EP059 Enjoy the Beaune

珍しくなんの予定のないオフの日だった。この旅がオフの続きだが、完全に休むというのはこの日が初めてかもしれない。その開放感が素晴らしくてこれからはもう少し余裕を持って旅を続けたい。

ほぼ毎日バイクに乗っていたのでこの日はバイクに乗らず一日過ごすつもりだったが、天気が良すぎてまたバイクに跨ってしまった。グランクリュの道を一往復。ディジョンまでは約40kmで往復80kmはちょうどいい距離だった。道はほぼ直線だがぶどう畑とブルゴーニュの村々を観賞しながら走るのはなかなか楽しい。

宿に戻って着替えてボーヌの街へ。少し涼しくなって散歩にちょうどいい。

角を曲がると素敵なバーが目に入った。横を流れているLa Bouzaise川がまるでちゃんと設計した庭のようでその景色を眺めながら優雅にワインを楽しんでいる人たちも素敵すぎたのでその仲間に加わりたかった。

入り口もまた素敵で入りやすい。シティセンター近くのお店は賑やかすぎてあまり入る気にならないんだよね。このくらいがちょうどいい。

グラスの赤ワインをお願いしてボーヌの午後を優雅に楽しんだ。何もしないこの贅沢な時間がたまらない。

夕飯の時間になったので近くのレストランに行ってみた。開店時間に合わせて行ったが、急に雨が降ってきたのでみんな慌てていた。店内よりもテラス席が多かったから雨が降るとその対応が難しそう。

落ち着くのを5分くらい待っていたらやっと席に案内してくれた。料理のメニューは一枚だけだったが、ワインリストは一冊の本。またそのワインリストが充実していて東京の高級店のリストのような感じだった。その中からルーミエのモレサンドニ2020を選んだ。ルーミエの2019、2020ヴィンテージはプレミアムが付いてモレサンドニさえなかなか手に入らないのにここでは気軽なお値段で飲める!

まさにボーヌで求めたことができて本当に嬉しかった。ふらっと入ったお店で好みのワインを気軽に飲める。もう最高すぎる。

ルーミエのモレサンドニ2020はすごく綺麗な色をしていてその香りと風味もすごい。もう開けた瞬間からそのパワーが溢れ出ている。

料理も素晴らしくてワインとの相性もバッチリ。それもそのはずがワインをメインにコースを構成しているからね。

デザートまで完璧で申し分ない。全部食べ終わるまで2時間半くらいかかったが、最後のワインの開き方も最高で一人で一本を一滴も残さず綺麗に飲み干した。

この一日でボーヌで求めた全てのことが叶ってすごく嬉しい。また明日はもっと楽しいことが待っている。

EP058 Wine Pilgrimage

いよいよこの旅の中で大きい目標の一つのブルゴーニュの旅が始まる。ディジョンからボーヌまでの「Le Chemin des Grands Crus(グランクリュの道)」は既に何回も往復していたが、ぶどう畑まで入るのはこれが初めて。

真っ先に向かったのはロマネ・コンティ!ブルゴーニュワインの最高峰で世界で一番高いワインの一つである。私もまだ飲んだことがなくていつかは飲んでみたいと思っているがそれがいつになるかは分からない。なかなか手が届かないワインなのでまず畑だけでも見ておこう。ロマネ・コンティに行く道の左右に広がっているのはロマネ・サン・ヴィヴァンで普通に素通りするものではないが、今はとりあえずロマネ・コンティ。

ロマネ・コンティのぶどう畑のシンボル、十字架のモニュメントまで行ったらアメリカからの団体観光客で賑わっていた。あの白いスーツにパナマハットの昔の映画から出てきたかのような方がツアーガイドでその設定も説明も素晴らしかったが、みんな聞いたり聞かなかったり写真を撮ったり。

こんなに近くで世界で一番高いワインのぶどう畑が見れるとは!鉄柵とかあると思ったが、そういうのはなかった。それでもちゃんと守られているのはここまでくる人たちはみんな敬意を払って大事にしてくれているのかもね。なだらかな斜面に広がっているぶどう畑が太陽の光を浴びて鮮明な緑色で輝いていた。素晴らしい!

団体の方々が去った後に自分も人生最大のミーハーをDesertXとやってきた。日本からフランスボーヌまで約20,000km。本当にここまで来れるとは!またこうやって天気にも恵まれて本当によかった。

ロマネ・コンティから左側に斜面を登っていくとそこにはまたラ・ロマネのぶどう畑が広がっている。ラ・ロマネはドメーヌ・コント・リジェ・ベレールのモノポールで何回も素敵な経験をさせてくれている大好きなワインだ。そのぶどう畑をこんなに真近で見れるとは!

