EP016 Chita

夜中隣の部屋に人が集まって宴会をやっていた。壁が薄くて丸聞こえ。まあしょうがない。耳栓を用意したら22時が過ぎると音がパタッと止んだ。この宿のルールとして22時以降は宴会や騒ぐのが禁止と決められているのかもしれない。あんなに騒いでいたのにビックリ。それもあのお母さんが仕切っているらしい。お陰様でぐっすり寝れた。

朝6時起きてシャワー浴びて支度をしてから朝ごはんを食べに食堂に行ったらあれほど広い駐車場に空きがないくらいトラックで埋まっていた。Mayak Hotelは一般客よりこのようなトラック運転手や道路工事関連の方のための宿なのがよく分かる。

一晩泊まりながら見ているとここの宿は一つのコミュニティのような感じでお母さんがエボシ御前の役割をしているような気がしてきた。トラックの運転手さんたちや食堂のおばさんたちを束ねてリードする。優しさの裏に力強さとカリスマを感じる。お母さんの好意でその世界の中で一晩お世話になったような。

料理はとにかく量が多かったので朝ごはんは缶コーヒーといくつかのロシアパンだけにした。結構甘い。ロシア人って以外と甘いものが好きなんだね。コーヒーやティーにも砂糖を一杯入れるし、料理も甘い味付けのが多いような気がする。

あと、昨日のように食堂が見つからないときのために非常食としてSNICKERSを2本買った。実は甘いものはあまり好きではないが、生きるためには必要。

支度を終えて7時半くらいに宿を出た。寒いのにお母さんが外に出て見送ってくれた。言葉は通じなくても気持ちは通じる。マイナス2℃なのにお母さんとおばあさんたち、トラックのお兄さんたちにたくさんの元気と癒やしをいただいたので全く寒くない。昨日は2℃でもあんなに寒かったのにね。やっぱり人の気持ちってすごいね。

入り口には中まで入れなかったトラックやトレーラーが行列を作っていた。本当にこの人たちがこの辺りで夜頼れるところはこの灯台(Mayak)しかない。一緒に出発したトラックの運転手さんに挨拶をして気持ちよく出発。今日は少しライトで400km先のチタなので気が楽。

出発してまもなく非舗装の工事区間が現れて少し緊張したが、ここの短い区間だけだった。DesertXはロシアのお兄さんたちに大人気でどこに行っても熱い視線を感じてしまう。

Mayak Hotelを出て約100kmくらい走ると急に風景が今までと一変してモンゴルのような景色が広がる。今までの白樺の景色も大好きだが、これはまたこれで大好き。大好物が続いてくる感じでたまらない。

一旦休憩をしながら気持ちを落ち着かせる。これは楽しすぎる。

今まで経験してない風景、これが大陸か!アメリカもこんな感じかな?どこまでも地平線が広がって目を遮るものが一切ない。もし季節がもう少し進んでたらまた違う風景を見れたのかもしれない。絶景があり過ぎて困る。

バス停を見つけたのでちょっと休憩。チタに近づくにつれこういう小さい集落が増えてきた。ハバロフスクを過ぎてから幹線道路周辺にはあまり町がなかったのでこうやって町が見れるだけでも嬉しい。

順調に進んで思ったよりも早く13時半くらいにチタに着いてしまった。途中お昼食べたかったが、お店がなかったので強制走行。シベリアの道はスパルタ過ぎる。チタもまたシベリアのどの都市とも違う独特な魅力がある都市だった。ハバロフスクを出てからずっと道路標示にチタまで何キロと書いてあってチタまで行かなきゃいけない使命感みたいなものまで抱いていたのでそのチタに着いたのがすごく嬉しかった。一つの関門を通過したような。

今回泊まるホテルはArcadia Hotel。チタの中心街にあるホテルでウラジオストクを出てから泊まったホテルの中では一番しっかりしているホテルだった。実はここまでいいホテルじゃなくてもよかったが、なぜか予約可能なのがここしかなかった。

このホテルはかなり独特な作りをしていてエントランスに入ってからエレベーターの場所までがまるで迷路で聞くだけでは探せない。ジェイソン・ステイサムみたいなセキュリティの方が部屋まで案内してくれたが、それはホテルマンのサービスではなくあくまでも部屋の位置を教えてくれる行為だと思う。ただ、荷物が多くて大変そうに見えたのかタンクバッグを受け取って運んでくれた。ありがたい。

また廊下がやたら広くてソファまで置いてある。そこに人が座っているのはまだ見たことがないが…窓やカーペット、ソファまで非現実主義の映画に出てきそうな雰囲気。かなり無駄が多くてありえない構造をしているが、それが面白い。

部屋はクラシックな感じにまとまって素敵だった。申し分ない。今までの宿に比べるとちょっと贅沢過ぎるのかもしれないが、せっかくなのでしっかり休もう。

あ、その前にチェーンのメンテンナス!1,000kmことにしているが、だいたい一日平均で500kmくらい走っているので二日に一回はやっているような気がする。釜山で購入したチェーンクリーナーがほぼなくなった。ウラジオストクでもう一本買っといてよかった。

チェーンメンテも終わったので少し遅めのランチを食べに「LOVE CAFE」へ。ちょっと変な名前だが、Yandex Mapsで評判がよかったので。チタの町並みの作りにも旧ソビエトを感じる。

