EP041 Ducati Rīga

自由世界に戻ってきて嬉しすぎたのか前日は歩きすぎて疲れたのか久しぶりに5時くらいまでよく眠れた。外には鳥たちが美しい声で鳴いていてまだから注がれる優しい光が気持ちいい最高の朝だった。まずはブログの更新を終えてからシャワーを浴びて出発の支度をした。

今日の目的地はまずラトビアの首都リガにあるDucati Rīgaに寄ってからリトアニアのカウナスまで行く予定。もうこっちに来てからは国を渡ることはもうなんともない。どこまでも行ってやる!

まずはガソリンから。ロシアからエストニアに渡る前に満タンにしてあったが、無くなるのはあっという間。また好きになってしまったサークルKのガソリン・スタンドへ。英語のメニューがあってクレジットカードが使えてUIがシンプルで最高に使いやすい。が、ガソリンの値段がロシアの約3倍!これはちょっとビビった。

店内に入ると色々充実しているが、何よりこのケバブがメインのファストフードコーナーが大好き。他のガソリン・スタンドはマクドナルドやSubwayなどのコラボで展開している所もあったが、サークルKはオリジナルっぽい。ここで注文をするとスタッフさんがこの場で調理をしてくれる。

また店内のイートインスペースもオシャレでモダンなカフェのようだった。居心地良すぎてコーヒーを飲みながらちょっと長居してしまった。朝のこの余裕がいい。

2時間くらい走ってまた小腹が減ってきたので道沿いで見つけたビストロに入ってみた。外には旅仕様のハーレーが2台停まっていて何となく仲間意識で同じように並べて停めといた。気温が20℃を超えてツーリングには最高の日で道でたくさんのバイクとすれ違った。大型が多かった。

名前がビストロだったのでフランス料理っぽいものを提供する所だと思ったらロシア式のカフェだった。バルト三国にはまだロシアの影響が残っている部分があって懐かしさを感じる。昨日までロシアにいたがもう遠い昔のようだ。

初めて見る料理があったので挑戦してみた。パンの上にイワシとゆで卵が乗っているシンプルな料理。食べてみると思ったより塩気が強くてなんでこの組み合わせなのかがちょっと分からない。味は正直に微妙で次はないな。まあこれも経験!

あ、そういえばエストニアからラトビアに入国してしまったようだが、いつ渡ったかあまり分からなかった。Google Mapsを見るといつの間にかラトビアの領内に入っていた。日本で県をまたぐような感じだね。

グーグル先生の案内に従って進んでいるのだが、なんかすごい違和感がしてきた。最初は田舎道をずっと走らせて今は別荘地のような所を永遠と走っている。リガってラトビアの首都だよね?そのリガにあるはずのDucati Rigaなんだが…不安が大きくなっていろんな可能性を考えるうちに目的地に到着。

あった!Ducati Rigaがあった!が、何か様子がおかしい。店内が暗くて人がいなくてドアが締まっている。Google Mapsには営業中と書いてあるが…やられたか。途方に暮れていると黒いTシャツを着た人が反対側から歩いてきた。よく見るとTシャツにDucatiと書いてある!

まず私のDesertXのナンバープレートを見てビックリ。挨拶の後になんでここに来たのかを説明した。実はクルーズコントロールに2つ不具合があって一つは「たまに」クルーズコントロールのSETボタンが動作しなくなるのともう一つは「たまに」クルーズコントロールがOnになっている時に勝手に速度が設定されてしまう問題。エンジンを切って再度かけると直るが、また「たまに」発生する。この「たまに」が難しいんだよね。またクルーズコントロールの異常なのでこの場で再現ができない。しかし、彼にクルーズコントロールに問題があると伝えたらナウンイシューのようですぐ分かってくれた。お!よかった。

実はロシアで長距離を運転する時にクルーズコントロール機能がなかったらそんなに長く走れなかったかもしれない。日本で走る時はクラッチを握り過ぎていつも左手や左肩が痛かったのにロシアを走る時はスロットルを引っ張り過ぎていつも右手が痛かった。それを助けてくれたのがクルーズコントロールだったのでどうしてもきちんと直したい。