また斜面をバイクで登っていくと左側にラ・グランド・リュとラ・ターシュ、オー・マルコンソールの畑が広がっている。ぐるっと回ってクロ・パラントゥの所まで行ったらもう道はオフロードで結構荒れていたが、そこで密かにピクニックをしている人たちがいて驚かせしてしまった。こんな所にバイクでくるとは!DesertXを見てそのバイクは大丈夫とサムズアップしてくれた。こういうピクニックもいいね!特級のぶどう畑を見ながら仲間たちとワインを飲む!

そこからリシュブールのほうをぐるっと回って降りてきた。畑の中の細い道はまた自転車ツアーのために開放されていたので今度は自転車でも走ってみたい。

ヴォーヌ・ロマネの街に戻って今度は大好きなドメーヌ・コント・リジェ・ベレールのワイナリーの前で記念撮影。中で働いている人たちが結構出入りしていて恥ずかしかった。また近くに中国人のインスタグラマーのような人たちが撮影していてなお恥ずかしい。まあ自分がやっていることもあまり変わりがない。

今度はシャンボール・ミュジニーへ。村に向かう途中ロベール・グロフィエの看板が現れた。そこがレ・ザムルーズということを教えてくれた。そこから上はまたミュジニー!そこにも行ってみたかったが、アクセスできるのは細い農業用の道路だけで行っていいのかが分からなくて辞めといた。ミュジニーはもう少し近くで見てみたかったな。

奥までシャンボール・ミュジニーのぶどう畑。レ・シャルムや村名格の畑が広がっていた。なんだろう?こうやって畑を回っていると今まで村名だからって少し下に見たりしていた自分が恥ずかしくなってきた。こんなに素敵な環境に特級や一級と変わらず精根込められて作られているものなんだ。これからはちゃんと敬意を払って飲もう。

畑の中を走っていくとシャンボール・ミュジニー村が現れてその行き当たる所まで進むとそこは…

そこはドメーヌ・ジョルジュ・ルーミエのワイナリー!個人的に一番好きな造り手でずっとこの場所に行ってみたかった。行ってなにがあるわけでもないが、こうやって写真でも一枚撮っておきたかった。もう嬉しい。

ドメーヌ・ジョルジュ・ルーミエの隣がまたジャック・フレデリック・ミュニエのワイナリー!すごすぎる。ヴォギュエにも行ってみたかったが、細い道の中に隠れてるような場所にあったのでバイクで行くとうるさくて近所迷惑になりそうだったので辞めた。もうこれだけでも嬉しすぎる。

村の奥の石灰の岩山を見るとシャンボール・ミュジニーの村が石灰質が多くミネラルをたくさん含んでいることがよく分かる。

またボーヌに戻って今度はワインショップを回ってみた。ワインに精通している方たちからオススメのワインショップを教えてもらって行ってみたが、最近はブルゴーニュの店でさえ人気銘柄はあまり在庫がない状態だった。

そんな中、このPrestige Cellarは驚くほどの在庫を持っていた。また日本人のスタッフさんもいて相談しやすい。フランスのお店ではフランス語以外で相談できない場合が多いのですごく助かる。

古酒のライナップもすごく充実していたが、その値段もまたすごい!

宿に戻って今度は少し早いタイミングで家の前のレストランに行ってみた。前日はちょっとタイミングが遅くて店内しか席がなかったが、今回はちょうどテラス席が開いていたのでそこに。

実は自分のバイクを見ながら食事がしたかった。

2回行ったらもう常連で扱いが変わってくる。今日はまたお店のお母さんが上機嫌で色々声をかけてくれたが、フランス語だったのであまり答えられず身振り手振りで日本からバイクで来たこととこのお店の料理が美味しいということを伝えた。伝わったのかどうかはよく分からないが…。前日は赤を飲んだのでこの日は白のムルソーを。

生ハムとアスパラガス、下には卵で作ったムースのようなソースがあって絡めて食べるとその3つの食材のバランスが素晴らしい。

こちらは野菜と葉っぱがメインのニョッキ。初めて食べる料理でとても新鮮だった。オリーブオイルもいい感じ。

最後にはちゃっかりデザートまで。

色々最高過ぎる日で自分が今まで頑張ってきたことが報われた気がした。まあヨーロッパの旅はこれからだけどね!

