EP053 Wachau

ウィーン三日目、この日もまたhenryさんがアテンドしてくれてツーリングに出かけた。この日は世界自然遺産のヴァッハウ渓谷へ。前日に続き最高の天気でツーリング日和だった。これはシベリアとモンゴルでの試練への補償にように感じられた。本当に頑張った甲斐がある。

ドナウ川に沿って作られた道を走っていく。やっぱり天気のいい週末だったのでたくさんの車とバイクで賑わっていた。それでも流れがよくてスピードを出さなくても十分楽しい。暑くもなく寒くもないバイクを乗るには最高の天気。

ビューポイントで写真を一枚。

ドナウ川の両側にはぶどう畑が山の上まで広がっている。こんな素敵な環境で育ったぶどうで作られたワインは絶対美味しいだろう。急傾斜の山の斜面に畑があるので機械は入れなくて全部人の手で作業をするしかなくてそれでワインの単価が高くてあまり海外には輸出されないらしい。また国内市場だけでも十分採算が取れるので安くしてまで海外に出す必要もないらしい。なるほど。

川沿いを走って行くとずっとぶどう畑と家が続いている。町も家もすごく綺麗でよく管理されていてまた停まっている車などを見るとその豊かさが伝わってくる。

ちょうど昼時だったのでレストランを探したが、どこも駐車場が車でいっぱいで停められなかったのでもっと奥のほうまで行ってみたらやっと駐車場に空きがあるレストランを見つけた。

厳密にはレストランではなくてホイリゲだった。ここもお客さんでいっぱい。実は久しぶりのいい天気だったらしくてみんな初夏の眩しい日差しを満喫している。

なのでこんなに素敵な室内空間があっても室内には誰もいなかった。

ホイリゲはワインがメインで冷たくて軽い料理しか提供できないルールがあるのでだいたい酒のつまみのような料理が多かった。味も少し塩気が強くてワインが進む感じだが、バイクなので飲めないのが残念!ここはホワイトワインが美味しいらしい。くぅ…。

食事の後は山のほうに上っていった。山梨のフルーツラインを思い出す。ここはヨーロッパなので家や畑、石垣の作り方も日本と全部違っていてまたそれが面白い。

山の上にビューポイントがあったのでバイクを停めて景色を楽しんだ。こういう風景を見ていると自分が今ヨーロッパにいるのが実感できる。絵に描いたような、頭の中にあるヨーロッパのイメージそのままだった。

より奥のほうに走っていくとそこはヤウエルリング・ヴァッハウ自然公園で全てが綺麗すぎてまるで夢の中を走っているような感覚だった。こんな景色が現実にあるのか!またその中を走っていくのが楽しすぎる。

またその中の家々もこの美しい自然に溶け込んでいてその一つ一つが愛おしく感じた。これがヨーロッパ、これがオーストリアなのか!素敵すぎる。

目的地も決めず山の中を気ままに走っていく。地形に沿って自然な感じに作られた道の適度なワインディングが気持ちいい。また他にツーリングを楽しんでいるバイクも結構あってたまに一緒になって走ったりしたけどそれがまた楽しかった。みんなライディングが上手くて流れがいい。

素敵なバス停があったので停まってみた。バスは一日5本くらいしか来ないらしい。隣にトトロが立ていても全然おかしくないような風景。

走っても走っても美しい景色は続く。またその中にある小さい集落もヨーロッパの映画に出てきそうな綺麗さ。アグリツーリズモ(Agriturismo)という農家民泊もあるらしいので今度はそれにも停まってみよう。

最後はメルク修道院でツーリングを締め括る。ピーク時はここまで人で埋め尽くされてテーマパークのような状態らしいが、まだそれほど人がいなくてよかった。それでも大きい駐車場には貸し切りの観光バスがたくさん停まっていた。

