いよいよロシアの国境を超えて西側へ行く日。今までロシア国境ではあまりいいことがなくてその国境を超えることが相当トラウマになっている。サンクト・ペテルブルクからロシア側のボーダーがあるイヴァンゴルドまでは約150kmで2時間半あれば余裕で行ける距離。朝9時前に到着できるように余裕を持って6時にホテルを出た。国境までの道は一部工事区間以外は空いていて快適に走れた。
ボーダーの手前にガソリン・スタンドがあったので残っているルーブルを全部使って満タンに。ここのガソリン・スタンドはロシアの他おガソリン・スタンドと違ってまずガソリンを入れてから入れた分を支払うシステムだった。ここで満タンにしたい人が多いからかもね。ロシアはガソリンが安いので。
ドキドキしながら国境に到着するとなんと1着だった。モンゴルとの国境と違ってトラックもないし、車もあまりない。その差にはビックリ。国境での手続きも今までと違ってかなり簡素化されていて余計な手続きがなくて楽だった。インタビューもない!ただ、渡る人が少ない分荷物検査は徹底的にやっていたが、それはもう慣れたもんだ。
ロシアボーダーを出てエストニアボーダーに入るまでの区間。ここでは歩いて国境を超える人たちも結構いてそれもかなり新鮮だった。今まで歩いての国境超えの概念があまりなかったので。
エストニアボーダーに着くとそこは建物から職員の服装、装備までロシアとまるっと違う。ロシアはまだ旧ソビエト時代の影が残っている反面、エストニアはアメリカの警察のような格好で建物も装備も全てが現代的!ここでもしっかり調べられたが、英語の登録証書だけではなくて日本の車検書や国際運転免許証、日本の免許証まで出させてしっかりと比較して検証された。まあ問題なかったので無事通過することができた。

やっとヨーロッパに入った!日本を出発して約14,000km、ロシアとモンゴルを走ってここまで来れたのはDesertXのお陰。今までの旅程を思い出しながら少し感情に浸かる。エストニアの国境都市ナルバのモニュメントの前で記念撮影をしていると通りすがりの方が「Welcome to Narva!」と歓迎の言葉をかけてくれた。嬉しい。
実は国境を超えることで頭がいっぱいだったし、国境超えがどのくらい時間がかかるのか分からなかったので予定を経てられなかった。こんなに早く通過できるとは!まだ11時前とかなり時間があるのでせっかくなのでエストニアの首都タリンまで行くことにした。
エストニアの右端のナルバから左端のタリンまでは約210km。今までロシアを走った感覚からするとすぐ隣町、またエストニアの国道はよく整備されていて走りやすい。基本的なシステムや交通ルールはロシアとそれほど変わらないが、道を行き来する車はヨーロッパのものが多い。町の風景もロシアと少し違ってヨーロッパの田舎町のような雰囲気でしっかり管理されている所が多くて可愛らしい。また至る所に菜の花が咲いていてその間を走っていくのがすごく楽しかった。天気もよくて最高のツーリング日和!

腹が減ってきたのでガソリン・スタンドで休憩。ここはなんとサークルK!エストニアを走っているとサークルKのガソリン・スタンドがたくさんあった。コンビニ単体ではあまりお店がなかったのでエストニアではガソリン・スタンドと一体化して事業を展開しているのかもね。


サークルKの品揃え。ロシアのガソリン・スタンドも必要十分な商品があったが、こちらのほうがその密度というか商品のバラエティ豊富で選ぶ楽しさがある。また手軽に食べられるファストフードの種類も多かった。
後、クレジットカードが使えるのが最高過ぎる。ロシアではカードも使えないし、お金も下ろせないので持っているルーブルだけでやりくりしていてそれが結構大変だったが、今はその心配がない。後、英語も通じるので何もかも楽。

アメリカンコーヒーとケバブで腹ごしらえ。味も素晴らしい。またロシアではVPNを使ってもなぜかLINEが使えなかったので溜まったメッセージの確認と久しぶりに友人たちと話ができた。またTwitterやInstagram,Facebookも自由に使える!

