朝また雨が降っていた。前日の天気予報では1時間くらい少し雨が降るかもということだったが、朝からガッチリ降っていた。雨には慣れているので大したことない。ドイツのトリーアを出発してルクセンブルクを通過してフランスに入った時も雨が降っていたが、ナンシー辺りを過ぎてから雨が止んで晴れてきた。
フランスに入るとなんかホッとする。それは友達がいるからかもしれないし、フランス人の暖かさに触れているからかもしれないし、快適で過ごしやすい天気のせいなのもしれない。
フィリップさんとカリンさんがFbからこの旅をずっとフォローしてくれていてブルゴーニュに来たらいつでもまた泊まりにきてと言ってくれたのでお言葉に甘えて今週末はフィリップさんの家に泊まることにした。
フィリップさんの家があるマライン(Mâlain)に行く道の長閑な風景はバイクで走っていると心まで浄化されるような気がする。平和そのもの。

家に到着してバイクを停めるとなんだか実家に帰ったような安心感があった。たった一日しかいなかったのにね。そのくらいいい人たちに恵まれていたからかもしれない。

庭にテントを張って泊まると言ったのにフィリップさんがリビングに大きいベッドを用意してくれていた。もうありがたすぎる。すごく快適で素敵な空間。

フィリップさんはシトロエンのディアーヌのレストア作業に取り掛かっていて新しいペインティングのために車体を磨いているところだった。ヨーロッパのこういうガレージ文化は羨ましい。

フィリップさんは9人兄妹(!)でお兄さんのフランソワさんがYAMAHAのXT500に乗って遊びに来てくれた。本当に大事に乗っていて今はもう走行距離が30万キロを超えているらしいが、すごく調子がいいと言っていた。修理のための予備のパーツをたくさんストックしているらしくてXT500への愛で溢れている。

記念にみんなのバイクを並べて記念撮影。こういうのは国と老若男女関係なくバイク乗りならやりたくなっちゃうよね。

フランソワさんは画家でイラストレーター、美術の教師もやっていて自分の作品を持ってきて見せてくれた。ブルゴーニュの風景を書いている絵が多くて地元への愛を感じる。フランソワさんは娘が二人でいて彼女たちも美術関連の仕事をしているらしい。日本の漫画やアニメが大好きらしい。

リルーちゃんもお絵かきが大好きで一人の時間はいつも絵を描いていた。フランソワさんの絵を見たのは初めてらしくて興味津々だった。

後からフランソワさんの奥さんも来てくれてまた盛り上がる。彼女は美術館で働いていて10年くらい前に原美術館での展示のために日本に2週間くらい滞在したことがあって日本のことを色々覚えていていつかまた日本に行きたいと仰っていた。

フィリップさんが実家に伝わる秘伝のレシピで焼いたパイ。果物も庭の木から取ったものを使っていてオリジナリティー溢れて美味しかった。

またブルゴーニュでの食事ではワインが欠かせない。この日はアンヌ・グロのシャンボール・ミュジニー。2020とまだ若いヴィンテージなのにシャンボール・ミュジニーらしいエレガントな気品が漂っていてフルーティーで素晴らしいワインだった。やっぱりブルゴーニュで飲むブルゴーニュワインには特別な魅力がある。

フィリップさんとカリンさんが振る舞ってくれる最高のディナー。こういう暖かさを求めて早くフランスに戻りたかったのかもしれない。

料理もお酒も全てが美味しくていい人々に囲まれて幸せな瞬間。
久しぶりに全てが満たされる夜だった。