案内してくれたHarijsさん。ハリンスと読むのかな。彼がサービスマネージャーでどこをどう点検するのか何が必要なのか色々と相談に乗ってくれた。納車されて1,000kmの初回点検をDucati東名横浜で受けてこの旅に出たので3,000kmことにエンジンオイルとオイルフィルターを交換する以外ちゃんとした点検を受けてないので色々見てもらうことにした。Harijsさんと話をしていたら社長が来て敷地を案内したいと言われたので付いて行ってみた。

実はここはリガのリゾート地らしくて夏はここで水上スポーツのお店を展開しているらしい。多分それがメインでDucatiのディーラーは趣味が高じてやり始めた感じなのかな?Ducati Rigaのお店がなぜここにあるのかの謎が解けた。

水上ハウスからの眺め。ここで夏はモーターボートで遊んだり水上スキーをやったりジャンプをしたりするらしい。今はまだシーズンではないので見せられないのを残念がった。

また水上ハウスにはサウナも付いていて水で遊んで冷えた体を温めたり、逆にサウナを楽しんで湖にダイブすることも。

こちらが社長。名前を聞いたのに忘れてしまった。申し訳ない。かなりやり手で成功するビジネスマンの匂いがする。

こちらが新しく経てているショールームらしくてその完成を楽しみにしていた。この後も建材を見に行くらしくて一緒に行かないかと誘われたが、バイクの整備を見たいと断った。まあ見に行ってもよかったが、今はバイクのメンテナンスを優先したい。

少しタイミングは早かったが、エンジンオイルとオイルフィルターも交換してもらうことにした。またHarijsさんからもう15,000km走っているし、モンゴルを走ってきたのでエアーフィルターも交換したほうがいいと言われたのでそれも一緒にお願いした。

またこのDesertXのエアーフィルター交換がかなり手間がかかる。まずガード類を外してタンクを降ろさないとエアーフィルターにアクセスができない。自分でやるにはかなり無理な作業でサービスマニュアルにはディーラーにお願いするようにと書いてある。まあ他の作業もだいたいディーラーにお願いしてねと。

タンクを下ろして姿を見せたエアーフィルター。フィルターだけじゃなくて周りも砂だらけだったのでこのタイミングで開けていただいて本当によかった。

左下が新品のエアーフィルターで奥の方が既存のエアーフィルター。

中にはモンゴルからのお土産がギッシリと詰まっていた。少し動かすだけでも砂埃がすごい。

またサービススタッフ総出で作業にかかってくれてチェーンのメンテナンスだけではなくてフロントスプロケット内に溜まったチェーンルブのカスまで綺麗に取ってくれた。もう最高なんだが。

いよいよ診断機でのチェック。これがDesertXに繋がったのも1,000kmの時だけだった。

電子系統のエラーが結構出ていてざっと数えるだけでも10個は軽く超えていた。詳細は見てないが、それを全部フィックスさせて最後はアップグレードまで。これでクルーズコントロールの問題は直ったかな?

チェーンを綺麗にしてくれているGatisさん。彼はヨシムラとスズキが好きでいつか日本に行くのが夢だと照れながら言っていた。私が来た道を反対側から自分のバイクで行ってみたいと。その夢はきっと叶う!

全てのメンテナンスが終わって建設中の新しいショールームの前でみんなで記念撮影。急な訪問にもかかわらずかなり面倒な作業まで率先してやっていただいて本当に感謝しかない。また皆さんが見せてくれたホスピタリティは感動そのものだった。新ショールームが完成される頃にまた訪問したい。

思ったよりDucati Rigaで長居してしまって宿を予約してあるリトアニアのカウナスまで急ぎたい所だが、こういう時にこそとグーグル先生から素敵なプレゼントが届いた。ここはもう既にリトアニアだけどバルト三国の風景はかなり似ていてこういう田舎道もほぼ同じ感じ。オフロードでも極上に管理された綺麗な道で長閑な風景を見ながら走るのは最高の一時。少し余裕が戻ってきて道を楽しむことができた。

また国道に戻ると地平線の奥まで菜の花がいっぱい咲いている。また走りながら感じるその香りが最高過ぎる。本当に美しい国だね。

無事宿に着いてチェックイン。こちらもアパートタイプで今回はBooking.comで予約したが、同じものがAir B&Bにも乗っていた。なんかこっちに来てからホテルよりアパートタイプの数が全然多くてホテルは数が少なくて条件が会うものがなかなかない。

またHarijsさんがタイヤを交換したほうがいいとアドバイスしてくれたので明日はタイヤ探しの旅に出る。どこで売っているかな?