EP110 The return of the DesertX

永遠と続きそうだった夏がやっと終わりを告げる頃に我がDesertXが通関したと連絡がきた。待ちに待った相棒の帰還!イギリスのエセックスで船便に送ったのが8月頭なので日本まで約2ヶ月半くらいの時間がかかった。実は東京に着いたのは約2週間前で通関までかなり時間がかかった。

夏は暑くてあまりバイクに乗らないから少し時間がかかってもいいと思っていた。しかし、4ヶ月間ずっと一緒にいた相棒がいないことがどれだけ寂しいのかその時はまだ想像もできなかった。乗らなくてもやっぱり隣にいてほしかった。

バイクを受け取れる日は朝からソワソワして落ち着かなかった。朝一に横浜新山下のロジスティクスセンターへ飛んでいった。

オフィスに行ってバイクを引き取りに来たと伝えると係の方が倉庫まで案内してくれた。梱包材の木箱はもう分解されていていつでも連れて帰られるようにしてくいれていた。久しぶりに会うDesertXはやっぱり格好良くて最高だった。2ヶ月半ぶりにエンジンをかけるるのでバッテリーが心配だったが、問題なく一発でエンジンがかかった。

このエンジン音、振動、そうだったそうだった!我がDesertXが戻ってきた!もう嬉しすぎる。久しぶりのフル積載のバイクに跨るとその重さにびっくり!この荷物でよくも4ヶ月間も走ってたね。とりあえずチェーンの調整と軽整備のためにDUCATI東名横浜に向かったが、タイヤが少し滑る感じがしてちょっと怖かった。ここは慣れるまで無理せずゆっくりと。

DUCATI東名横浜さんで軽く見てもらって月末に3万キロの定期点検の予約と交換してほしいパーツリストを渡して手配してもらうことにした。DUCATI東名横浜から家までの道は感が戻って楽しくライディングができた。やっぱりいいバイク。

家に着いて直ぐ様洗車に取り掛かって1時間以上洗ったが、頑固な油汚れなどはあまり取れなかった。これは後日専門家に頼もう。

隣に相棒がいるだけでもう幸せ。

EP007 Eastern Dream

いよいよロシアへ渡る日。Duwon商船の担当者から「10時までに東海港3番ゲートへ」と言われていたので、少し余裕を持って出発した――が、その「3番ゲート」が見つからない。最初に「ここが港だろう」と入ろうとした場所は韓国海軍の施設(軍港?)。あぶない。さらに進むと港らしき施設はあるものの、看板はなく重そうな鉄柵のゲートが閉まっている。違うのか? もう少し先には「4番ゲート」の表示。え、どういうこと? さっきの閉まっていた所が3番? Uターンして戻り、前をうろうろしていたら中から警備の方が出てきて、名前を確認してゲートを開けてくれた。

中に入ると、内側からだけ見える「3 GATE」の英字表示……これは外にも書いてほしい。これから行く方は、S-OILのガソリンスタンドを目印にすると良さそうだ。

まずは未払いだったバイクの運送費を精算するため、Duwon商船の事務所へ。クレジットカード不可とのことで、現金ドルで支払い。料金は時期や情勢で変動が激しいらしく、今回は1,500ドル。戦争の影響でかなり上がっているという。

今回、Eastern Dream号でロシアに向かうのは、車4組、バイクは私とBMW R1200GSAの方の2組、計6組。全員がそろったところで、Duwon商船のスタッフから流れの説明がある。

まず、車両から荷物をすべて降ろす。ロシア側では車やバイクへの個人荷物の積載が禁止で、載っていると正式な輸入手続きが必要になり、時間も費用もかさむとのこと。

荷物を降ろして“素の状態”になったバイクで、スタッフ車の先導に従い税関エリアへ。いよいよロシアに渡るのだと思うと、胸が高鳴る。

手続きはシンプル。韓国税関が車体番号を確認し、釜山港で発行された書類を回収して終了。出ていくものに関しては韓国も概しておおらかだ。キーは挿したまま置いておけば、積み込み・下船時の移動はスタッフがやってくれるらしい。

バイクを預けたら乗船までは自由時間。乗船開始は14時。東海港には小さな売店がひとつあり、両替もできるが、それ以外はほぼ何もない。最寄りの食堂は徒歩10分ほど先の東海駅周辺まで行く必要がある。まだ11時半だったので、散歩がてら駅へ向かった。

