EP028 Road to Ulgii

天気予報では晴れて気温が上がると言っていたので前日から期待はしていたけどそれほど信じてはなかった。朝起きてカーテンを開けるとそこには明るい太陽と青い空が広がっていた。これは行ける!急いで支度をして6時半にはホテルを出て出発した。実はアルタイはウラン・バートルと1時間時差があるので少し時差ボケのようなものがあって1時間早く動ける。日本とは2時間の時差。

気温はまだ2℃と少し寒く感じるけど全然走れる。特に朝の澄んだ空気は気持ちがいい。アルタイを少し離れると山場の峠道が出てきたが、昨日のような雪山ではない。特にこの月の裏のような景色がたまらない。と思っていたら普通に馬たちが何もない斜面に群がって草を探していたのでビックリした。モンゴルの動物たちは本当に逞しい。

前日の天気が起伏が激しくてすごく大変だった分、今日の晴天が普通の何倍も嬉しくてやっぱり旅の逆境はより大きい嬉しさを作ってくれることをまた実感した。本当にありがたい。快適にずっと地平線を見ながら同じ景色の中を100kmくらい走っていたらいつも牛や羊、馬がいるような所に今度はラクタたちが群がっていた!ここはまた中央アジアと繋がっているシルクロードのような世界観。ウルギーがあるバヤン・ウルギー県はカザフスタンや中央アジア系の住民が多くてウラン・バートルのモンゴル人からすると言葉が通じない時も多々あるらしい。

走っている途中モンゴルで始めてロシア人旅行者の車を発見した。自分の今回の旅で分かったが、今時期のモンゴルはあまり旅には向いてなくて観光客はほぼいなかったので嬉しくて追い越しながら手を降ってあげたら向こうからも親指を上げてくれた。その後パーキングエリアがあったのでバイクを停めて休憩を取っていたら彼らも車を停めて降りてきたので挨拶を交わした。なんだかみんなすごく嬉しくなって記念写真を撮ったり旅のことやこの後の予定などいろんなことを話した。真ん中の彼はアンドレイで右は奥さんのビクトリア、左はビクトリアのお母さん(名前を聞いたが、難しいロシアしかない名前らしくて聞き取れなかった…)で3人で一週間モンゴルの旅をして帰る途中だったらしい。今日はウルギーに泊まって明日国境を超えるらしいのでもしかすると明日また国境で会えるかも。

一人で旅をしていたらなおさらだけどこうやって3人で旅をしていても人が恋しくなるのがモンゴルの旅なのかもしれない。初めて会う人たちなのに久しぶりに親友と会ったような感覚だった。不思議。

そう。実は今日ホブドまで430kmくらい移動する予定だったが、天気が良すぎたのでこのチャンスを利用して660km離れているウルギーまで行くことにした。明日まで天気が持ちそうなので明日はロシア国境を超えたい。山の天気が変わりやすくて昨日の激変する天気を経験したらこういうチャンスは逃せない。走っていくと雪山が大きく目の前に追ってきた。やっぱり美しい。

またちょうどいい所にパーキングエリアがあったので少し休憩。660kmを走り切るためにはできるだけ体力を温存して疲れた時はちゃんと休憩を取らないと辛くて走れない。これはチタからウラン・ウデまで660kmを走った時に実感した。

この世界の果て感がたまらない。

もう少し走っていくと岩山が増えてきた。道路さえなければここが火星と言っても信じてもらえるかもしれない。今まで自分が走ってきたどの道とも違う。モンゴルでは似ているように見えても実は地域ことにかなり変化がある。走っているとまた違う景色と出会う楽しみがある。

ここはさっきとも違うピンク色の岩山。土地も若干ピンク色を帯びている。地理ライダーのような人と一緒に走りながらこういう地形に関して詳しく説明を聞くのも楽しそう。なんでこういう地形ができたんだろう。

ちょうど昼時だったのでパーキングエリアから少し休みながらチョコバーをいただいた。今日はとにかく長距離なので時間をセーブしながら走りたい。ちゃんとした食事を楽しむのは走り切った後!

