目が冷めたのは5時が少し過ぎたくらいだった。外はまだ薄暗くて弱い雨の音がしていた。弱い雨だったし、昼間走っている時じゃなくてよかった。ただ、外が妙に白い。

外に出てみるとなんと夜中雪が降ったらしい。それが日が登るのにつれて雨に変わった模様。いや、これはバイクで走るのは厳しいね。とりあえず雨が完全に止んで気温が上がるのを待った。9時を回るとやっとマイナスから回復して10時くらいになると4〜5℃くらいなって路面の雪も溶けてなくなったので出発!
ハバロフスクを向かって北上しているとまた白樺の森がたくさん並んでいる。白樺大好きとしてはたまらない風景。こういう風景が何百キロも続いている。写真もたくさん撮りたかったが、路肩が非舗装の場合が多くてまた傾斜があるのでなかなか停められない。またその横をトラックが通ると本当に危ない。みんな基本100km以上出しているからね。
約2時間くらい走って最初の目的地のハバロフスクに着いた。ハバロフスクはかなり大きい都市だが、古い印象で昔のソビエト時代の雰囲気が結構残っている。それに比べるとウラジオストクはかなり洗練されたモダンな都市だった。
あと、道に大きいポットホールが非常に多くて気を付ける必要がある。それとみんな運転が非常に荒くてマッドマックス怒りのデスロード状態だった。気が抜けない!

最初の目的地はハバロフスクのMoto Dom。少し早いけどこの先、エンジンオイルを交換できる所があまりなさそうだったのでハバロフスクでバイク屋を探したが、なかなかヒットせず唯一バイクだけを専門的にやっているお店だった。
着いたのがちょうど12時でシャッターが閉まっていたのでお昼を食べに行ったのかと思って周りをウロウロしていたら中から人が出てきた。エンジンオイルを交換したいと伝えると「とりあえず中に入って」と。

基本シャッターは締めて作業をしているらしい。それはそうだ。開けていると寒いよね。
彼の名前はリマン、このガレージは彼が一人で運営しているらしいが、ひと目でいかにバイクが好きなのかがよく分かる。主に日本のバイクが多かった。
まずDucati指定のエンジンオイルの種類を確認してそれを買いに行ってくれた。そういえばこういうガレージって部品など必要なものは依頼主が揃えて依頼するのが基本だと以前聞いたことがあるけど私の状況を見て自分が直接行くのがいいと判断したのかもしれない。その間お茶やコーヒーを飲んで寛いでと。

約10分後にエンジンオイルを買って戻ってきたら早速作業に取り掛かる。今までやっていた作業は置いていてDesertXの作業を優先してくれた。もう有り難すぎる。

初回点検で交換してからまだ3,000kmも走ってないのにオイルが真っ黒。ほぼ高速でずっと回しっぱなしだったからか?本当このタイミングで交換できてよかった。

予約もせず昼時の飛び込み訪問だったのに嫌な表情一つ見せずに親切に懸命に対応してくれたリマンには感謝の気持ちしかない。旅に出てから人の暖かい気持ちに振れることが多くて幸せ。
リマン、ありがとう!!

ハバロフスクを出てビロビジャンに向かって西へ。ここからは更にシベリアらしい風景が広がっていて白樺と湿原の天国。白樺大好きとしても一生見れる分以上の白樺を見たかもしれない。くーたさんが仰ったように「北海道の外れのような何も無い道をハイペースで走り続ける感じ」でまたそれが何倍も続いている。

ただあまりバイクを停められる所がなくてこのようにバス停があると邪魔にならない所に停めて少し休憩を取るしかない。ウラジオストクからハバロフスクまではそれでも少しお店などがあったような気がするけどハバロフスクから西は本当に何もない道がずっと続く。
それでもシベリア横断列車と一緒に西日に向かって走るのはなかなか素敵な経験だった。また右には白樺の森が続いていて正に今自分がシベリアを旅している実感がしてきた。
R297から離れてビロビジャンへ。ユダヤ自治州の州都でハバロフスクを過ぎてから一番大きい都市だったのでここで宿を取って泊まることにした。ユダヤ自治州と言っても少しヘブライ文字が併記されている以外は他のシベリアの都市と大きな違いはないような気がする。見た目は。

この日の宿はHotel Bira。建物やエントランスの雰囲気からもうかなり歴史があるホテルなのがよく分かる。受付の彼女は少し起こっているように見えたが、実は結構優しくあれこれ対応してくれた。表情が起こっているように見えるだけで最後に「スパシーバ」とロシア語でありがとうと伝えると素敵な笑顔を見せてくれた。

部屋も年季が入っていたが、広々して一人で過ごすのは十分な設備を整っている。

バイクも鉄柵のドアがあるホテルの裏に停められて(別料金100ルーブル)安心。また頑張ってくれたDesertXのチェーンをメンテナンス。ウラジオストクを出発する前日にやって約1,000kmぶりのチェーンメンテだったが、既にサビが浮かんでいたのでチェーンクリーナーで丁寧に掃除してルーブで仕上げる。綺麗になったチェーンを見ると気持ちがいい。

チェーンメンテをしていたらジャギョム兄さんが来てくれた。

またソンフンさん親子も。みんなでウラジオストクから1,000km離れたビロビジャンで再会して夕食を共にした。やっぱり旅の醍醐味は気の合う仲間と出会うことだと思う。

もちろん英語や写真付きのメニューなどはなくてGoogle翻訳を利用してオーダーをした。ビーフステーキのつもりでお願いしたはずが出てきたのは海鮮サラダ。

またロシアの餃子だと思って頼んで出てきたのはアジア風の餃子だった。

この黒ビールは頼んだ通りのもの。
まあこういうのも旅の楽しさ。いい人達と楽しい時間と新しい空間を共有するのはなかなか素敵な体験だと思う。
北海道よりも高緯度だけあって、まだ平地でも雪が降るのですね。
街の雰囲気は異国ですが、郊外の風景は右側通行なことを除けば北海道と言われればそう見えてしまうような風景ですね。そんな何も無い道が延々と続く・・・大陸は広いですね!
見知らぬ異国で、同じルートを旅をする仲間と偶然再会するのはとても心強いですね!
いいねいいね
シベリアは北海道好きな方にオススメです!絶対気に入ると思います。
いいねいいね