やっぱりツーリングといえばソフトクリーム。体に染み渡るこの甘さがいい。

帰りは川の反対側を走っていく。ここは少し川から離れて走るのでぶどう畑の真ん中を通過していく。途中結婚式のパレード車両の中に挟まれたりもしてオーストリアの田舎の雰囲気を満喫した。

また橋を渡って高速に戻る。この橋も結構いい味をしていてその構造が格好いい。

約1時間くらい走ってウィーン市内に戻った。henryさんが気を使ってくれてまだ走ってないだろうウィーンのメインストリートのほうに案内してくれた。走りながら見るオペラハウスがまた素敵。ウィーン市内は車が多くてもそれほど渋滞している感じはしなくて走りやすい。

夜はまたhenryさんの友人らと一緒に宴会。とりあえずビールからスタートしたけどこのビールがまた旨い。これがモーツァルトが愛したビールか!

このお店は韓国料理と和食、中華、タイ料理などアジア系の料理が楽しめてフュージョンな感じで美味しい。この天ぷらも衣が独特で食感がよくて美味しかった。

モーツァルトが愛したビールの後は皆さんが大好きな赤ワインのSALZL。オーストリアオリジナル品種の葡萄で作られたらしくて深い風味と味わいが印象的だった。

こちらはまた白で、この日行ってきたヴァッハウのワインで名前もDOMANE WACHAU!白でもちょっと濃い目でかなりパワーを感じるいいワインだった。日本でも普通に売ってくれるといいのにね。

もう今回のオーストリアではhenryさんにお世話になりっぱなしでそのお陰でオーストリアの魅力を十分すぎるくらい満喫できた。henryさんには感謝しかない。

EP051 Wien

オーストリアには山があった!山があることで地形にこんなにもバラエティをもたらしてくれることを今まであまり意識したことがない。

ポーランドからドイツ東部、チェコに至るまでほぼ平野で起伏がなくて真っ直ぐな道が多かったので正直にバイクを乗っていてもあまり楽しくない。すごく眠い道。車は移動した後が楽しくてバイクは移動している時が楽しい乗り物だと思っていたが、最近は移動だけが目的になっていたような気がする。

ドイツはまだ道の設計が優れていてメリハリを与えてくれたのでまだマシだったが、チェコはコンクリートの道が多くてこれがまたグリップが弱くて滑るイメージがあってちょっと怖かった。また縦溝のようなのが入ってたりしてバイクで走るにはあまり相応しくない。ちょっと辛いなと思った時にオーストリアに進入した。

すると道がガラッと変わった。何よりオーストリアには山があって丘があって複雑なカーブとアップダウンを作ってくれているので走るのがすごく楽しい!こんな道を待っていた!少ししか走ってないのにもう楽しい。一瞬で眠気が去って体がイキイキし始めた。またオーストリア西部にはアルプスの山々があって湖があってバイクに走るには最高らしい!もう期待しかない。その前にウィーンで少しゆっくりしながらメンテナンスをしよう。

ホテルに着いてバイクを停めたらこちらの方々が声をかけてくれた。「本当にバイクで日本から来たのか?」と「すごいね!」、「頑張ってね!」と応援してくれて嬉しかった。また自転車に乗っていたお兄さんもサムズアップをしながら通っていて色々歓迎されているようでまた嬉しい。

今回泊まるホテルはモダンなデザインのブティックホテルな感じだが、実は決め手はそれではなくて施設内にちゃんとした駐車場があったから。もう人はどうでもいいのでバイクを安全な場所に停めたかった。最初ホテルから駐車場には13台しか停める場所がないので確約はできないと言ったが、ドレスデンでの盗難事件プラハでの別ホテルの駐車場の利用の話をしたら快く駐車スペースを確保してくれた。シャッターがあってセキュリティでちゃんと管理されている地下の駐車場なので安心。

