River Point Lodgeのお母さんが作ってくれたヨーロピアン風朝ごはんを食べてから支度してアルバイヘールへ向けて出発した。前日お母さんに8時くらいに朝ごはんを食べると伝えて用意していただいたが、実は出勤時間が8時らしくこの日は特別に早く出勤して朝ごはんを用意したらしい。知らなかった…。申し訳ない。ありがとうございました!
9時くらいに宿を出てウラン・バートルの渋滞を避けるためにEnkhturさんが教えてくれたTuul Gol川南の山沿いルートでウラン・バートル中心街の渋滞を回避することに成功した。後は北上してAH-3道路から南部ルートが始まるA0301道路に乗ればいいだけなんだが、ウラン・バートルの渋滞を舐めていたのかもしれない。
川を渡ってA0301に入るまで十数キロを通過するのに2時間半以上かかってしまった。宿を出発してからおよそ3時間。この区間は抜け道がない一本道で工場などが密集していて交通量が多いのと橋と線路を渡る高架道路が連続していて混むしかない道だった。それに渋滞にイライラした運転手さんたちは入り込みやクラクションを鳴らしっぱなしで車が密集しているからか気温もぐんぐん上がって25℃まで!また2車線が3車線になるくらい車が入り込んでいるのでこんな大きいバイクですり抜けなんかできるわけがない。
この渋滞が多分この旅で一番つらかったかもしれない。

やっとウラン・バートルの渋滞を抜けて西に約100キロくらい走ったらいい感じの新しいパーキングエリアがあったのでバイクを停めて休憩をした。喉も乾いたし、お腹も減ったのでここで休みながらチョコバーでも食べるつもりだったが、カバンの間に挟んでおいた水筒がない!砂漠のど真ん中で水をなくしてしまった。パーキングエリアにお店があるわけでもなく、ここまで来るのにお店一つなかったのでこの次どこにマートがあるのかも知らない。それにあの水筒nalgeneの1.5Lのやつでかなり気に入ったのに…。

もう踏んだり蹴ったりで途方に暮れている時に声をかけてくれた人がいた。韓国から車で来てモンゴルを旅しているリュさんだった!日本ナンバーのバイクがあったので声をかけてみたと。リュさんに事情を説明して飲料水がないか聞いてみたら1Lのコカ・コーラを一本くれた!正に救世主!
リュさんは4月12日にウラジオストクに入ってシベリアを走っている途中にマシントラブルにあってしまって必要な部品を受け取るために最初予定になかったモンゴルに入国したらしい。いろんな偶然が重ね合いモンゴルのど真ん中のパーキングエリアで出会うなんて。この旅を始めてからこういう運命のようなものをよく感じるようになった。なるべきにしてそうなる。
リュさんに救ってもらったので気を取り直して走って見ると景色が時々刻々変わっていく。マンダルゴビのような砂漠が広がると思ったらもう少し草原っぽい所が出てきて同じような景色でもバリエーションがあって飽きない。

小さい峠を超えたらまた絶景が。向こうに小さい山が重なりそのコントラストの対比が美しい。またその真ん中に飲みていく道がモンゴルの道そのものだった。
また走っていくと草原と小さい湖があって動物だちが湖で寛いでいた。マンダルゴビの動物たちもこういう環境を味わってほしかった。今は遊牧民も土地ことに主が決まっているのかな?やっぱりいい環境のおかげでここの動物たちは肥えていた。

途中走っているとバイクのバランスがおかしい、というかハンドルが取られたりリアが流れたり上手くコントールできない時が増えてもしかしてパンクしたのかと心配になってバイクを停めて空気圧を図ってみた。フロントとリア、全く異常なしだった。たぶん道の状態が悪くてそう感じただけらしい。ここの道は一応アスファルトではあるけど前後左右に波をうっていて世の中の全ての種類のポットホールが体験できる驚異的な道だった。
そうやって一人で焦ってパニアケースを外して色々チェックをしていたら遠くで羊たちの世話をしていた少女が心配になったのか来てくれて大丈夫かと聞いてきた。シベリアの方もそうだったが、モンゴルの方も本当に優しくて困っている人がいたら躊躇なく助ける方が多い。ありがとう!
それからまた風が強くなって真っ直ぐ走れないくらい。シベリアの風もすごかったが、モンゴルの風も負けてない。これが大陸の風か!その中を一時間くらい走ったら立派な門が出てきた。やっとアルバイヘールに入ったっぽい。アルバイヘールはウブルハンガイ県の県庁所在地でマンダルゴビもそうだったが、県庁所在地はこういう門を設置している所が多いらしい。

アルバイヘールのBogd Hotelに着いて無事チェックインができた。設備とそのクオリティの良さは今までモンゴルで泊まってホテルの中で一番いいと思う。一泊4,700円と安いし、バイクも追加費用なしの地下の専用駐車場に停められる。チェックインしただけで一日の疲れが全部取れちゃうくらいの素晴らしホテルだった。
実はこのホテルはインターネットで予約ができなくて昨日泊River Point Lodgeでたまたまお会いしたモンゴルで旅行会社をやっているUchralssさんという方にお願いして電話で予約してもらった。もしこの方がいなかったら疲れた体で空いている部屋を探してアルバイヘール中のホテルを回っていたかもしれない。
もう毎日のように言っていることだが、皆様の助けでこの旅が成り立っている。もう皆様には感謝しかない。