EP030 Altai Republic

死んだように寝たかもしれない。夜10時前に寝てしまって起きたら朝の5時だった。前日の国境超えが遠い昔のように感じてしまう。とりあえず記録は残すためにブログを書いたが、そういう経験はもうあまりしたくないな。気を取り直して今日の支度を始める。

今日はソンフンさん親子と一緒に550km離れたビイスクまで移動してOblaka Hotelのファミリータイプのルームに3人で泊まる予定だ。せっかくの再会だし、彼らはジョージアに移動する予定なのでいつ再会できるかは分からないので今日の一日を一緒に過ごすことにした。

DesertXはモンゴルの泥で綺麗にアドベンチャー仕様に仕上がっている。こんな感じも嫌いではないが、ノヴォシビルスクに行ったら綺麗にしてあげよう。お疲れ様。

Kosh-Agachを出て北上していくと景色がビックリするほど美しかった。何より「木」がある!モンゴルの北西部と接していて峠を一つだけなのにこんなに違うとは!

感動のあまりバイクを停めて休憩しながらソンフンさん親子と今の気持ちを分かち合う。同じ経験をして同じ所を旅してきたもの同士だけで共感できるものがある。素晴らしい。

ずっと絶景の中を走っていてどこを見ても綺麗。季節が進んで緑が増えるとより美しくなるだろうな。これが噂のアルタイか!後、モンゴルに比べるとそれほど寒くなく快適。こんな感じだとマイナスに落ちることはなさそう。風も穏やかで心も落ち着く。

休憩スペースがあったので停まってみると雪溶け水が流れて一面苔が煽っていて、また木にはモンゴルでよく見る布がかかっていた。この地域まではまだモンゴルの影響が残っていてまたカザフスタンや中央アジアのイスラム文化もあって面白い。

右側に聳え立つ岩山と左側に流れている川と木々、草原が美しすぎる。岩山からは結構落石があるらしくて大きい石が道沿いに落ちているので気をつけないと。

また停まれる所があってので少し休憩を取る。550kmを走らないといけないのでできるだけ体力を温存するために疲れたと思ったらすぐ休憩するようにしている。

今までのシベリアとモンゴルでは真っ直ぐな道が多かっただけにアルタイのグネグネした山道が嬉しい。山道と言っても日本のように細かいカーブやヘアピンなどは少なくて伊豆スカイラインのような高速カーブが永遠に続くような感じ。

朝ごはんを食べずに出発したので途中適当なカフェでブランチ。3人いると色々頼めるので嬉しい。他にボルシチとペリメニ(ロシア風餃子)も頼んでお腹一杯食べた。全部美味しかったが、特にこのお茶が美味しかった。お茶だけではなくてドライフラワーのような花も入っているらしい。

北に行けば行くほど気温が上がって緑も増えて自然がより豊かになっている。この辺に放牧されている牛や馬、羊たちは皆肥えていてモンゴルの家畜たちとはまるで見た目が違う。モンゴルの家畜にもこういう美味しそうな草を食べさせてあげたかった。

より北のほうに行くとそこはもうリゾート地で週末ということもあってたくさんの観光客で賑わっていた。久しぶりに多くの車と人を見て少し驚いた。また街と街の間隔が非常に近くて戸惑う。モンゴルでは隣街まで行くのに最低でも200kmくらいは移動しなきゃいけなかったのにここでは10kmも離れてない!間隔が色々とバグっているのかもしれない。

午後5時くらいに目的地のビイスクに着いた。規模としてはそれほど大きい街ではないが、極東シベリアの街と比べると明らかにヨーロッパ風になっている。というか洗練されているというか。モンゴルを通ってきたからよりそう感じているのかもしれないが、少し驚いた。

この辺りはもう春になっていて街中の緑が眩しい。緑がこんなに嬉しいとは!気温も10℃台と結構暖かくて過ごしやすい。

ソンフンさん親子とホテル近くのショッピングモール(!)に行って夕食を取ってロシアのプリペイドSimカードの期間を延長してきた。ユワンくんは久しぶりの洋食が嬉しかったらしい。

ホテルに帰るとなんとフランスから来たBMW R1250GSAが停まっていた!この旅で初めてみるオーバーランダー!すごく嬉しい。スクリーンに貼られているステッカーを見るとフランスから出発して中央アジアとロシアを通ってモンゴルまで行く旅程が書かれてあった。ちょうど私が通ってきた道を逆方向から行く感じ。

ホテルに入るとその方がチェックインをしていたので済ませるまで待って声をかけて挨拶をした。同じくバイクに乗って同じ長旅をしているだけでこんなに嬉しいとは!とりあえず荷物を片付けて少し休んでから一緒にビールを飲みに行く約束をした。

しばらくしてからまた彼と合流してホテルのスタッフさんオススメのお店に行ってみた。オススメと言ってもこの辺で遅くまで営業しているお店はここしかなかった。しかし、ここはDJがいてバンドが演奏をしていてお客さんが踊るようなお店で会話には適しているお店ではなかったが仕方ない。

彼の名前はInigo、なんとフランスのボールド地方でワインを作っているらしい。それも結構な規模のワイナリーだった。今62歳で引退の前にこの旅に出ているらしい。SNSやブログところか写真も撮らずにこの旅で感じることだけに集中しているらしい!その姿はストイックでまるで修行僧のようにも感じた。お互いにこれまで来た道とこれからの道の情報を交換してアドバイスし合った。彼は明日ロシアボーダーを超えたいと言っていたが、日曜日はボーダーがクローズしていることを伝えるとガッカリしたが、アルタイはバイク乗りに最高の道なのでそれを楽しんでモンゴルには月曜日、それも朝早く国境超えを試すようにと伝えた。なんの問題もなく上手くいくといいのだが…。

彼は7月頭にはもうフランスに戻るのでその時期にもしフランスに来たらぜひ来てくれと誘ってくれた。ワイン好きとしては行かない手はない!彼が作ったワインも飲んでみたいし、ワイナリーも見てみたい。

また旅行の楽しみが一つ増えてしまった。

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