楽しくなっちゃってオーストリアに入ってからは休憩もせずホテルまでノンストップで走ったのでチェックインを済ませてシャワーを浴びてから近所にご飯を食べに。ちゃんとしたオーストリアの伝統的なレストランに行くつもりだったが、すぐ近くに雰囲気のいい小さいワインバーが昼からやっていたのでついつい入ってしまった。赤ワインと軽食のサンドイッチを一緒にいただいた。ここでは頼まなくてもお水をくれる!これは嬉しい。

ワインが美味しすぎたのでどんなワインなのか聞いてみたらオーストリアワインで葡萄もオーストリアだけの品種らしい。香りもよくて深い風味があって美味しかった。そういうば日本ではあまりオーストリアワインって聞いたことがないな。後で聞いたらオーストリアワインはほぼ国内で消費されて海外には輸出されないらしい。

ウィーンではバイク乗りも多かった。やっぱり山があって道が楽しいからかもしれない。昼間は30℃近くまで気温が上がって夏を感じる天気だったが、半ズボンでバイクはちょっと危ない。バイク用の服をちゃんと着ましょう。

ホテルに戻ってパニアケースとドライバッグを部屋に持っていって洗って汚れを落とした。またゴアテックスのジャケットとズボンも初めて洗った。これがなかったらシベリアとモンゴルの厳しい道を通れなかったかもしれない。その感謝の気持ちを込めてしっかりと洗った。本当にありがとう。

その後はオペラハウスへ。これを見に行ったわけではなくてここで人と待ち合わせの約束をしている。やっぱりインパクトあるね。ポーランド、ドイツ、チェコ、オーストリア、似ているように見えてそれぞれの国や都市によって雰囲気が全然違うのが面白い。

今日お会いするのはhenryさん。以前インスタグラムで知り合ったスラクストン乗りの方で当時同じスラクストンを乗っていたので仲良くなった。実はスラクストンもマニアックなバイクで乗っている人がそれほど多くないので同じバイクを乗っている人とすぐ仲良くなれる。実際会うのは今回が初めてなのに図々しく日本からの小包(中身はDesertXの純正ミラー!)の受け取りをお願いして持ってきてもらった。なので遠くからでもすぐ特定ができた。

なんとhenryさんが私のために和食のお店を予約してくれた。それも本物の和食のお店!これは嬉しすぎる!今まで行った都市ではいくら探してもなんちゃってJapanese Foodしかなかったのでこれがこの旅初めての刺し身!!一切れ一切れを大事に食べる。

それに夢にまで見ていた日本酒!刺し身と日本酒がある。これは最高すぎる。

後、豆腐!日本では当たり前すぎてなんとも思わなかった豆腐がこんなに美味しくて大事に思われたのは初めて。豆腐があってもここまで完全な日本式の豆腐は初めて。本当に美味しい。

色々美味しすぎたので酒も進む。日本酒もたくさん種類があって順番で升酒を頼んで楽しんだ。久しぶりに少し酔ったかもしれない。

〆は鉄火丼。これもちゃんとした和食の丼!変なソースとかかけられてなくてマグロの美味しさだけを楽しめる正真正銘の鉄火丼であった。全部美味しい。美味しすぎる!

もうhenryさんには感謝しかない。この日初めてお会いしたのに初めてな気がしないんだよね。明日はまた一緒にツーリングに行く約束をした。もう本当にありがとうございました。

henryさんが帰った後にオーストリアワインを飲んでみたくてhenryさんに教えてもらったWine&Coへ行った。ここはワイン専門ショップで売り場の一角にワインを飲めるスペースがあってグラスで楽しめる。日本のEnotecaと同じ感じ。

スタッフさんオススメのワインをいただいたが、これもまた非常に美味しかった。オーストリアワインってその基本レベルが非常に高くて十分楽しめる。次はピノ・ノワールを探してみよう。

ホテルに戻って早速ミラーを交換した。純正ミラーのほうがクラシックミラーより約1.5倍くらい大きい。これだけ差があるとやっぱり視野も全然違う。これでより安全運転ができる。

また明日のツーリングが楽しみ!