西側の自由を満喫しながらコーヒーを飲んでいたらスイスからバイクでツーリングをしているライダーの方が声をかけてくれた。今までの旅のことやこれからのことを少し話してサムズアップ!

走っているとずっと菜の花畑が広がっていたので我慢できずバイクを停めて写真を一枚。いい季節にきたものだ。気温も20℃を超えていたのでジャケットを脱いでバイク用のジャージー一枚で走ったけど全然寒くない。これが春というものか!
またエストニアの田舎道はオフロードでも綺麗に管理されたオフロードで非常に走りやすい。またすごく綺麗だったので我慢できず横道に入ってしまった。

またそこには大好物の風車がたくさん並んでいた。もう嬉しい風景。
のんびりゆっくりエストニアを満喫しながら走ったのに2時前にタリンに着いてしまった。市内は少し混雑していたが、きついほどではない。宿はBooking.comやAir B&Bが使えてカードも使えるので選び放題。この日は洗濯がしたかったので洗濯機がある宿を探してAir B&Bから予約した。なんか色々人権を得た感じ。


駐車場があってキッチンもあって洗濯機もあって綺麗なお部屋だが、すごく小さい。それが今まで見たこともないくらいの小ささ。なのにすごい快適でよく考えられている。また住宅街の真ん中なのに周りに木が多くて鳥の鳴き声もよく聞こえてきて癒やされる。

洗濯とちょっとしたバイクのメンテナンスを終えてからタリンの有名観光スポットの旧市街地に向かった。ここではUberが使えるのでそれがまた楽。

旧市街地は坂の上にあって登りきった所にKohtuotsa展望台があった。そこから見える旧市街地と新都心とのコントラストが綺麗。

また展望台にはたくさんの人がいて眺めを楽しんでいたが、あのカップルは一緒にきて別々に自撮りをしていた。ははは。

昔ながらの町並みに今もそのまま人が住んでいて家そのものも綺麗に管理されていた。工事もよくやっているようで見てみると外観に関しては伝統的な技法をそのまま使っているらしい。瓦とかもね。

やっぱりここはロシアの影響が強かった地域なのがよく分かる。ロシアの教会と比べるとより繊細で細かい所をしっかり作り込んでいる感じ。綺麗。

昔絵本で見たような伝統的な形の城壁や櫓があって中世ヨーロッパの雰囲気がある。

町の中にはたくさんの人がいた。地元の人もいれば観光客も。ヨーロッパや、中国、韓国、インドの観光客までは見たが、日本の観光客はいなかった。

降りてくるところにちょうど良さげなバーがあったので入って少し休憩。

ここではカラスではなくてカモメが幅を利かせていた。こいつは相当なワルで私のポテトフライを何本も強引に盗んでいた!

降りていく道も絵に書いたような城内町。この辺りにあるお店はほぼお土産屋。

降りきったところには広場があってたくさんの飲食店やカフェがあってそこにもたくさんの人で賑わっていた。

みんな余裕があってその寛いでいる姿を見ているとなぜか嬉しくなる。

やっぱりヨーロッパのカフェと言ったら路上のテラス席だよね。雰囲気出てる!

綺麗な景色を見ていたら歩くのが楽しくなって宿まで歩くことにした。街中を走っているトラムもロシアのものと違ってかなり洗練された最新式。スイスなどで見たものとあまり変わらなかった。

帰る途中ベトナム料理屋を見つけて無性にフォーが食べたくなって入ったお店。Welcome to Phoと書いてあったPho Bar。やっぱり醤油はキッコーマン。

店内もオシャレでモダンな感じ。かなり洗練されていた。この近くに寿司屋もあったが、ピザと一緒に売っているお店で外観はネオンを飾ってすごくヒップな感じだが、絶対美味しいはずがないのでパスした。ここは中にベトナム人の方が料理を楽しんでいたし、間違いなさそう。

牛肉のフォーを頼んでみた。本場の味ではないが、ちゃんとしたフォーで美味しかった。また久しぶりに食べてより美味しかったかもしれない。
やっぱり西側にくるといろんなもののバラエティが増えて嬉しい。できることも増えてこれからの旅がより楽しくなりそう。