EP001 Ducati Hamamatsu

前日までの積載シミュレーションとイメトレは完璧だった。3つのパニアケースに、Filson のドライバッグ、バックパック、タンクバッグ、フロントとサイドのバッグ2つ。これならいける——そう思っていた。

記念すべきユーラシア横断の初日。自撮りをキメて意気揚々と出発したものの、背負ったバックパックとドライバッグが干渉して身動きが取りづらい。モンゴルとパミールハイウェイを想定して選んだガエルネの SG-12 も、足のコントロールがうまくできない。慣らしたはずなのに……。このままでは危ない。モンゴルに着く前に事故しかねないと判断し、いったん自宅へ U ターン。

ブーツをガエルネの G ミッドランドに履き替え、バックパックは背負うのをやめてドライバッグの上に載せるスタイルへ変更。うん、これなら何とかなる。あとは荷物に自分が慣れるだけだ。

準備を終えて再出発——のはずが、地面に小さなプラスチック片が落ちているのを発見。よく見るとウィンカーのスイッチだ。元の位置に差し込んでみたが動作が安定しない。参った。取り急ぎ Ducati 東名横浜さんに連絡するも、まさかの定休日。グーグル先生に頼って取り扱い店へ片っ端から電話したが全滅。範囲を広げて検索すると Ducati 浜松さんがヒット。ただし Google マップでは定休日表示。それでもダメ元で電話してみると営業の方につながり、今日は営業日とのこと。事情を話すと「見られる範囲で対応します」と。もうこの時点で神対応。

ウィンカーなしで川崎の下道を抜けて東名へ、浜松を目指す。とはいえウィンカーがないのは本当に大変で、周りの車にも迷惑をかけてしまったと思う。車線変更は最大限注意したけれど、イキってる人に見えたかもしれない。本当に申し訳ない。

本当は浜松まで一気に行きたかったが、無理は禁物。足柄 SA で休憩しようと停めたら——バイクが右に倒れそうで降りられない。何とかバランスを取りながら降りたが、風でも倒れそうなほど直立している。初期 DesertX のサイドスタンドは構造的に課題があるうえ、積載でサスが沈むとますます立ち気味になる。

うどんをすすりながらも、駐輪場のバイクが倒れていないか気が気でない。さて、このままヨーロッパまで行けるのか。解決策を見つけないと——とにかく浜松へ急ぐ。

Ducati 浜松に着くと、電話に出てくれたセールスの青木さんが温かく迎えてくれた。川崎から向かっていると伝えた時点でも驚かれていたが、韓国に渡りロシア、中央アジアを抜けてヨーロッパまで行く計画を話すとさらに驚きつつ、代表の鈴木さんも対応に出てくださる。「これから長い旅に出るなら、しっかり直さないとね」と、展示車の部品と交換して修理してくださった。本当にありがとうございます。

さらに、サイドスタンドが立ちすぎる問題まで対応。「見て見ぬふりはできないよ」と鈴木さん。ありがたすぎて、思わず泣けてきた。

記念すべき旅の初ステッカー。貼る位置を鈴木さんと青木さんが入念に確認し、

鈴木さんが丁寧に貼ってくださった。感謝、感謝、大感謝。

寡黙な八木さんからは、職人の確かな腕と温かさがにじむ。

代表の鈴木さん、セールスの青木さん、馬場さん、サービスの八木さん、田村さん——皆さんの応援が、そのまま心に届く。

Ducati 浜松さんを出て、約束の地・大阪へ。ウィンカーが使えるだけで、こんなに楽になるのか。気のせいかもしれないが、マシンも朝より機嫌がいい。亀山 PA で名物の松阪牛丼をいただく。午前中のうどんとは打って変わって、驚くほどうまい。やっぱり、人は心持ちひとつで味まで変わる。

