ホテルを出て、再び西へ。国道は思ったほど混んでおらず、流れも軽快。みんなだいたい時速80km超で走っていて、北海道を走ったときの感覚を思い出す。ただ、信号やハンプ、いわゆる“ニセハンプ”、制限速度の変化が多く、オートクルーズの出番は少ない。
空はどんより。出発して間もなく、ぽつぽつと雨。全身ゴアテックスなので濡れる心配はないが、路面は滑りやすい。縦溝の区間も多く、ヒヤッとする場面が続く。安全第一でいこう。
蟾津江(ソムジンガン)を渡って全羅南道(チョルラナムド)へ。ここはご飯が美味しいことで有名なので、前から楽しみにしていた。観光情報はほどほどだが、食の下調べだけは入念に済ませてある。

向かったのは順天市の「ナムニョクドゥル・パプサン」。11時の開店に合わせて到着し、のんびり写真を撮っていたら、雨の中にもかかわらず次々と人が入っていく。これはまずい、と急いで入店すると、ちょうど一卓だけ空いていて他は満席。滑り込みセーフ。
店内は広いが部屋のように仕切られており、テーブルも大きいので収容できる組数は多くない。ひとり客は自分だけで、店員さんから「ひとりだとイシモチ定食しか頼めないけど大丈夫?」と確認。まさにそれ目当てなので問題なし。韓定食は基本的に二人以上を想定しているため、ひとりだと断られることも多い。ひとり飯のときはクッパ類が無難だ。











運ばれてきた料理は、とにかく種類がすごい。予想をはるかに超える品数だ。イシモチ定食は約2,300円と聞くと高めに感じるが、この内容ならむしろ割安。数だけでなく味のレベルも高く、おかず一品でご飯が一杯いけそう。米は紅色がかっていて、特別な品種を使っているらしい。どれも本当に美味しかったが、さすがに量が多くてひとりでは完食できず。二人以上推奨の理由がよく分かった。
ごちそうさまでした。

外に出ると、待機列がえげつない。雨の中で外待ちの人も。さすがの人気店、早めに来て正解だった。
食後は目的地を決めずにさらに西へ。雨脚が強まり、疲れも出てきたので休みたくなるが、国道沿いには休める場所が少ない。日本の国道のように町の中を通らず、高速道路のように町から離れて作られているので、休むには国道を外れて町に入る必要がある。
二時間ほど走って適当な町に入り、コンビニでコーヒー休憩をしながら今夜の宿を検索。西側は良さそうなホテルが少なく、あっても観光地価格で強気設定。仕方なく、このあたりで一番大きい都市・光州(クァンジュ)へ北上することにした。
走っていると、メーターに燃料警告。残り約60km。NAVER Mapでハイオクを扱うスタンドを探すと、約24km先に一軒あるだけ。範囲を広げてもそこしかない。休みだったら詰む……とにかく向かうしかない。

燃料計と残距離の辻褄が合わずドキドキしながら走っていたら、ついに表示は0kmに。メーターはあまり信用するなと言われてはいたが、なんとか到着できて一安心。

韓国のセルフ給油機はプロ仕様(?)で勢いが強く、うまくコントロールしないとガソリンが跳ねる。もう少し優しくしてほしいところ。さらにカード決済は、先に約1万5,000円を仮決済し、給油後にその仮決済を取消して実際の金額を請求する方式(少なくともこのS-OILはそうだった)。最初はちょっとびっくり。
0km表示から満タンにしたら約19L入ったので、実際はタンクに2Lほど残っていた計算。リザーブ的なものだろう。良い学びになった。

ホテルは今回もBooking.comで予約。リーズナブルだがしっかりしており、プロ野球チームが光州で試合の際に指定で利用することで有名らしい。


部屋は白とネイビーで整っていて、リラックスできる。大きな窓から入る光もいい。ちなみにBooking.comで見ると、妙に安くてきれいなホテルは窓なしの部屋が多い。ラブホテルの転用らしく、それはそれで問題ないが、窓がないと圧迫感があって個人的には苦手。こういうこだわりを言えるのも今だけかもしれないけれど。

雨の中を走ってきたので、まずはチェーンメンテ。センタースタンドを付けておいて本当に良かった。これから活躍の場がますます増えそうだ。わがDesertXも、やっとアドベンチャー外装が形になってきた。ロシアに渡る前に一度、洗車しておこう。

晩ごはんはホテル周辺の人気店を調べて行ってみたが、ここもひとりは不可。色使いやフォント、デザイン、すべてが“韓国にしかない”感じで、久しぶりに見るとたまらない。絶対美味しいはずなのに残念。

代わりに近くで空いていそうな店に入り、ひとりでも快く受け入れてもらえた。

まずはおかずがずらり。約900円のキムチチゲを頼んだだけでこの品数。韓国の物価はかなり上がっているが、こういうところではまだコスパの良さを感じる。

チゲも“本場の味”。

ちゃんと発酵したキムチの深みが効いていて、間違いなく美味しい。ただ、なかなかの辛さで、お腹が痛くなってしまい完食できず……悔しい。

ホテルへ戻ってブログを更新。ふと窓の外を見ると、今の韓国を象徴するような風景が広がっていた。過去と現在、そして未来が同居し、激しく変化している。インドのムンバイとも違うカオスが、ここにはある。実に面白い。