東海駅前は港よりは人がいるが、それでも閑散気味。市庁周辺の今どきの韓国的な街並みに対し、こちらは“昔の韓国”がそのまま残っているような趣がある。

駅前のグルメストリートには食堂が5軒ほど並び、その中でいちばん辛くなさそうな「ソンジョン・カルグッス(송정 칼국수)」へ。実は韓国に来てから辛くて熱いものが続き、胃の調子がいまひとつ。今日はやさしいものが食べたい。

創業53年の老舗で、いまは二代目。地元で人気らしく、次々と客が入り、またたく間に満席に。危ないところだった。

注文は「マンドゥ・カルグッス」。韓国式うどんに餃子が入った一品で、珍しく胡椒のキレで味にアクセント。マイルドで実においしい。さすが53年の歴史だ。

港へ戻ると、下ろした荷物は「預け手荷物」として送る必要がある。船内へ持ち込めるのは2個まで。まず各荷物の重さを量り、重量シールを貼ってもらう。それを発券窓口へ持っていき、預け荷物の料金を支払い、搭乗券を発行。荷物はその場で預ける。ここまで来て、ようやく乗船。長かった。

今回の座席はEconomy Class(B)。日本のフェリーをイメージしていたが、少し違う。荷物置き場がほとんどなく、足元に置くと足が伸ばせない。手荷物2個までの制限は、このスペース事情ゆえだろう。

二段ベッドがずらりと並び、満席で人が多い。やや収容所感のある光景が、逆に旅の本格的な始まりを告げているようで、妙に高揚する。

朝から荷下ろしや移動で汗だく。まずはシャワーへ。シャワーブースは4つだけの簡素な造りで、シャンプーやボディソープはなし。さらにこの時間はお湯が出ず、水のみ。ただ、暑かったので水シャワーでもちょうど良かった。

後で知ったのだが、シャワーとは別に浴槽もあるものの、お湯は張られていない。代わりにホースの蛇口からはちゃんとお湯が出る。

大阪→釜山の船では「そこはもう韓国」だったように、東海→ウラジオストクの船内は「すでにロシア」。体格の大きい人たちや存在感のあるタトゥーを見ると、つい映画のワンシーンを思い出す。

客室では落ち着かないので共用スペースへ――が、同じことを考える人ばかりでどこも満席。仕方なくデッキに出て、風に吹かれながらビールを一本。風は次第に冷たくなっていく。北上している証拠だ。波も風も強くは感じないが、船はそこそこ揺れる。潮流のせいだろうか。船酔いの人もちらほら。

夕食はビュッフェで、韓国料理多め。味は普通においしい。ただし食堂への酒類持ち込みは禁止で、注文も不可。酔客で宴会化するのを避けるためかもしれない。食後、バーでビールを一本だけ飲み、就寝。揺れが心地よく、ぐっすり眠れた。耳栓は忘れずに。

長い一日だった。

EP006 Kangwondo

大田(デジョン、대전)から江原道(カンウォンド、강원도)の東海(ドンヘ、동해)市までは、下道で約300km。山が多い地域なので峠道を考えると時間がかかりそうだし、午後からは雨予報。できるだけ早めに動きたい。

「東横イン 大田政府庁舎前」は朝食が6時半から。5時半に起きて身支度を済ませ、しっかり食べて出発。

その前に、ホテル横のハイオク対応スタンドで満タンに。DesertXは21L入るので、この一回で東海まで余裕のはず。給油機の質問がやたら多く、しかも急かされるのは相変わらず。カード決済は先に約1万5,000円を仮決済し、給油後に取消して実際の金額を請求する方式。国や文化でシステムが変わるのが面白い。ロシアは“先払い→給油”らしいので、それもまた体験が楽しみ。

大田から北東へ国道を進むが、休憩ポイントがなかなか見つからない。約2時間走って槐山郡(ケサングン、괴산군)でようやくセブンイレブンを発見して休憩。店内にトイレがあることを期待したが、ここにはなし。甘くないコーヒーで一息つきつつ、トイレ問題に悩む……が、悩んでいても仕方ないので再出発。

バイクにまたがり進路を迷っていたその瞬間、右側へ“ストン”。踏ん張ってみたが重さに勝てず、ダメージが少ないようにゆっくり寝かせるしかなかった。旅の“初・立ちごけ”。人も車もそれなりに通る場所で良かった。韓国区間は、ロシア前のオリエンテーションとして、優しめの条件でいろいろ試せていると前向きに捉える。

