EP029 Russia Tashanta border Crossing

朝ソンフンさんが入れてくれた久しぶりの美味しいコーヒーとホステルのお姉さんが作ってくれたカザフスタンテイストの朝ごはん(香辛料のテイストが胡椒が効いていて独特だった)を食べながら今日のルートを話したが、ロシア国境まで一本道だし、国境を出てもしばらく一本道なので国境をどのくらいタイミングで通過できるかを見てどこまで行くかを決めることにした。

支度を終えてウルギーを出たのが朝7時半、ロシアとの国境までは約100kmで朝9時がら国境が開くのでちょうどいい。道は結構波を打っていたが、モンゴルの道としては結構キレイなほうで山が多いので大きめのカーブがあって走って楽しい道。また、計算通りに天気にも恵まれて快適だった。午後は強風らしいのでできれば午前中にボーダーを出たいと思いながら走っていたら

なんと急傾斜のオフロードの峠が待っていた!これは途中で止まってしまうと再スタートが難しいくらいの傾斜でまた路面が凍っている部分と水が溶けてシャーベット状態になっている部分、雪、乾いている部分が混在している。できるだけ乾いている部分を探してゆっくりと気を付けて登っていたが、やっぱり怖い。

やっと峠を超えたら今度は下りなんだが、こっちのほうがより滑る。できるだけエンジンブレーキで速度を調整しながらブレーキはあまり使わずに降りて行った。途中どうしても凍っている部分を走らないといけなくて生きた気がしなかったが、なんとかクリア。

やっとオフロードが終わって舗装道路に戻ったが、なんで一番厳しい区間だけオフロードに残しているのかな?これから工事?もし今日のように天気がいい日ではなかったらあの峠を超えるのは厳しかったかもしれない。今日でさえあの状態なのでもし気温が低かったり雪でも降ってたら絶対滑り落ちそう。

オープン10分前の8時50分くらいにモンゴル側のボーダーに着くと既にトレーラーは長蛇の列。みんな徹夜で待っていたのかな?ちょっと甘く見ていたかもしれない。

また車もかなりの数が国境のオープンを待っていた。大丈夫かな?

とりあえずソンフンさんの車と並べて待っていたら

モンゴル国境事務所の関係者のような方が来てバイクは前に出せるように指示をしたので最前列のほうまで移動したら賄賂を要求してきた。多分関係者ではなくてブローカーのような人かもしれない。残っていたトゥグルグを全部(といっても数百トゥグルグしかなかった)渡そうとしたらそれは要らないからルーブルやドルをくれと言ってきたのでそれはないと拒否したら渋々と他の獲物を探しに行った。多分モンゴル人相手にそういう商売(?)はできなさそうだし、旅行者もいないのであのおじさんにも厳しい季節なのかもしれない。

モンゴルボーダーに入ってからまずカスタムコントロールでの荷物検査の後にパスポートコントロールで出国手続きをするのだが、かなりゆるくてバイクも外観だけチェックしてOKのハンコを押してくれた。また車両関連書類のほうも何人かに渡って確認をする人、ハンコを押す人に分かれて2回くらいそういう作業を繰り返して終わり。

手続きそのものはそれほど難しくないが、とにかくみんな並ばない。モンゴル人は横から上から下から入ってくるし、ロシア人は団体で窓口一つをブロックしてお前らはあっちに行けというし、書類を出すまでが結構大変。モンゴル人の間を潜り抜けてやっと書類を提出したら受付のおじさんがこれはよく分からないから隣のロシア人が陣取っている窓口に行けと言われた。またロシア人の間を潜り抜けて書類を提出すると女性の職員さんがバイクのメーカーなどを聞きながら確認作業を勧めてくれた。

全ての手続きが終わって国境を出るまでにかかった時間は約1時間とバイクだったからこのくらいで済んだと思う。

モンゴル側ボーダーを出てまた山道を約20分くらい走っていくと峠の頂上にロシア側のボーダーがあった。ここも手続きを待つ車で長蛇の列だったが、バイクは一番前に出してもらって優先的に手続きを進めてもらった。事前にパスポートや車両登録証などを確認してもらってボーダーオフィスのほうに行くとまずパスポートコントロールに案内された。

