2022年9月9日(金)
まだ台風11号の影響が残ってるのか夜中波で船が結構揺れていたが、それがゆりかごに入ってるかのような感じで不思議と深い眠りに導いてくれた。船でこんなによく寝れたのは初めてかもしれない。
出発が1時間遅れた分、到着も1時間遅れてる。それでも4時半くらいには起きて下船の準備を始める。5時20分頃になると車やバイクでの乗船者は車両のところに移動するようにアナウンスが流れる。荷物を抱えて5階から2階まで階段で降りていくけどこの時が一番汗かきやすいから急がずゆっくりと動く。

荷物をバイクに乗せて固定してこれから本格的に北海道旅を始める準備をする。バイクが降りるのは一番最後なのを分かっているのでゆっくり準備を進めてヘルメットやグローブはまだ付けない。みんな淡々と準備を進めるが、上陸を前に気分が舞い上がっていくのが見てわかる。

いよいよ車両甲板のドアが開いて船と岸壁を繋ぐランプウェイが接続作業を始める。船内に流れてくる冷たい空気が気持ちいい。

ここからが長いのを知っている。一番最初はトラック、その次が自家用車、一番最後がバイク。しかし、みんなソワソワし始めてヘルメットをかぶってバイクに跨りエンジンをかけ始めている。それに釣られて自分も万全の準備をしてスタートの時を待つけどここからが長いんだよね。もう暑い。
やっと上陸!多分北海道旅に置いてこのフェリーから降りる瞬間が一番ワクワクするのかもしれない。胸の高鳴りが止まらない。また北海道に戻ってこられたことをこの時初めて実感する。

新潟から小樽まで安全かつ快適に運んでくれた新日本海フェリーあざれあ号と記念写真。新日本海フェリーが横須賀と苫小牧間のフェリー作ってくれると最高だけどね。釧路行もいいな。とりあえず新日本海フェリーに感謝!

船を降りて真っ先に向かったのはセブンイレブン。上陸初コンビニはセイコーマートにしたい気持ちは山々だが、iPhone用USB-Cライトニングケーブルを手に入れなきゃ。コンビニでANKERのケーブルが買えるなんて便利な世の中だね。

とりあえずMacbookとつなげてiPhoneを充電する。バッテリーが20%以下になってバッテリーアイコンが赤くなるとすごく不安な気持ちになるんだよな。イナズマのアイコンを見てホッとする。
気を取り直して小樽から毛無峠を超えて国道393号線、メーブル街道393を気持ちよく走り抜ける。この国道393号線は数多い北海道の道の中でもお気に入りの道の一つでそんな素敵な道をほぼ貸し切り状態で一人で走れる贅沢。もうこれだけでも今回北海道に来た甲斐があった。

気持ちよく走って道の駅あかいがわでトイレ休憩。また7時前と早い時間だったのでお店はやってない。オロロンラインを走ったらこういう休憩ポイントで同じ船できた方々とよく一緒になるけどこの国道393号線だとあまり会わない。これはちょっと寂しいね。

道の駅あかいがわを出て倶知安町方面に向かうと目の前に羊蹄山が現れた。雲ひとつない晴天下の羊蹄山の存在感がすごい。北海道上陸初日にして最高すぎる。

美笛峠を超えて初日のメインイベント、今回の北海道旅の目玉、念願の美笛キャンプ場に着いたが、なんと「SHIKOTSUKO BLUE CAMP」で全面閉鎖!イベントは翌日だけどその準備のため前日から営業を中止しているらしい。よりによってこの日だったのが悔しいが、ちゃんと調べてなかった自分の責任だ。
まだ北海道で行ってない所も多いのに来るのが早いというメッセージなのかもしれない。もっと経験積んでから出直します!

はぁ…。相棒の後ろ姿も寂しそうに見えるのはきっと気のせい。
実はこういうこともあろうと思ってプランBを用意しておいた。美笛キャンプ場は北海道でも大人気のキャンプ場なのに予約ができなくて(10月からウェブ予約を試験運用しているらしい)朝7時からの先着順なので週末だとその前日から徹夜で並ぶ人がいるくらい混んでいるらしい。なので、もし入れなかった時のために休暇村が運営しているモラップキャンプ場を予約しといた。
美笛キャンプ場からモラップキャンプ場までは車で20分弱。チェックインは11時からなのに9時前に着いてしまった。とりあえず荷物だけ置いといて近所でも走ってこようと思って受付ハウスの前にバイクを停めたら中から管理人さんが出てきてすぐチェックインさせてくれた!アーリーチェックイン費用なんかも一切取らずに。もうありがたすぎる!捨てる神あれば拾う神ありとはこういうことか。

とりあえず支笏湖に挨拶。相変わらず綺麗で素敵。透き通ってる水が美しい。またこの場所に戻ってこられたことに感謝。もし前世があるとしたら自分はきっと支笏湖周辺に住んでたアイヌではないかと思うくらい支笏湖が好き。北海道にいると自然を崇めるのがどういうことなのか少し分かるような気がしてくる。


モラップキャンプ場はこれが初めてだけど抜群のロケーションで美笛キャンプ場よりアクセスもよく便利だけどその分秘境感は薄い。後、砂場全体がフリーサイトになっているのでテントが前後左右に密集しちゃう可能性が高い。