鮨 梢

初めて梢さんの鮨を食べたのは今から2年前のちょうど同じ時期だった。当時梢さんは鮨なんばで修業をしていて、難波大将が若手育成のために設けていたランチの二番手コースで鮨を握っていた。お客さんを前に緊張しながらもしっかりと難波大将の鮨を充実に再現していて、すごく丁寧な仕事が印象的だった。その後、梢さんが独立して自分のお店を出す話は結構前から聞いていたが、コロナ渦のせいなのかなかなか新店の話は聞こえてこなかった。

やっと先月辺りからあちこちから梢さんの新しいお店の噂が聞こえてきて、いよいよ2021年10月13日高輪台に「鮨 梢」をオープンするとニュースが届いた。また友人がオープン直後に「鮨 梢」での貸切会に招待してくれたので喜んで参加してきた。

梢さん、いや、梢大将は見ない間かなりの貫禄を身に纏うようになって鮨なんばさんでの修業時代とはその雰囲気が全く変わっていた。多分オープンまでの間にたくさんの苦労とともに成長されただろうと勝手に解釈してしまう。

つまりから握りへとオーソドックスな構成でありながらも自分のオリジナリティーを出すための工夫をいろんな所から見受けられる。まだ難波さんの影響は濃く残っているものの自分のクリエイティビティで変化を試している姿が印象的だった。まだ弟子はいなくて一人で仕入れから仕込み、調理を全て行いながらも一切妥協しない、そのストイックな姿勢からは修道僧のような雰囲気まで滲み出している。

料理は最高クラスのものだったが、それだけではなく梢大将が得意としているワインのライナップもすごかった。特にシャンパーニュと白ワインを中心にしたリストは普通の鮨屋ではなかなか会えないものばかり。

ついついと頼みすぎちゃったが、料理とお酒の最高のバランス、幸せな夜だった。

鮨 さえ㐂

大阪と京都を経て銀座へ進出した鮨 さえ㐂さん。2ヶ月前に予約してやっと訪問できた。

予約時間は18時だったのに10分くらい早く着いてしまった。お店の前で18時まで待つつもりだったのにスタッフさんが出てきて中へ案内してくれた。開店時間まで外で待たせるお店が多いのにそのホスピタリティーが嬉しかった。大将も支度中だったのに笑顔で歓迎してくれた。気さくで面白い大阪のおじさんな感じの佐伯大将は人当たりがすごくいい。スタッフさんもみんな笑顔で明るい感じで大将の人の良さを表してる。

コースはつまみから握りへ進むオーソドックスな構成だけどつまみのレベルが非常に高い。高級和食屋の逸品料理のようで少し塩気があって酒の肴にちょうどいい。握りも赤酢ベースのシャリに最上級ネタの組み合わせで美味しくないはずがない。

またお酒の持ち込みも可能だったので今回は白と赤のワインを2つ持っていった。私をワインの世界に導いてくれた友人との訪問だったのでその御礼と勉強(?)の成果を見せるために今回は自分がすべて用意した。

まず白はアメリカのMarcassin Vineyard Chardonnay 2012を用意した。すごく評判がよかったのと中々手に入らない希少性、また友人があまり飲んだことないようだったのでこれにした。フルーツ&フローラル系のアロマに濃厚だけど甘さと酸味のバランスが非常によくて豊かな味わい。まるでモンラッシェのグラン・クリュのよう。

続いて赤はDomaine Fourrier Griotte Chambertin Grand Cru Vieille Vigne 2016。これがまた衝撃的に旨かった。Marcassinがかなり濃厚という噂があったのでそれに負けないブルゴーニュワインを探してこれを選んだ。Domaine Fourrierのワインが繊細さよりは力が強くて少しワイルドな感じがあったのでこれにしたけど予想を遥かに超えて力強さに加えて繊細さや艶めかしさまで揃えていて非常に魅力的なワインだった。

美味しい料理にいいお酒、いい人々とのディナーは最高すぎる!

鮨 石橋正和

4ヶ月ぶりの定例訪問。

マサさんの髪が伸びててびっくりしたけど聞いてみたらバイクがもうすぐ納車されるのでそのために少し伸ばしたらしい。2月が40才の誕生日でその日に合わせてビンテージハーレーのカスタムをオーダーしたけどコロナのせいでやっと来週納車されるらしい。それも色々諦めての納車らしいけどまぁとりあえず乗りたいよね。納車されたら千葉に一緒にツーリングに行く約束をした。勝浦タンタンメンコースだな。

とりあえずビールからスタート。最近あまりビールを飲んでないけどここのビールは特に美味しいのでついつい頼んでしまう。ビールを飲み干した後、女将さんに飲み物のメニューを頼む。最近ワインに対して色々勉強(?)してるのでどんなワインがあるのか気になってリストを見てみたらこれがまた半端ない!今までずっと日本酒ばかり飲んでたのでこんなにたくさんいいワインが置いてあるのを知らなかった。やっぱり自分が知ってる範囲でしかわからないもんだな。それに実は女将さんはソムリエの資格も持ってるらしい!これはこれは!今度また詳しく色々教えてもらおう!

マサさんの料理のクオリティーの高さは言うまでもないけどすばらしいワインのおかげでいつもの2倍くらい幸せな夜だった。

2014 Domaine Roux Pere et Fils Batard-Montrachet Grand Cru

2018 CALERA Pinot Noir

2011 Domaine Follin-Arbelet Romanee-Saint-Vivant Grand Cru