女性の職員さんが担当してくれたが、すごくフレンドリーで接しやすかったが、やっぱりここでもインタビューのようなものが行われた。前回のキャフタボーダーのように別室に連れて行かれてやった本格的なものではなくて自分でできるだけ詳しく自己紹介をしろというので前回のインタビューの内容を思い出しながらできるだけ詳しく自己紹介をしたら満足げな顔でスタンプを押してくれた。

このインタビューのようなことをしている時に向こうの部屋の前に人だかりができていた。何かの手続きをする部屋でその順番を待つモンゴル人とカザフスタン人の間に横入りなどを巡って喧嘩になって大声が飛び合って修羅場になっていた。そこにボーダーの職員たちが割行ってなんとか収まったが、この時はこれは自分にどう影響するのか全く知らなかった。

パスポートコントロールでの手続きが終わったら外に出て荷物検査。担当してくれた方がすごくジェントルで優しい方で全ての確認作業をきちんとしながらも人に嫌な気持ちを与えない。気分よく検査を終えたらカスタムコントロールに行くように言われて行ってみたらカスタムコントロールが先ほど人たちが大騒ぎをしていた所だった…。

行ってみると誰も案内してくれる人がいなくてそこにいるのはほぼモンゴル人のみだった。カザフスタン人はさっきの喧嘩以降外に出て他の所で待っているらしい。英語が通じる人もいなくて電波も入らないので通訳アプリも使えない。しばらく待っても何も起きなかったので人だかりができている部屋に入って見ると女性のスタッフさんが一人で作業をしていた。どうすればいいか聞いたらバイクの通関関連の書類を2枚作成して外で待っているように言われた。書類は全部ロシア語でできていたが、内容は以前ウラジオストクでもらった書類と同じだったのでそれを参考になんとか作成。その後、あの人だかりの一番後ろで順番を待っていたらまた後からきた人が横入りしたり、大声が飛んだりとカオス状態…。ちなみにロシア人は書類作成は要らなくて確認だけもらってすぐ行けるのでそこに残っているのは外国人のみ。

ずっと待っていても人だかりが減らない。最初は人が増えてきて減らないのと思ったが、どう見ても同じ人たちで作業が進んでないように見える。そのまま4時間くらい待たされてどうすればこの状態から脱出できるのか考えても答えがない。ロシアボーダーの職員たちが仕事を進めてくれることを祈るしかなかった。もうストレスで倒れそうな時にやっとソンフンさん親子がロシアボーダーに入ってきた。二人は車の中でずっと待っていたらしい。これがまたすごく嬉しくて状況は同じだが、誰か一緒に話せる人がいるだけでも力になる!ソンフンさんに手続きの順番を教えて書類を作成してもらってまた一緒に順番を待っていた。もう時間は17時を過ぎていてもうすぐ定時なのでもしかしたら今日は国境から出られないかもしれないと心配になってきた。このボーダーは峠の頂上にあって外は強風が吹いている。どうしよう…。

とその時に部屋の中から女性の職員が出て私を指名して呼んだ!おお!モンゴル人以外の人を先に進めてくれるそうなので急いでソンフンさんも呼んで一緒に通関書類作業をやってもらった。この時にまたドキュメントを一枚渡されて作成しろと言われたが、疲れ切って文章が目に入らなかったのでユワンくんに変わりに作成してもらった。仲間がいるって本当に力になる!

実はこれほど手続きが進まなかったのは朝の喧嘩騒ぎへの懲らしめのようなものでその流れ弾に打たれたっぽい。はあ、こんなこともあるんだね。

それでやっとタシャンタボーダーから開放された。時間はもう18時近い!早く宿を確保しないとこれはまた大変。とりあえず急いで国境から約70km離れているKosh-Agachという街に向かった。ここが一番近くて国境を渡る人を対象にしている宿が結構あるらしい。

しかし、今度はまたかなりの強風が吹いてきた。もう車体を斜めにしないと直進できないくらいの風。その強風の中を約1時間くらい走ってやっとKosh-Agachに着いた。

以前調べておいたRasul Hotelに行って恐る恐る部屋があるか聞いてみたらあると!すんなり受け入れてくれた!ロシアでは予約なしで行くと時間が遅いと部屋があっても受けてくれない時があるので本当に嬉しかった。助かった。

シャワーを浴びてソンフンさん親子とご飯を食べに行ったらどのお店も国境から出た人で一杯だった。やっと入れるお店を見つけて食事。ここはイスラム系の方が多くて食堂でもお酒を売ってなかったのでとりあえずコーラで乾杯。