多分一番早くチェックインしたのでど真ん中で湖と近くて絶景を楽しめる所にテントとタープを張る。砂場で木がないので日陰がなくてタープは必須。

今回新たに導入したアイテムはHelinoxのコットワン コンバーチブル。以前使ってたGo-kotとほぼ同じサイズなのに重さはその半分、なのに強度があって生地のテンションも強いので寝心地がいい。設置と撤収もかんたんで本当よくできてる。実はより軽いライトコットを買うつもりだったが、試してみたら体がはみ出てしまったので諦めるしかなかった。
設営後まず向かったのは千歳のカメラのキタムラ。また大好きな道道16号支笏湖公園線を走って千歳へ。もう少し走るだけでこんなに癒やされる北海道は天国に一番近いのかもしれない。カメラのキタムラに寄ったのは三脚用のカメラプレートを買うため。今回写真と動画をしっかり撮ろうと三脚を持ってきたのになんとカメラと三脚の雲台を繋ぐプレートを家に忘れてしまったのだ。こういうプレートだけというのは売ってなさそうだけどダメ元で行ってみたが、やっぱり売ってなかった。まぁ、しょうがない。
気を取り直してランチを食べに東千歳バーベキューさんへ。

着いたのが11時半、昼前にも関わらずすでに行列ができていた。観光客よりは地元の方が多い感じだけど実はここの周りに何もないんだよね。周りは全部畑でポツンとこの店があるが、この店もまた北海道によくあるD型ハウスと呼ばれる農業用倉庫を改造したお店なのでそこに人が並んでるとなんか不思議な感じがする。

またこの外観のヤレ感、美味しい店に間違いない。

30分くらい待ってようやく中へ。店の中は煙と熱気で充満していてまるでサウナのようだ。換気扇はあるが、エアコンはない!テーブルの上にはティッシュ?紙タオル?のような紙が大量に置かれてあってみんなそれで汗を拭きながら食べていた。

注文は極めてシンプルで、まずバーベキュー(鶏肉)を頼んで野菜炒めかご飯をオプションで頼む感じ。野菜炒めも美味しそうだが、一人なので全部食べ切る自身がなくてバーベキューとご飯をお願いした。店のお母さんがすぐ鶏肉を運んできて目の前で塩コショウを適当に振ってから網の上に。後は自分で適当に焼いて食べるスタイルだった。飲み物はセルフ。

今まで磨いたアウトドアスキルで綺麗に焼き上げたけど炭火の火力が強くて焼き鳥と一緒に自分も焼かれる感じ。水風呂でもあったら入りたいくらいのサウナ感。その中で熱々の焼き立ての鶏肉を頬張るとすごく生きてる感じがする。これが「生きる」ということか!食べるためにはエネルギーが必要なんだね。食事というよりは格闘に近い。味付けは塩コショウだけだが、炭火の香りと鶏肉そのものの生命力みたいなのが交わって美味しい。
これはなかなか貴重な経験をさせていただいた。次は一人じゃなくて何人かで一緒に行きたい。

お昼の後は高速に乗って白老へ。まずクロネコヤマトの宅急便センターに寄って要らなくなった三脚を家に送った。こんなに早く荷物を家に送ったのは初めて。残念。この教訓を生かして次からは絶対忘れ物しないことを祈る。でも致命的なものではなくてよかった。

晩ごはん用の白老牛を買いに白老牛の店いわさきさんへ。ヒレが欲しかったけど売り切れだったのでサーロインを頼んだが、ステーキカットにするには200g以上必要ということだったので焼き肉カットで150gを買った。なんか最近はあまり油濃いものをたくさん食べれなくて150gも多そうだが、せっかくなので頑張ってみる。

東千歳バーベキューさんで汗をたくさんかいてしまったので樽前のゆのみの湯へ。北海道はどこにでも日帰り温泉があって好き。中は広々して露天風呂にサウナまであってすごくよかったが、着替えを持ってなかったのでさっぱりした後にまた汗に濡れたTシャツを着るのが苦痛だった。まぁこれも経験。

キャンプ場に戻ったらもうひとり宴会の始まり!サッポロクラシックとゴールデンカムイのコラボパッケージのビールを支笏湖で飲見ながら海賊房太郎のことを思う。贅沢なひと時。

支笏湖はどれだけ見ていても全く飽きない。なんて素敵な湖なんだ。

優しいお姉さんと元気な弟が遊んでる姿が美しい。

この日最後のSUPを楽しんでる人たちのシルエットも美しい。支笏湖ではすべてが絵になる。

晩ごはんは白老牛サーロイン150gと玉ねぎ炒め、サッポロクラシックと

カリフォルニア産の赤ワイン。
このワインは支笏湖で飲むために家から持っていった。バイクでの移動なので振動や温度管理などが心配でリーズナブルなのにしたけどそれほど影響がなかったので今度行くときはより好みのものを持っていこう!

支笏湖のマジックアワーを思う存分楽しむ。癒やしの風景。

暗くなってきたのでオイルランタンの火を一番大きくしたが、さほど明るくない。でも自然の中ではこのくらいの明るさがちょうどいい。

後は焚き火!
初日にして充実した最高の一日を過ごせた。北海道が、支笏湖がより好きになった。