朝起きると外の気温はまだ零下。でもこの寒さにももう慣れた。部屋の中はちょっと暑すぎるくらいなので窓を開けて冷たくて新鮮な空気を取り入れる。そこからブログの更新作業に取り掛かる。気温が上がるのを待っている時間を有効活用できるのでしばらくはこのルーティンでやっていこう。

7時半くらいにブログの更新を終えてフロントに行って朝ごはんを取ってきた。ここの朝食のシステムはまた珍しくて朝フロントに行くとこのような朝食セットを彼女たちが用意してくれる。多分食堂がないのにお客さんに朝食を提供するために考案したものなのかもしれない。
ご飯を食べていると外からノックの音がしたので出てみると前日頼んだ洗濯物を持ってきてくれた。ポカポカに乾いてまだ暖かい。それに綺麗に畳んでくれている。それにタダ。本当申し訳ないくらい心の籠もった最高のおもてなしをいただいた。もし次ベロゴルスクに行ったらまた「Zolotaya Melnitsa Mini-hotel」に泊まろう!
9時がちょっと過ぎて十分暖かくなったので出発。市内では何か大きいイベントがあるのか警察があちらこちらで道を封鎖してなにかをやっていた。それでナビの案内通りにいけなくて違う道に遠回りをしたら田舎道に案内してくれた。こういう細い橋を2つ渡って先へ進むと

こういう田舎道が出てきた。フラットで走りやすいけど時々砂が深くなったり、穴があったり、砂利道だったり気を抜けない道だが、モンゴルに行く前にいい訓練になっているような気がした。まあモンゴルはこんな生暖かいものではないと思うけど。
しかし、真正面からホイールローダーが追ってきて少し焦った。実はここは今新しく道を作る真っ最中だったのかもしれない。
そういうオフロードを11kmくらい走ったら道の最後に小さい集落が現れた。シベリアの田舎ってこんな感じなのか。誰かを待っていたお婆さんがバイクを見てビックリした。やっぱりシベリアでバイク、それもこんな形で荷物をたくさん積んだものはなかなかお目にかからないのかもしれない。

やっと本流のR297に合流できた時、目の前に見慣れた白い車が!同じ日に一緒にロシアに渡ったヒョンデさん夫婦だった!こんなに広いシベリアでこんな偶然がと思ったが、西へ行く道はこの一本のみなので会えなくもない。しかし、いくつかの偶然が重ならないとこんなことはなかなか起きないと思う。嬉しい。
とりあえず一緒に走ってお昼も一緒に食べることにした。
基本一人で走るのが好きだが、たまに一緒に走るとそれもまた楽しい。ヒョンデさんは非常に運転が上手くてメリハリがあって気持ちよく走れた。またその最中に広がるシベリアの美しい自然。やっぱり白樺はいくら見ても飽きない。

途中ヒョンデさん夫婦と離れて走っていたらちょうどいい所にパーキングエリアがあった。アムール地区は運転手に優しくてこのようなパーキングエリアが適所にあって嬉しい。

またここは見晴らしがよくて雄大な自然が広がっていて素敵な所だった。また北海道を思い出す風景だった。もう少し写真が上手かったらな。こういう平野の写真をうまく撮るこつを知りたい。写真より何十倍、何百倍も素敵なのにうまく表現できなくてもどかしい。

これがシベリアの道。補修に補修を重ねても亀裂やポットホール、段差などがたくさんあるけど湿原の上に作られた道なので仕方ないと思う。どこまでも地平線が続いていて時々刻々変わってくる美しい風景は全く飽きない。

また走りっぱなしで疲れ切った時に現れたカフェ。本当に砂漠の中のオアシスのような存在でここもたくさんの人で賑わっていた。この隣のガソリンスタンドもそうだったが、200km以上何もなかった所にあるのでこの次またいつこういう施設があるのか分からないし、やってない場合もあるので見つけたらとりあえず入るしかない。ここでまたヒョンでさん夫婦と合流。

オーダーをすると作り置きした料理を温めて出すシステムでスタッフさん二人でテキパキ注文を処理してくれていたが、さすがに多いお客さんでかなり疲れていた。メニューは言えないので食べたいものを撮ってそれをスタッフさんに見せて注文をする。

お客さんが多くて注文できるまでは20分くらいかかってしまった。これだけの客を裁くにはこういうシステムが必要なんだよね。

頼んだのはプロフと

肉の炒め料理。自由に選べたのにいつも食べているものとあまり変わらないね。実はまだ食べてないものも含めて3、4種類くらい頼むつもりだったが、出てくる量を見て辞めた。この二皿でも量が多くて完食はできなかった。

可愛らしいヒョンデさん夫婦。本当に仲のいい夫婦で見ていて楽しい。奥さんのヘインさんはフォロワー約6万人のインスタグラマー!

食後はまた自分たちのペースで西に向かう。またちょうどいい所にパーキングエリアがあったので一休み。ハバロフスクから1056km、チタまで1109kmの所、ちょうど真ん中辺りまで来た。道路表示版にずっとチタまで何キロと書いてあるのでチタに導かれている気がしてなんだか約束の地に思われてくる。
あと、もう慣れてきたのか直進で何千キロ先の都市が出てきてもあまりビビらなくなった。

水を飲んでいたら休憩していたトラックの運転手さんが声をかけてきた。身振り手振りしながら例の話をしてたらコーヒーを入れるので飲んでいけと言われたが、午後3時以降にコーヒーを飲んじゃうとあまり寝れないので丁寧に断って道に出た。
やっとベロゴルスクから560km離れたスコボロディノに着いたが、ここもメイン道路から離れると非舗装の道だった。でもずっと車が通っている道なのでフラットで走りやすい。むしろ市内のポットホールと段差だらけの舗装路が厄介だった。
スコボロディノはベロゴルスクより全然小さくて少し寂れた町だった。それでも街中に結構人がいたのでビックリした。ちなみにベロゴルスクとチタの間ではここが一番大きい都市らしい。

前日受付の彼女(名前を聞いとけばよかった…)が電話で予約してくれたホテル。この日ここも満室だったそうでヒョンデさん夫婦もここに泊まろうとしたが、部屋がないと言われたらしい。本当に予約しといてよかった。昨日の彼女には感謝しかない。

ここもなかなか個性的なホテルでなんかオールド・ボーイで主人公が監禁されていた部屋のような雰囲気!でもWi-fiや温水、暖房など基本的なことは全て揃えられているので満足。

チェックインを済ませてからバイクのちょっとしたメンテナンス。と言っても少し拭いてチェーンメンテをするだけだけどね。本当によく走るし、エンジンのレスポンスが気持ちいい。シベリアを2,000kmくらい走って分かったが、DesertXはスポーツマシンだった。クルーズ走行よりスポーツ走行のほうが絶対向いている!また少し分かち合えるようになったような気がして嬉しい。