外せる荷物を降ろしてひとりで引き起こしに挑戦したが、これが難しい。YouTubeでイメトレしていたものの、あの投稿者たちは間違いなく怪力だ。アドベンチャーバイクはそう簡単に起こせない。助けを求めようにも近くはご年配ばかりで頼みにくい――そこへ一台の車が止まり、爽やかなお兄さんが「手伝いましょうか?」。神。二人がかりでなんとか起こせたが、ひとりだと厳しい。モンゴルに行く前に練習しておこう。

被害は右パニアに軽い擦り傷だけ。Ducati純正パニアは丈夫で、強化プラの傾斜が衝撃を逃がしてくれた。Unit Garageと迷ったが、頑丈さで純正を選んで正解。

アドレナリンでトイレ欲求は一時的に消えたが、しばらく走るとやっぱり限界。さらに一時間走って、スタンド併設のトイレを見つけて無事解決。後でTwitterでも「韓国はコンビニにトイレがないことが多いので、少し大きめのカフェや飲食店の入る建物、公園を狙うと良い」と多くのアドバイスをいただいた。感謝。

たくさんのアドバイス、ありがとうございました!

トイレの次は、当然ながら“飯”。忠清道(チュンチョンド、충청도)から江原道へ抜ける道は山・川・湖が美しく、観光地としても有名。店は多いが、辛いチゲ(メウンタン)や焼肉が中心で、ひとりで入りづらい所も少なくない。見た目の好みから外れる店も多く、贅沢とは分かりつつも迷う。

そんな中、店の前を通ると満足げに出てくる人たちの表情が目に入り、「ここは間違いない」と直感して入店。

駐車場の混み具合でも再び確信。ヘルメットを外してカバンに置くと、目に入ったのはUTPのステッカー。フィジカルにはひとり旅でも、実感としては家族や友人、先輩後輩、SNSのフォロワーと一緒に旅している。つながりが大事。このブログも、その共有のために更新している。

人気店ゆえ店内は満席で、テラス席へ。ひとりで頼めるのは胡麻カルグクスか胡麻スジェビのみ。昨日はカルグクスを食べたので、今日は胡麻スジェビに。日本の“すいとん”に近いポピュラーな料理だが、この胡麻スジェビは初。郷土料理らしく、久々のやさしい味が心身に染みた。人気の理由がよく分かる。

お腹が満たされると景色が一段と鮮やかに見える。山も川も本当にきれいで、こういう自然を求めて多くの人が都会から訪れるのだろう。

東海まではもうひと踏ん張り。正直、これまでの韓国の道は高速道路のような国道ばかり走ってしまい、バイク的に“面白み”が少なかった。しかし江原道の道はほどよいワインディングと美しい自然が合わさり、走っていて実に楽しい。ツーリング中のバイクとも初めてたくさんすれ違った。

ただし一つだけ困りものが“縦溝”。特に急なカーブや峠に多く、出てくるたびに寿命が縮む。車には有用らしいが、バイクとは相性が悪く、フロントのグリップ感が薄れ左右に振られやすい。道が険しくなるほど増えるので、精神的にも削られる。

文句を言いつつも、目的地の「Donghae Oceancity Residence Hotel」に無事到着。下道300km、立ちごけ1回、逆走3回――慣れたと思った頃がいちばん危ない。大きな道では平気でも、細い道に入ると癖で左側へ寄ってしまう。対向車でハッとして右側へ退避、なんてことも。もっと意識していこう。危ないから。

今回の宿はレジデンスタイプで、火曜のウラジオストク行きフェリーまで連泊予定。ロシア前にしっかりメンテしたくて選んだが、設備十分で価格も手頃。唯一の難点は室温が高めで調整しづらいこと。特にオンドルの熱気が強い。ただ、その分洗濯物はすぐ乾く。

近所のコンビニに寄ると、缶ビールがずらり。コロナ前は韓国ビール一色だったのが、今は輸入物とクラフトが目立つ。正直、昔ながらの韓国ビールは“お世辞でも…”というものが多かったので、みんな気付いたのかもしれない。

サントリーのプレミアムモルツを見つけ、嬉しくて500mlをつい2本。やっぱり自分にはこれが一番合う。大好き。

軽く一杯やってくつろいでいると、もう夕食の時間。周囲に店は多いのに、日曜のせいか閉まっている所が多く、ようやく見つけたのはスンデグッパ専門店――しかも“辛い”やつ。