本当に本当に長い一日だった。

EP019 Beyond the Mongolian border

朝5時に目が冷めた。昨日はしっかり休めたのですこぶる調子がいい。朝焼けが美しく晴れているので全てうまくいきそう。と自分に暗示をかける。今日はこの旅初めての陸路での国境超え。実は今まで一回も経験したことがなくてどんなものなのかワクワクするのと不安な気持ちが入り混じる。

二日間の滞在で国境超えの荷物検査に備えて全ての荷物を一旦出してパッキングをやり直した。量が多くても3ボックスやドライバッグ、タンクバッグ、バックパックなどバッグがたくさんあるので種類別に分けられてパッキングにはそれほど時間がかからない。ただ、ちらがっている荷物を見ると少し気が遠くなるだけ。

今日は移動距離はそれほど長くないが、何しろ国境超えがあってその時間があまり読めないのでできるだけ早めにホテルを出た。7時をちょっと過ぎたくらいだったのかな。ウラン・ウデ市内は既に朝の渋滞で混み合っていたが、市外への道は空いていたので難なく進むことができた。2日だけの滞在でも情が移ってしまったのがウラン・ウデを離れるのに少しセンチメンタルになる。

ウラン・ウデらしい壮大な景色が続いていて目は楽しいが、とにかく寒い。朝出発する時はマイナス3℃で日が昇るのにつれて気温も上がるのかと思ったら0℃と2℃の間を行ったり来たり…南に向かっているはずなのにね。グリップヒーターが付いていても指先の感覚がない。

また国境の町キャフタ(Кя́хта)まで約100キロの区間から道がかなり荒れてきた。今までのシベリアの道は荒れていても工事や補修もやっているかやる予定の所が多くそういう区間にはちゃんと速度制限や案内表示があったのにここには何もなくてただ放置されているように見える。たしかに行き来するトラックもそれほどなくて経済的な重要度が他の道路に比べて落ちるのかもしれない。

休憩ポイントがあったので少し休みながら凍った指を解す。シベリアでの休憩もこれが最後。国境が混んでいることを想定して早めに出たが、モンゴル国境へ行く車はそれほど多くなさそう。

いよいよキャフタに到着。国境の町だからか軍部隊や警察?政府関連の人が多いような気がする。服装は違くてもそれらしい雰囲気の人が多い。ちょっと緊張してきた。

ボーダーに入っていくと右側の車線にトラックが隙間もなく並んでいた。乗用車は左側の駐車場の方に行ってその奥に進むと2つに分かれてカスタムを通過するようになっていた。モンゴルの方の車にはロシアで購入したものがたくさん乗っていてそれを全て車から下ろして検査をしていたのでかなり時間がかかった。

検査の様子を見ながら待っていたら前の車の検査が終わってないのにロシアの税関職員が来てバイクを前に出すように指示をした。車の間を抜けて前に進むと建物と建物の間にバイクを停めると指示されたが、傾斜があって停めたらバイクが倒れそう。センタースタンドを出した方がいいのだが、荷物が多くて一人ではセンタースタンドを立てられない。税関職員にそれを伝えて手伝ってもらったら簡単に立てられた。すごいパワー!以前Ducati Hamamatsuでは3人かかりでやっとだったが、二人でできてしまった。そこから全ての荷物を開けて中身を検査、また薬はないのか聞かれたので薬を出したらこれはなんの薬なのかと細かく聞く。3人かかりで荷物を検査していてその厳しさがよく伝わってくる。

荷物の検査がやっと終わって少し安心した所でまた他の職員に呼ばれてカスタムと離れてメインビルの別室に移動した。そこからまたインタビューが始まった。どこに住んでいるのか、ロシアにはなんで来たのか?どこに行くのか?仕事はなんなのか?家族構成は?などなどかなり細かく聞いてそれを聞き終えたらまた上層部に電話で報告をしてきた。威圧感はあまりなくて結構フレンドリーな感じではあったが、こういうインタビューはあまり気分がいいものではない。30分くらいのインタビューが終わってやっと解放されてモンゴル側のボーダーへ。

