EP032 Omsk

今日はオムスクまで約640kmの道。もう600km台の距離には慣れてしまって普通に思うようになった。一日5〜600kmは普通、それより下だと近く感じて200kmくらいだったらもう隣町な感覚。やっぱり慣れって怖いね。多分道の構造や信号、車の多さ、渋滞などが色々影響しているので日本の感覚とは全く違うけど無理だと思っても一回挑戦してそれを乗り越えるとその分自分のキャパシティも大きくなるのを感じる。

とは行ってもやっぱり時間はかかるのでできるだけ早めに準備をして朝6時半くらいにはホテルから出発した。6時半でも気温は4℃台と暖かい。やっと春が来た!しかし、ここでもみんな結構好き放題で車を停めているので後ろのバンが退けてくれるのをしばらく待った。

洗練されたノヴォシビルスクを見てもうシベリアっぽさはなくなったと思ったけど少し離れるとやっぱりここはシベリア、地平線一杯広がる白樺の森と湿原がまた現れてテンションが上がる!この白樺と湿原、野焼きは自分の中ではシベリアの象徴のようなものでこれを見ると戻ってきた感がある。この景色が永遠と続いている。

途中ガソリンスタンドで燃料補給のついでにコーヒーとロシア式の肉パイをいただきながら休憩を取った。西に行けばいくほどいろんなものが洗練されてくる。このガソリンスタンドもすごく綺麗で東京の真ん中にあっても遜色ないくらい。肉パイもちゃんとレンジで温めてくれてサービスにおいても素晴らしい。

走っていっても景色は大きくは変わらないが、どんどん人の手が加わったのが分かる。ちゃんと管理されているらしい。耕作地なのかな?放牧地?綺麗に管理されている土地の中の白樺も美しい。自分の中では白樺はいつも冬のイメージなのでこのように葉っぱが生えてる春の白樺はとても新鮮。

よさそうなお店があったらお昼を食べようと思ったが、やっぱりここはシベリア。ガソリンスタンドとモーテルは結構あるのに食堂はあまり見当たらない。モーテルに併設されている所はあったが、自分のセンサーにはあまりヒットしなかったので途中パーキングエリアで休憩をしながら非常食のチョコバーをいただいた。このチョコバーが疲れた体にはすごく美味しい。

オムスクに着いたのが2時半!なんと途中また時差の関係で1時間ボーナスをいただいたので思ったより早めに着いた。まずはホテルにチェックイン。このホテルは日本のビジネスホテルにかなりインスパイアされているのかもしれない。シベリアで泊まったホテルの中で一番部屋が小さいのかも。清潔感があって必要なものは全て揃っている。

実はここで一緒に韓国の東海からウラジオストクに渡ったジャギョムさんとビロビジャン以降二十日ぶりに再会した。私がモンゴルを彷徨っている時にジャギョムさんはバイカル湖に行ったり休憩日を取りながらゆっくり移動したらしくてちょうどオムスクで旅程があったのでジャギョムさんが泊まっているホテルに合流した。

ジャギョムさんと感動の再会を果たした後にまず両替をしに街へ出た。ここは中心街からは少し離れている所だが、極東シベリアとは街の作りも違ってもう東ヨーロッパのような雰囲気がある。Yandex Mapsでcurrency exchangeで検索するとかなりの数の銀行が出てきたので銀行ならどこも両替できると思って行ってみるとだいたい駄目だった。

銀行で近くに両替できる所がないのか聞いたら教えてくれたのがこの銀行だった。入って両替できるか聞くととなりの部屋を案内してくれた。行って円をルーブルに両替できるか聞くとできるのはドルとユーロ、カザフスタンの紙幣だけらしい。円しか持っていかなかったので急いでホテルに戻ってヨーロッパで使うために準備してあるユーロを持って銀行に。ありがたいことに銀行が19時までやっていたので助かった。ロシアではクレジットカードが使えないし、お金も下ろせないのでお金もちゃんと計算してしっかり持っていかないと大変な目に会う。

夜はジャギョムさんと再会を祝うために久しぶりに少しグレードの高いレストランに行ってみた。Kolchakというお店でYandex Mapsでの評判も高くて雰囲気もあって料理も美味しそうだたのでこちらにしたが、もう外観からいい店なのが分かる。

店内はイギリスのパブに影響を受けているようなインテリア。戦争の前はミシュランからも色々もらっていたらしい。スタッフさんのサービスも今までのシベリアスタイルではなくてヨーロッパスタイルのフレンドリーとホスピタリティ溢れているものだった。要求する前に察して色々用意してくれてちょっと感動してしまった。

まずはジャギョムさんと乾杯!ビールはなんとギネスの黒ビール!グラスもお味もちゃんとギネスだった。嬉しい。

ジャギョムさんは今年65歳で引退後すぐこの旅に出た。バイクを乗り始めたは去年で韓国で約3,000キロくらい走ってこのシベリアでその倍以上の距離を走っている。またバイクはBMW R1200GSAで最初は一日何回も倒していたらしい。300kgを超える車体を引き起こすための筋トレまで行ってきたらしい。それもジャギョムさんの身長は164cmでBMW R1200GSAをローシートにしたりリアサスを変えてローダウンしたりしても足付きが悪くてどうしても倒してしまう場合があるらしい。倒したら引き起こしてまた倒したら引き起こしながらこの旅を続けている。もう自分ならとっくに心が折れて帰ったと思うが…すごすぎる。

久しぶり海鮮が食べたくて頼んだ海鮮サラダは正直にそれほど美味しくなかった。やっぱり海から遠いので海鮮は全て冷凍のもので食材の鮮度や味があまりよくない。これはちょっと失敗。

どの店に行ってもボルシチを頼むが、ここのボルシチはウクライナ風だった。油が多い豚肉の生ハムやネギとにんにくを添えてくれるのもウクライナ風。

また久しぶりの牛肉ステーキ!この旅を始めてから食べたお肉の中で一番美味しかった。硬すぎず柔らかすぎず火加減もちょうどよくて完璧だった。これだけでもここに来た甲斐がある。

後は鶏のシャシリク。これも驚くほど肉質がよくてジューシーで旨味にあふれている。またスパイスをかけすぎず素材の味を活かす調理法も最高だった。やっぱり現地の食材が一番だね。

いい人と美味しいお酒とお料理を楽しめる時間は最高。長旅にはこういう贅沢もたまには必要だと思う。明日もまた640km、頑張ろう!

コメントを残す

以下に詳細を記入するか、アイコンをクリックしてログインしてください。

WordPress.com ロゴ

WordPress.com アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト /  変更 )

Facebook の写真

Facebook アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト /  変更 )

%s と連携中