波はそれほど高くなかったが、不思議と船は揺れる。潮の影響かな?それでもぐっすり寝れたのは揺れがそれほど激しくなかったのと多分かなり疲れていたのかもしれない。船は順調に進んで起きたらもう北朝鮮を過ぎてロシアの領海に入っていた。到着時間は17時(ウラジオストクの標準時、日本より1時間早い)の予定だったのでそこからまた長い。

昼をすぎると徐々にロシアの島々が見えてきた。どんどん目的地のウラジオストクに近付いている実感がする。気温もかなり下がってきた。東海市はまだ春の暖かさがあったのにここはもう東京の冬並みの冷たさ。

ふっと時計を見るとしっかり電波時計が機能していてウラジオストク標準時に変わっている。実は一回G-SHOCKの選びに一回失敗したが、(GW-M5610U-1BJFの液晶が暗すぎて使い物にならなかった…)友人がそれを聞いて自分で調べてこのGBD-200-1DRをプレゼントしてくれた。もう感謝しかない。

いよいよウラジオストクが見えてきた!行き来するたくさんのコンテナ船にあまり戦争の影響を感じない。

ウラジオストクに近付いてくるとみなソワソワしてきたのかデッキにはたくさん方が出てきていた。また皆さんめちゃくちゃタバコを吸う。これでもかってくらい吸う。自分も5、6年くらい前までタバコを吸っていたので吸う人の気持ちはわかるが、それでも理解に苦しむくらい吸っていた。

お!いよいよウラジオストク市内の全景が見えてきた。あの有名な黄金橋も。

ウラジオストクから車でユーラシア横断の旅を始めるソンフンさん、ユワンさん親子。ユワンくんは小学校6年生で学校を1年休学してこの旅に出たらしい。人生においてもっとも貴重な経験をする1年になってほしい。友達のような兄弟のような本当に仲のいい親子で羨ましい。

スパソ・プレオブラジェンスキー大聖堂がここがロシアということを教えてくれる。船から見える町並みもかなり栄えていて思ったよりも都市の規模が大きかった。

お!写真でたくさん見たウラジオストク港!もうここから本格的なユーラシア横断の旅が始まることを考えると高揚感が高まってくる。予定時刻より1時間早い16時に着いた。早く着いて喜んでいたが…。

しかし、ここからウラジオストク、ロシアの洗礼を受けることに。ウラジオストクの入国システムはまた独特なものでまず船着き場に降ろされたコンテナから全ての荷物を出しておくと(これもかなり時間がかかった)船から降りた客が自分の荷物を探してそれを持ってイミグレーションと税関を通過して入国する。

降りる順番は、委託手荷物がないロシア人、委託手荷物があるロシア人、委託手荷物がない外国人、委託手荷物がある外国人の順番だったので気を長くして待っていたが、それでも時間がかかりすぎる。ここのイミグレと税関のキャパシティにも問題があるのかもしれない。

またイミグレーションまでは階段で2階まで登らないといけなくて外に出るのも階段を降りないといけないが、重い荷物をいくつも持って一人で移動するのはなかなか大変なので今回同じく車やバイクで来た6組でチームを組んで一緒に運ぶことにした。それでもすごく大変であれほど寒いと感じたウラジオストクなのにもう汗でびっしょり。

全ての通関が終わって外に出ると時間は20:30!4時間半もかかってしまった。なんかこれがロシアのオリエンテーションのように感じる。ロシア式の我慢と諦めを学んだような気がする。そのおかげで仲間がたくさんできて絆が深まった。

宿が隣同士の朴さんと同じタクシーでホテルまで移動してチェックイン。今回泊まるTeplo Hotelには遅めの20時くらいにチェックインすると伝えておいたが、それよりもまた1時間も遅れた。宿泊時に支払いする必要があったが、クレジットカードが使えないのとまだルーブルへの両替をしてないので翌日に払いたいと伝えたら快く承諾してくれた。部屋も1階でよかった。

小さいホテルだが、綺麗にまとまってセンスがいい。また居心地もいい。今回はバイクが通関するまで約1週間の滞在が必要なので他の時よりも慎重にホテルを選んだ。またBooking.comなどの欧米系のサービスは使えないのでYandexで調べてOstrovokというロシアの宿泊予約サービスを使ったが、他のサービスに遜色ない素晴らしいサービスだった。

シャワーを浴びて晩ごはんどうしようか悩んでたら隣のホテルの朴さんから連絡がきて遅くまでやってる韓国料理屋があるので一緒に行こうと誘われたので行くことに。もう22時が過ぎた時間だったのでさすがにやっているお店は少なかった。

とりあえずビールを頼んだら出てきたのはまさかのアメリカのバドワイザー。長い一日を経てのこの一杯が美味しい!お疲れ様でした!

頼んだのは豚肉炒め。ちょっと甘いけど美味しい。この日は昼もカップラーメンで軽く済ませたのでちゃんとした食事はこれが初めてだったので余計に美味しく感じる。

朴さんは大学を定年退職して今回車でユーラシア横断の旅に出たけどすでにモンゴルやたくさんの国を車で旅した経験のあるベテランだった。色々アドバイスをいただいたり、すごく優しい方でたくさんお世話になった。

朴さんと会話しながらホテルまで歩いていたらコンビニからソーセージを買って出てきたロシアの方が声をかけてきた。話を聞いてみるとウラジオストクの夜景スポットを教えたいらしい。Yandex MapやGoogle翻訳を使って教えてくれたのが「鷲の巣展望台(Орлиное гнездо)」。Sonyのミラレスカメラを持っていたので写真好きな方に是非オススメしたかったと。ロシアの方って見た目はコワモテだけど実際話してみると優しくて心暖かい方が多い気がする。
初日からバイクもないのにアドベンチャー感マックスでここからどうエスカレーションしていくのか楽しみ。