モンゴルのほうは結構緩かったが、仕事が遅く時間がかかる。また窓口の前で順番を待っていると横から上から下からアグレッシブばモンゴルの方が入り込んで窓口の中に自分のパスポートと書類を投げ込んだ。カスタムの職員も投げ込まれたものを近い順で取って処理してたので自分も長いリーチを利用して一番奥に自分のパスポートの車両登録証を投げ込んで人が入らないようにしっかりガードをしてたらやっと自分のも処理された。強くならないと!モンゴル側では特に荷物の検査などはなかった。イミグレーションまで進んでまた順番待ち。ここはカスタムまでの入り込みはなかったが、やっぱり時間がかかる。

やっと全て終わって外に出ようとした時にまた停められてバイクを駐車しろと言われたのでバイクを停めたらモンゴルの闇両替さんが来てトゥグルグに両替しないかと聞かれたのでとりあえず5,000ルーブルだけお願いした。戻ってきたのは22万トゥグルグ。ウランバートルまで行くにはとりあえずこのくらいあればいいだろう。それをボーダーの職員が見ていてやり取りが終わると隣の建物へ案内された。責任保険への加入を求められて早速先ほど両替したトゥグルグで支払う。

これで全ての手続きが完了して自由の身になってモンゴルへ入国ができた!

ウラジオストクから4,000kmのシベリアの道を走ってようやくモンゴルにたどり着いた。道の上で経験したたくさんのことを思い出す。まあこの旅はまだまだ始まったばかりだし、そんなしみじみしなくていいと思うけどね。

キャフタから南下するモンゴルの道はウラン・ウデと似ているが、何となくより柔らかい感じがする。より牧歌的と言ったほうがいいのかな?放牧されている牛や馬、羊の数が多いせいもあると思うけど平野のなだらかな感じからも柔らかさを感じる。

道は空いていてシベリアのように巨大トラックがないので安心して路肩にバイクを停められる。走ってきた道を振り向いて写真を撮ってみた。あの山々を超えてここまで来たんだ。こういう草原も走りたいね。たぶんこの後、嫌でも走るはめになると思うが…。

ダルハンまでの道はほぼ真っすぐで迷うことはあまりないと思うが、途中からGoogle Mapsのナビがおかしい。周りに建物がないので地図上に表示されるものもないし、真っ直ぐな道なので変わるものがなにもなくて異変に気づいてなかったが、走っても走っても残り67kmと表示されるのでこれは何かおかしい。バイクを停めて見てみると電波が弱くてインターネットが切れていたのでそのインターネット接続が切れた時点でナビが止まったらしい。これは仕様的にかなりまずいな。Yandex Mapsはオフラインになっても地図のデータがなくてもディレクションだけは生きていて最終目的地まで案内してくれたけどね。モンゴルの荒野での迷子は生存に関わる問題なので即ナビをMaps.meに変更した。Maps.meの使い勝手はあまりよくないが、Google Mapsのような問題はない。後、制限速度も表示されるのでそれも助かる(正確さはちょっと落ちるけどね)。後でGuru Mapsの有料契約をした。モンゴルでは周辺のお店などの情報もGuru Mapsのほうが多くて正確だった。

今日のホテルはダルハンのMBM Hotel。ボーダーを超えてからBooking.comで予約した。Booking.comが使えてカードが使えてなんかやっと人権を得たような感じ。それにVPNを使わなくてもLINEやインスタグラム、Fb、Twitterが使える!自由世界に戻ったことを実感した。

Booking.comで予約できるダルハンのホテルが少なかったので仕方なく選んだホテル。無駄に広くて高い…。でもモンゴルでの初日だし、まあいいか。

リビングと寝室が別々でキッチンまで付いているゴージャス仕様。友だち呼んでパーティーもできちゃう。まだモンゴルには友だちがいないけどね。

晩ごはんはホテルのレストランで。周辺にあまりお店がなかったのもあったが、ちょっと疲れたので近場で済ませたかった。夜は飲み屋として営業しているらしいが、お客さんはそれほど多くない。周りのお店に比べるとちょっと高めなのかもしれない。

頼んだのはモンゴルの伝統的な麺料理。羊肉のスープを塩で味付けて刀削麺のような麺が入っていて弾力がある。味も食感もかなり力強さを感じる。寒さをぶっ飛ばしてくれるような力強さ。

それと牛肉の炒め料理。これも牛肉がかなり力があって歯ごたえがある。野生の力を感じる。気のせいかもしれないが、モンゴルの食べ物はすごくエネルギッシュで食べるとすぐ元気が出る気がした。美味しい。

また長い一日だったが、毎日が冒険で何が起きるか分からないから楽しくて仕方ない。明日はウラン・バートル!