EP011 A370(M60)

午後ホテルで仕事をしていたら通関エージェンシーのGBMから通関が完了したのでウラジオストクの税関に来てと連絡がきた。この日は諦めていたのでもう嬉しすぎる。4時半まで税関ビルの入り口に行ったら今回一緒にロシアに入国したメンバーがすでに集まっていた。そこにGBMのスタッフさんが来てまた税関での最後の支払いが。もう何回支払いしてるのか分からないけどこれが最後!

全ての書類作成完了後に車両の受け渡し用の建物(駐車場)に移動して自分の車が出てくるのを待つ。みんな心待ちにしていた再会の瞬間なのでソワソワしている。

一番最初に出てきたのがジャギョム兄さんのBMW R1200GSA!税関?港?のスタッフさんが乗ってくる。当たり前だが、皆さん運転が上手い。車両の状態を確認して問題なければサインをして受け渡し完了。

他の車が全部出た後に私のDesertXが出てきた!スタッフさんも満面の笑み!そうDesertXは乗ってて楽しいバイクです。

ホテルに帰って旅の支度をして翌日の朝7時に出発した。ウラジオストク市内お渋滞を避けるためにもう少し早く出発したかったが、準備に思ったより時間がかかってしまった。

やっぱりウラジオストク市内は渋滞していたが、朝の7時半だとそれほどひどくなかったので順調に市内を抜けてA370に進入。ロシア連邦道路A370は高速道路と国道が混在しているような形で最高速度110kmから最低速度が30kmまで多様な制限速度があってまた信号もある。特に町に入ると急に制限速度が落ちるので要注意。

1時間半くらい走ってそろそろ休みたい所だがあまり休める所がない。やっとトラック用のパーキングエリアを発見して一休み。前日ウラジオストクのコンビニで買っといたサンドイッチとコーラで朝食を取った。しかし、すごく寒い。現在気温は2℃、ウラジオストク市内ではそこまで寒さを感じなかったが、何もない荒野をバイクで走っているとその冷たい風を全身で受け入れることになる。関東の真冬より寒い。

後ろの青い箱みたいな建物がトイレらしいが、閉まってるらしくてそれ目当てに止まっていた人々がドアが開かないから慌てて次の休憩所に向けて出発していた。

ウスリースク(Уссурийск)を過ぎた辺りから高い山がなくなって平野が広がる。たくさんの白樺の森と広大な湿地に北海道を思い出す。止まって写真を撮りたかったが、路肩が舗装されてない場合が多くて車のスピードが高速道路なみに早いので危なくて諦めた。残念。

スパッスク=ダリニー(Спасск-Да́льний)辺りでいよいよロシアでの初給油。まず給油機の前にバイクを停めてガソリンスタンドの窓口へ行って入れたい油種と容量を行って金額を先に払う。すると給油機が動作するようになって給油を始められる。お願いした分が全部入らなかった場合はまた窓口に行くと残りの分のお金を返却してもらえる。

韓国では満タンに入れようとするとカードで先に約15,000円が先決されるのも面白かったが、ロシアのこの給油スタイルもなかなか面白い。ということはセルフ式のガソリンスタンドがないということなので給油する時間帯には気を付けないとね。ちなみに道路沿いにガソリンスタンドはたくさんあって給油には困らない。

順調に進んでダリネレチェンスク(Дальнереченск)に13時半くらいに着いてしまった。実はダリネレチェンスクはウラジオストクから約420kmくらいの距離にあって初日なので走るのは無理せずにこの辺にしとく予定だったが、着くのがあまりも早すぎた。ここでお昼食べてもう少し進もう。その前に記念によさそうなモニュメント(ステラ・ダリネレチェンスカ)があったので写真を一枚撮っていたら

人のよさそうなおじさんがわざわざ車を停めて声をかけてきた。旅人定番の「どこから来たか?」「どこへ行くのか?」「このバイクはどこの?」などの話題なので言葉は通じなくても全然大丈夫。ちょうどお昼を食べれる所を探していたのでおじさんに美味しいお店があったら紹介してと言ったら自分が車で先導するから付いてきてと。

約1kmくらいを走って案内されたのがこのフィエスタ(Фиеста)。一人で行ったら絶対入らないだろう外観だった。おじさんとはここでお別れ。本当にありがとうございました。