また峠から降りていく道。今までのモンゴルの地形はなだらかな所が多かったが、北西部のほうはより男性的で力を感じる地形が多い気がする。また景色が開けた後も次の山が聳え立ていてそのコントラストが印象的だった。

最初の目的地だったホブドはまた水と緑が豊かな街だった。オアシスのよう。ここで放牧されている馬たちは草には困らなそう。ここからは砂漠のような所でも小さい湖が結構あって緑もある所が増えてきた。まあ面積としてはそれほど広くはないけどこういう環境が動物や人に恵みを与えている。

ここはウルギーに行く最初の関門。実はこんな道を通らないといけないことを知らなかった。まだ雪がかなり残っているけど路面は乾いているので走りやすい。ただ、気温がぐんぐん下がってくる。

さっき峠を超えたので降りて行くのかと思ったが、また微妙に登っていく。山か吹いてくる風が強くて冷たい。昨日のあの強風での経験がなかったらかなり辛かったと思うが、一回経験しておくと慣れるものだね。しかし、やっぱり寒い。気温は2〜3℃くらいでマイナスではないのに10℃くらいから落ちてくると余計に寒く感じるね。逆にマイナスから2〜3℃になるとかなり暖かく感じるのにね。やっぱり気の持ち方だね。

ここがウルギーに行くための最大の難関、BURAAT PASS!標高2,642mの峠。まだ路面にも雪が残っていて雪溶け水や強風でかなり走りづらかった。多分昨日のような天気だったらここを超えるのはかなり厳しかったと思う。天気がいい日さえこれだもんな。本当に今日でよかった。

そんな厳しい峠を超えて降りて行く道はまた最高に楽しい。開けた美しい景色と遠くに見える湖が綺麗。

残念ながら動画ではあまりよく見えないが左側に広がっている湖、Tolbo lakeはまだ凍っているらしくて青く光っていて美しかった。BURAAT PASSやTolbo lake、またこの辺りの山々の形や雰囲気がどこかインドのLadakhと似ているような気がしてきた。Ladakhには行ったことはないけどね。もし観光シーズンの夏に来たらより美しい姿が見れるのかもしれない。

やっと660kmを走り切ってウルギー市内へ。ここもまたモンゴルの他の街と雰囲気が全然違う。街を歩いている人たちも他の地域のモンゴル人と髪や目の色が若干違って中央アジア系に見える方が増えてきた。

実はここで韓国の東海からウラジオストクに一緒に渡ったソンフンさん親子と合流した。最後に会ったのがビロビジャンだったので2週間ぶりの再会。なんだか別れた兄弟にでも会ったかのように嬉しくてみんな抱き合ってはしゃいだ。

一緒に近くのウズベキスタン料理屋に行って中央アジアの料理を楽しみながらこの2週間で体験したことを分かち合いながらずっと話していた。こういう仲間がいると旅がより楽しくなるね。

今日は同じ宿に泊まって明日朝一にロシア国境を超える。明日の午後からまた天気が崩れそうなので本当に今日頑張ってよかった。ロシアとの国境もドゥルベト=ダバという標高2,481mの峠にあるのでもし天気が悪かったらバイクで超えるのは結構厳しいのかもしれない。

“EP028 Road to Ulgii” への 2 件のフィードバック

  1. ソンフンさん親子とのDecheeeeさんの一枚に、とても幸せな気持ちを感じさせて貰えました。
    素敵な時間ですね。
    Decheeeeさんの旅とそのひととき、旅の良さ、とても感じてます。

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    1. お!コメントありがとうございました!ソンフンさん親子と再会して本当に嬉しかったです。一人で自由に旅をするのが好きですが、それでもたまにはこうやって人と会いたくなりますね。刺激にあふれている毎日に送っています。

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