲み干した後、女将さんに飲み物のメニューを頼む。最近ワインに対して色々勉強(?)してるのでどんなワインがあるのか気になってリストを見てみたらこれがまた半端ない!今までずっと日本酒ばかり飲んでたのでこんなにたくさんいいワインが置いてあるのを知らなかった。やっぱり自分が知ってる範囲でしかわからないもんだな。それに実は女将さんはソムリエの資格も持ってるらしい!これはこれは!今度また詳しく色々教えてもらおう!

マサさんの料理のクオリティーの高さは言うまでもないけどすばらしいワインのおかげでいつもの2倍くらい幸せな夜だった。

2014 Domaine Roux Pere et Fils Batard-Montrachet Grand Cru

2018 CALERA Pinot Noir

2011 Domaine Follin-Arbelet Romanee-Saint-Vivant Grand Cru

Charbon-pi しゃるぼんぴ

最近ブルゴーニュワインにハマりつつあってそれで色々調べてたらどストライクなお店を発見した。

Charbon-pi しゃるぼんぴは炭とマリアージュという意味らしい。オーナーソムリエの進藤さんはブルゴーニュの有名ドメーヌのジョルジュ・ルーミエで2年間修業したこともあるワインのスーパーエキスパートな方。湯澤シェフの本格的フレンチに合わせたワインのペアリングは極上そのもの。ブルゴーニュワインだけではなくてその幅を広げてシャンパーニュから白へ、また赤へつなげていくその全体の流れが非常にバランスがよくワインの味をしっかり楽しめる構成になっていた。

カウンターの後ろに巨大なワイン庫倉庫があってたくさんのワインが積まれてる。進藤さんがワインを取りに倉庫に入るたびに今回はどんな美味しいワインを持ってくれるかなとドキドキが止まらない。

隣のお客さんはペアリングではなくて白と赤を一本ずつボトルでしっかり飲んでてそれがまた羨ましかった。次回はそっちのほうを頼んでみよう。

鮨 あおとブルゴーニュワイン

最近「鮨 あお」率がかなり高い。

「鮨 あお」はあの伝説的な鮨屋「すきやばし次郎」で10年間修業を積んで最強の弟子とまで言われた岡崎亮大将が満を持して2020年6月最初の緊急事態宣言が明けて開いたお店。鮨 あおの「あお」は海のあお、青山のあお、岡崎亮大将はあおが好きらしい。コロナ渦の中での開業だったので少し心配はしてたが、今はもはや予約困難店。

今回はワイン、特にブルゴーニュワインに詳しい知人からの、ワイン会への招待をいただいての訪問だった。この会はワイン持参のルールだったが、自分はワインのことはあまりよく分からなくて持ってるワインもなかったので承諾を得て日本酒の鍋島を持って参加した。

ワイン会なので料理よりワインがメインだったが、その料理のクオリティの高さには驚かされる。元々すきやばし次郎さんはつまみなし握りのみなのでつまみは岡崎大将が開業のために別途修業をしたと思うが、そのレベルが非常に高くて毎回感心する。握りはというとこれはもはや芸術レベルで、もちろんお味も素晴らしいけどその形がキレイすぎて惚れてしまう。

メインのワインの話をすると自分はワインには全然詳しくないけどなんとなく今までたくさんのワインを飲んできたのにこの会で飲ませていただいたワインは全くそのレベルが違っていて新しい世界を垣間見たような気がした。これが本物のワインか!色々複雑で難しそうだけどワインのことをより詳しく知りたい。

鮨にワインは合う!

Domaine Comte Georges de Vogue Musigny Grand Cru Vieilles Vignes 2017
Domaine Comte Georges de Vogue Bonnes-Mares Grand Cru 2010
Nana Tsu Mori Pinot Noir Domaine Takahiko Soga 2015
Domaine Comte Georges de Vogue Musigny Blanc Grand Cru 2017
Domaine Leflaive Bienvenues-Bâtard-Montrachet Grand Cru 2003
Domaine Faiveley Chambertin Clos de Beze Grand Cru 1993
Domaine Ramonet Bienvenues-Batard-Montrachet Grand Cru 2003