店内はたくさんのお客さんで賑わっていていかにいい店なのかがよく分かる。入った後も次から次へとお客さんが入ってきた。

注文はあのカウンターでメニューを見ながら頼むのだが、英語や写真付きのメニューなどはあるわけがない。とりあえず唯一知ってるロシア料理のボルシチとライス類を頼もうとしたけどうまく伝わらず、でも注文を受け取ってくれたお姉さんがすごく親切で色々聞いてたくさんアレンジしてくれた。

これが本物のボルシチ!スープが奥行きがあって芯まで染みる。こんなに美味しいボルシチは初めて。

もう一品は「ライス」と言ったらロシア語では「リス」と言うんだと教えてくれながら色々アレンジしてくれた料理。あの肉は多分シャシリクかな?これもまたスパイスが効いて美味しい。

いつも食べるお昼より量は少し多かったが、美味しすぎたので完食!食べるとまた元気が出る。

しかし、ダリネレチェンスクを出てすぐ工事区間が始まった!工事と言ってもこれ車通していいの?くらいの荒業でほぼ砂利道で深い砂利にハンドルが取られて何回も倒れそうになった。お昼をしっかり食べなかったら乗り越えられなかったかもしれない。この写真は途中エンストしてスタックしてた時。ここでの脱出に役に立ったのが以前TOSで学んだ半クラッチ。

このくらいでビビってモンゴルで走れるだろうか?心配になってきた。

ダリネレチェンスクの次に目星を付けていたビギンのAzhurというホテルに到着したが、満室で部屋がない。Yandexのレビューがよかったのでここにしたが、みんな考えることは同じ。その近くの宿にも行ってみたが、そこもお客さんでいっぱい満室だった。周辺にはそれ以上ホテルがなくて途方に暮れる。

仕方ないので100km先の次の町に行ってみよう。ただ、そこにも空いてる部屋があるという確信もなくて不安だらけ。最悪ハバロフスクまで行くか、露宿。

やっとの思いでヴャーゼムスキー(Вяземский)のM60というホテルに着いた。ドキドキしながら聞いてみたら空いてる部屋があると!嬉しい!嬉しすぎる。この辺の他の宿に比べたら少し高めだが、そんなの関係ない。本当に救われた感じ。

宿所は受付がある建物の後ろにあってしっかりした鉄のドアで守られていたのでバイクの駐車も安心。

オーナーが女性で室内もオーナーの感性が光っていて可愛らしい部屋だった。それよりも雨と風を凌げる暖かい部屋が確保できたのが嬉しすぎる。

ウラジオストクからここまでなんと630km!長い一日だった。

“EP011 A370(M60)” への 6 件のフィードバック

    1. おお!奥田さん、コメントありがとうございます!また毎日読んでいただいたようで頑張った甲斐がありますね。気をつけて旅を楽しんで帰ります^^

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      1. ロシアの砂利道でハンドル取られると読み、書かれていた様にモンゴルの砂漠の道で運転出来るか心配ですね。チンギス記は今4巻を読み終わりました^ ^

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      2. 実はあの砂利は川沿いによくあるような丸い砂利で普通の道のものではなかったです。またモンゴルでは砂漠も対応可能なオフロード専用のタイヤに履き替えるのでそこまで運転しづらい感じではないと思いますが、やっぱり普通の道と違うのでより気をつけないといけないですね。ただ、ゴビ砂漠で焚き火しながらコーヒーを飲むことを考えるとワクワクが止まりません^^チンギス記、日本に戻ったら私も読みます!

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  1. googleマップと照らし合わせながら楽しませていただいています。
    1日でかなりの距離を走りましたね、札幌〜稚内を往復する距離です。お疲れ様です。
    北海道の外れのような何も無い道をハイペースで走り続ける感じでしょうか?
    毎日の更新、引き続き楽しみにしています。どうぞお気をつけて〜!

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    1. くーたさん、コメントありがとうございました。まさにその通りでした。北海道の外れのような何もない道が何倍も続いている感じ、まさに大陸のスケールを感じます。また湿原と白樺が永遠と続くのは好み過ぎて痺れました。更新頑張ります!

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