食後、駐車場に戻ると、最高に格好いい大陸横断マシンが目の前にあった。

初日にして、すべてが最高すぎる。ワクワクが止まらない。

FLEXIROAMとGARMIN inReach MINI 2

国を移動する際の通信環境に対してそれほど深く考えずに適当にプリペイドSIMを買って使うつもりだったが、大木さんからFLEXIROAMというサービスを教えてもらった。

世界150カ国以上で使えてすべてアプリで完結できる優れものでデータプランを購入してeSIMをインストールするだけ。データの値段設定は少し高めだが、頻繁にプロモーションをやっているので実際にはリーズナブルな値段で購入できる。今回はEASTERセールを利用して「150+ Country Data 5GB 180 日間」の122.99ドルのプランを70%割の39ドルで購入できた。多分これを使い切ってデータを追加する際はプロモーション時期と合わない可能性があるので高めに買わされる可能性はある。

実際の通信速度やデータ消費量などを状況を見ながら現地SIMの追加購入を判断するつもりではあるけど国を渡った直後などにはかなり役に立つと思う。

それにもう一つ購入したのがGARMINのinReach MINI 2。詳しい内容は海漕泊☆野空さんのブログに分かりやすく整理されているので割愛するけど要はIridiumの衛星ネットワークを利用して電波が届かない所でも自分の居場所を共有できてメッセージが送れて緊急時はGarmin IERCCにSOSメッセージで救助を要請できる。この機能は絶対に使いたくないけど万が一、念の為、お守りとして持っていく。後、この旅を許してくれた家族にはリアルタイムで位置を共有して少しでも安心できるようにしておきたい。

もうこれでユーラシア横断の出発前の準備がすべて終わった。

ENDURISTAN Sandstorm 4A Tank bag

実はDesertXの契約時に純正のタンクバッグも一緒に購入した。Ducati純正のタンクバッグはソフトタンクバッグタンクポケットバッグの2週類あって容量が大きいソフトタンクバッグを選んだが、納品時に実際のタンクバッグを見てサイズが小さすぎてびっくりした。ちょっとオーダーが間違って入ったのではないかと色々確認したけど間違いはなかった。やっぱりカタログの画像だけで注文するのは危ない。

仕方ないので荷物を減らして使おうと思ったのだが、猿ヶ島に行って少し険しい道を走ったらバッグが落ちてしまった。実はマグネットで固定されているだけなので揺れや衝撃に弱く、ロープなどで落ちないように縛ってもしっかり固定されないので運転に邪魔になりそうだった。険しい道を走る長い旅にはあまり相応しくないので結局他のタンクバッグを探すことにした。

たくさんのタンクバッグを調べてたらこのENDURISTANのSandstorm 4Aというタンクバッグにたどり着いた。サイズが大きくて完全防水でバイクへの固定も問題なさそうだったので購入を決めた。サイズは13L~20Lで、Ducatiの純正のタンクバッグが12.5Lと仕様上ではそれほど差がないが、実際のサイズは1.5倍から2倍くらいSandstorm 4Aのほうが大きい。ちょっと大きすぎるのではないか心配になるレベルだったが、実際バイクに装着してみるとそれほど大きくは見えないし、運転にも邪魔にならなそう。

とりあえず底面には衝撃吸収のために厚さ5mmくらいのコムシートを敷いてその上からまた波形のウレタンフォームを敷いた。それでも内部のスペースには余裕があってカメラやバッテリー、メガネ、サングラス、ツールなどを全部入れてもまだ入りそう。

唯一心配なのはハンドルを左いっぱいに切ると左上のバックルとステアリングダンパーが少し干渉しちゃうこと。バックルを左のほうにずらせばある程度のクリアランスは確保できるが、そうするとタンクバッグが左にズレちゃう。これは運用しながらバランス取るしかないかもしれない。