辛くないスンデグッパを頼んだつもりが、やっぱり辛かった。でも美味しい。そろそろ刺激弱めのものを選びたいところ。

いよいよ、韓国での旅も最終盤。

EP005 Ducati Daejeon

ロシアに渡ると当分はDucatiのディーラーがない。気になる箇所だけでも見てもらおうと、ウラジオストク行きフェリーが出る東海(ドンヘ、동해)へ向かう途中にあるDucati Daejeon(大田〈テジョン、대전〉)を目指した。都合がいい立地だ。

ホテルを出てしばらく国道を走り、少し飽きてきた頃にナビが迂回ルートを提案。日本の県道のような道へ入ると、ようやくツーリングらしい気分になる。コチュジャンで有名な淳昌(スンチャン、순창)には、見事なメタセコイア並木。久しぶりにバイクを停めて記念撮影――やっぱりこういう道が好きだ。

ところが、テンションが上がったところでまた雨。それも土砂降り。昨日も今日もずっと雨だが、北海道での経験と全身ゴアテックスのおかげで致命的にはならない。とはいえ、晴れてくれるに越したことはない。

昼はひとりでも入れそうな店で、アサリの味噌チゲを注文。ここ数日辛いもの続きでお腹の調子がいまひとつなので、今回は“辛くない”を選ぶ。韓国で辛くないメニューを探すのは、なかなか骨が折れる。

アサリのすっきりした旨みと味噌のまろやかさが胃にやさしい。そろそろ和食も恋しくなってきた。

食後も雨は止まず、とりあえず国道に戻って大田へ。北へ行くほど気温は下がり、山道が増えて道も険しくなる。縦溝がある区間は特に走りづらい。右ヘアピンは相変わらず手強く、早く慣れないと今後に響きそうだ。

二時間ほど走って限界を感じ始めた頃、田舎のスーパーが現れる。嬉々としてバイクを停め、缶コーヒーで小休止。韓国版ジョージアは驚くほど甘い。辛いものはとことん辛く、甘いものはとことん甘い――極端さが面白い。

休んでいるうちに空が明るくなり、そこからは順調。あっという間にDucati Daejeonへ到着した。

店は“バイク屋”というより高級ブティック。

大きな窓から差し込む光が、Ducatiの美しい車体にくっきりとコントラストを与えている。実に気持ちがいい。

サービススタッフが足まわりと空気圧をチェックし、積載重量を考慮して少し高めに調整。ほかに問題はなし。これで安心してロシアへ渡れそうだ。

Ducati Daejeonの皆さん、丁寧な対応をありがとうございました。

宿は店の近くに押さえていたので、この日のメインはここで終了。

予約したのは「東横イン 大田政府庁舎前」。韓国にも東横インがあるとは知らなかった。システムも部屋も、あの“安定の東横イン”そのままでちょっと嬉しい。

シャワーのあと地下駐車場へ降り、二日連続のチェーンメンテ。どうやら明日も雨らしく、三日連続になりそう。きれいになったチェーンを見ると気分が上がるし、頑張ってくれているバイクに少しでも恩返しができた気がする。

晩ごはんはカルグクスと

ワンマンドゥ。

周辺には店が多いのに、営業しているところが少なく、開いていても“ひとり不可”の店が多い。逆に客が誰もいない店は不安だ。その点、このカルグクス専門店はひとりでも問題なく、客入りもよくて安心。料理はおいしく、しかも安い。量は多めだが、あまりに美味しくて完食してしまった。ちょっと食べ過ぎたかもしれないが、明日は東海(ドンヘ)市まで下道で約300km。しっかり栄養をつけておこう。

EP004 Namdo

ホテルを出て、再び西へ。国道は思ったほど混んでおらず、流れも軽快。みんなだいたい時速80km超で走っていて、北海道を走ったときの感覚を思い出す。ただ、信号やハンプ、いわゆる“ニセハンプ”、制限速度の変化が多く、オートクルーズの出番は少ない。

空はどんより。出発して間もなく、ぽつぽつと雨。全身ゴアテックスなので濡れる心配はないが、路面は滑りやすい。縦溝の区間も多く、ヒヤッとする場面が続く。安全第一でいこう。

蟾津江(ソムジンガン)を渡って全羅南道(チョルラナムド)へ。ここはご飯が美味しいことで有名なので、前から楽しみにしていた。観光情報はほどほどだが、食の下調べだけは入念に済ませてある。

向かったのは順天市の「ナムニョクドゥル・パプサン」。11時の開店に合わせて到着し、のんびり写真を撮っていたら、雨の中にもかかわらず次々と人が入っていく。これはまずい、と急いで入店すると、ちょうど一卓だけ空いていて他は満席。滑り込みセーフ。

店内は広いが部屋のように仕切られており、テーブルも大きいので収容できる組数は多くない。ひとり客は自分だけで、店員さんから「ひとりだとイシモチ定食しか頼めないけど大丈夫?」と確認。まさにそれ目当てなので問題なし。韓定食は基本的に二人以上を想定しているため、ひとりだと断られることも多い。ひとり飯のときはクッパ類が無難だ。

運ばれてきた料理は、とにかく種類がすごい。予想をはるかに超える品数だ。イシモチ定食は約2,300円と聞くと高めに感じるが、この内容ならむしろ割安。数だけでなく味のレベルも高く、おかず一品でご飯が一杯いけそう。米は紅色がかっていて、特別な品種を使っているらしい。どれも本当に美味しかったが、さすがに量が多くてひとりでは完食できず。二人以上推奨の理由がよく分かった。

ごちそうさまでした。

外に出ると、待機列がえげつない。雨の中で外待ちの人も。さすがの人気店、早めに来て正解だった。

食後は目的地を決めずにさらに西へ。雨脚が強まり、疲れも出てきたので休みたくなるが、国道沿いには休める場所が少ない。日本の国道のように町の中を通らず、高速道路のように町から離れて作られているので、休むには国道を外れて町に入る必要がある。

二時間ほど走って適当な町に入り、コンビニでコーヒー休憩をしながら今夜の宿を検索。西側は良さそうなホテルが少なく、あっても観光地価格で強気設定。仕方なく、このあたりで一番大きい都市・光州(クァンジュ)へ北上することにした。

走っていると、メーターに燃料警告。残り約60km。NAVER Mapでハイオクを扱うスタンドを探すと、約24km先に一軒あるだけ。範囲を広げてもそこしかない。休みだったら詰む……とにかく向かうしかない。

燃料計と残距離の辻褄が合わずドキドキしながら走っていたら、ついに表示は0kmに。メーターはあまり信用するなと言われてはいたが、なんとか到着できて一安心。

韓国のセルフ給油機はプロ仕様(?)で勢いが強く、うまくコントロールしないとガソリンが跳ねる。もう少し優しくしてほしいところ。さらにカード決済は、先に約1万5,000円を仮決済し、給油後にその仮決済を取消して実際の金額を請求する方式(少なくともこのS-OILはそうだった)。最初はちょっとびっくり。

0km表示から満タンにしたら約19L入ったので、実際はタンクに2Lほど残っていた計算。リザーブ的なものだろう。良い学びになった。

ホテルは今回もBooking.comで予約。リーズナブルだがしっかりしており、プロ野球チームが光州で試合の際に指定で利用することで有名らしい。

部屋は白とネイビーで整っていて、リラックスできる。大きな窓から入る光もいい。ちなみにBooking.comで見ると、妙に安くてきれいなホテルは窓なしの部屋が多い。ラブホテルの転用らしく、それはそれで問題ないが、窓がないと圧迫感があって個人的には苦手。こういうこだわりを言えるのも今だけかもしれないけれど。

雨の中を走ってきたので、まずはチェーンメンテ。センタースタンドを付けておいて本当に良かった。これから活躍の場がますます増えそうだ。わがDesertXも、やっとアドベンチャー外装が形になってきた。ロシアに渡る前に一度、洗車しておこう。

晩ごはんはホテル周辺の人気店を調べて行ってみたが、ここもひとりは不可。色使いやフォント、デザイン、すべてが“韓国にしかない”感じで、久しぶりに見るとたまらない。絶対美味しいはずなのに残念。

代わりに近くで空いていそうな店に入り、ひとりでも快く受け入れてもらえた。

まずはおかずがずらり。約900円のキムチチゲを頼んだだけでこの品数。韓国の物価はかなり上がっているが、こういうところではまだコスパの良さを感じる。

チゲも“本場の味”。

ちゃんと発酵したキムチの深みが効いていて、間違いなく美味しい。ただ、なかなかの辛さで、お腹が痛くなってしまい完食できず……悔しい。

ホテルへ戻ってブログを更新。ふと窓の外を見ると、今の韓国を象徴するような風景が広がっていた。過去と現在、そして未来が同居し、激しく変化している。インドのムンバイとも違うカオスが、ここにはある。実に面白い。