ついでに以前モンベルで買ったコンパスもメーターの横に両面テープで固定した。もうこれだけでも旅感が溢れてワクワクが止まらない。

準備は着々進んでいて来週の出発は問題なさそう。

Fork Mud Guards for DesertX

DesertXは去年リリースされたばかりで改善が必要なポイントが色々ある。フロントフェンダーの泥除けだったり、リアサスペンションのカバーだったり、サイドスタンドの長さだったり、マイナーといえばマイナーだけど結構気になるところでもある。それが2023年モデルでは改善されたり、海外ではリコール処理されたりするするけど2022年モデルでは何かしら自分で解決するしかない。

海外コミュニティーで2023年モデルのフロントフェンダーに付いてるフロントフォークのための泥除けがオプションで注文できるらしく話題になっていたので早速Ducati東名横浜の齋藤さんに問い合わせてみたら部品は出ているけど2022年モデルではそのまま付けられなくて結局フロントフェンダー全体を交換しないといけなくて、またその費用だけで7万円くらいしたので流石に泥除けに7万は手が出ない。

そこでチェコのMuller Motorsportが3Dプリントを利用してDesertX用のMud Guardsを展開していたので注文してみた。25ユーロと7万円よりは全然安いしね。

今日届いたのでフロントフォークに付けてみたらケーブルタイで締めなくてもいいくらいジャストフィットでしっかりフォークを守るように設計されていた。またデザインも悪くない。

これでまたユーラシア横断に向けて一つ不安要素が解決できた。

モンゴルにタイヤを送る

DesertXのデフォルトのタイヤはピレリのスコーピオンラリーでサイトにはTRAIL AND ADVENTURE、RALLYと書いてあるが、走ってみた感覚としてはバランス型でオンでもオフでもいけちゃう八方美人な感じでモンゴルや中央アジアのオフロードを走るには少し心細い。そこでタイミング的には少し早いけどモンゴルのウランバートルに着いたらタイヤを巷で噂のMOTOZのタイヤに履き替えることにした。

ウランバートルFORTEC Garageの味戸さんにコンタクトを取ってMOTOZのタイヤの手配をお願いしたが、モンゴル現地で手に入るのはチューブタイプ(TT)しかなくてチューブレス(TL)は在庫がないとのこと。仕方ないのでMOTOZは諦めて他のメーカーのオフロードタイヤの手配をお願いしたが、18インチのチューブレスはどこも在庫がないらしい。モンゴルでオフロードと言ったらチューブタイヤなのかもしれない。味戸さんからもチューブを入れて使ったらどうかと提案いただいたけどチューブレスタイヤの利点を諦めたくないのと砂漠の真ん中で自分一人でチューブタイヤのパンク修理はどう考えても無理。タイヤがモンゴルで手に入らないのであれば日本で手に入れて送るのも方法だと思って味戸さんにタイヤを先に送りたいと伝えたら快く承諾してくれた。

よし!MOTOZのTractionator Adventureを手に入れよう!と「90/90-21 54Q TL」、「150/70B18 70Q TL」の販売先を調べてもどこも在庫がなくて「お取り寄せ」になっている。これは困ったな。ダメ元でタイヤショップGriffさんに代引きでオーダーを入れてみた。そしたらその日に発送してくれて難なくタイヤが無事確保できた。やっぱり言ってみるもんだね。

週明けの今日、郵便局に行ってタイヤをモンゴルに送りたいと言ったらあまりこういうケースがないらしくてビックリされたが、丁寧に案内してくれて問題なく発送手続きを終えた。住所や税関関連書類、インボイスなど書類をたくさん書かなきゃいけないと思っていたが、今はWebで入力してQRコードで送り状を印刷してサインをするだけで送れる!こちのほうが手書きより正確だし、100万倍楽。しかし、モンゴルまでは船便がなく(当たり前だが)航空便しかなくて、またタイヤが大きくて重いので送料がめちゃくちゃ高くて今回の送料は18,350円だった。やっぱり現地で調達したほうが安く済みそう。ものが手に入ればね。

とりあえず一つ難関をクリア!