LOVE CAFEはチタのホットスポットでオシャレでモダンなカフェだった。名前だけなんとかすればより映えると思うけどね。写真とグーグル翻訳を頼りにロシアの麺料理を頼んだが、中華料理と日本の焼きうどんにロシアンテイストが加味されたフュージョン料理が出てきた。今まで味わったことのない味だが、美味しい!さすがの人気店。

明日はウラン・ウデまで約660km。今までで一番長い距離を走らないといけないので今夜はゆっくり休もう。

EP015 Mayak(Маяк)

スコボロディノからチタまでは約920km、一日で行くのは無理なのでその真ん中くらいまで行きたいのだが、そこにはあまり宿がない。約480km先にMayak(Маяк)というホテルが一つあるけどそこが満室だったらその次のホテルはさらに100km先。なのでどうしてもMayak Hotelに泊まりたくて朝出発する時に井口さんに電話での予約をお願いした。唐突なお願いにも関わらず井口さんが快諾してくれて進捗があったら連絡をくれることに。後、もしもの時のためにいつもより早い朝7時半に宿を出た。

スコボロディノの市街地を出るとまた非舗装路が現れた。今はもうこれが当たり前のように感じる。少しはシベリアに慣れたかもしれない。また逆にこっちのほうが走りやすかったりね。ロシアの田舎道を走っている非日常に気分が少し高揚してしまう。

R297に入るといつものように勢いよく走っていくが、とにかく寒い。グリップヒーターも一番強い三段階に設定しているのに熱を全く感じない。出発時に0℃だった気温は2~3℃まで上がってはいるものの寒さはあまり変わらない。曇りで日が出てないせいかなかなか気温が上がらない。

我慢できずパーキングエリアが見えたら即退避するも止まっていると冷たい風が強くて走っているときよりも寒い。困ったな。早く出過ぎたかな?しかし、いつも出発する時間になっても気温が上がらないのはきっと寒い日で間違いない。

それに今までなかったような工事区間が現れてそれが結構長い区間続いている。微妙に縦溝のような感じでハンドルは取られるわポットホールは数え切れないほど出てくるわ地面は激しく波を打っていてリアサスが悲鳴を上げる。その上に寒さまで…。

寒いとトイレが近くなるよね。パーキングエリアを見つける度に入っていく。テーブルなどが設置されている大きいパーキングエリアには高い確率で野犬がいる。この子はまだ大人しくてかわいいけど群れでバイクだけに威嚇してくる子たちもいて正直に怖い。パーキングエリアで食事などをしている人たちに食べ物をもらおうとしているらしい。

頑張って進んでいるとおやおや、雪が降ってきた!黒くて重そうな雲が見えてもしかしてと思ったが、本当に雪が降ってくるとは!局地的に降っているのがまだ救いだった。

そんな中、井口さんから連絡が来て部屋の確保ができたと!実は満室だったらしいが、事情を説明して粘ったらちょうどそのタイミングでチェックアウトをする人がいてその部屋を確保してくれたらしい。その辺で宿はMayak Hotel一つしかなくてまたその道路を行き来する車(特にトラック)はたくさんあるので部屋を取るのはなかなか難しいと思っていたので心の中ではさらに100km先まで行くのも覚悟していた。もう感謝の気持ちを表す適切な言葉がないくらいありがたい。

到着するとホテルのお母さんが優しく受け入れてくれた。だいたいの事情は聞いているので言葉が通じないのにも関わらず細かい所までちゃんと説明してくれて温水ですぐシャワーできるように用意してくれた。暖かいお湯を浴びるとやっと生き返った気がした。このホテルの名前のMayak(Маяк)はロシア語で灯台という意味で正に灯台のようなホテルだった。

シャワーを終えるとお母さんが併設されている離れたカフェへ案内してくれた。ここに来るまで約200km以上の区間に店一つなかったので朝チョコレートを一つ食べた以外何も水以外口にしてなかった。

とりあえずミートパイとロシア産のコーラ、

また名前を知らない肉の上にチーズが乗っている料理。

今まで当たり前だと思ってきたものが実は当たり前ではない。冷たい風を凌げる暖房がある部屋、温水でのシャワー、暖かい食事、今はこれ以上のことは何も求められないくらい幸せ。シベリアでお会いした方々で優しい方が多いのはこういう厳しい環境の影響もあるのかもしれない。

今日もまた人様に助けられる一日だった。謙虚に生きよう。

EP014 Skovorodino

朝起きると外の気温はまだ零下。でもこの寒さにももう慣れた。部屋の中はちょっと暑すぎるくらいなので窓を開けて冷たくて新鮮な空気を取り入れる。そこからブログの更新作業に取り掛かる。気温が上がるのを待っている時間を有効活用できるのでしばらくはこのルーティンでやっていこう。

7時半くらいにブログの更新を終えてフロントに行って朝ごはんを取ってきた。ここの朝食のシステムはまた珍しくて朝フロントに行くとこのような朝食セットを彼女たちが用意してくれる。多分食堂がないのにお客さんに朝食を提供するために考案したものなのかもしれない。

ご飯を食べていると外からノックの音がしたので出てみると前日頼んだ洗濯物を持ってきてくれた。ポカポカに乾いてまだ暖かい。それに綺麗に畳んでくれている。それにタダ。本当申し訳ないくらい心の籠もった最高のおもてなしをいただいた。もし次ベロゴルスクに行ったらまた「Zolotaya Melnitsa Mini-hotel」に泊まろう!

9時がちょっと過ぎて十分暖かくなったので出発。市内では何か大きいイベントがあるのか警察があちらこちらで道を封鎖してなにかをやっていた。それでナビの案内通りにいけなくて違う道に遠回りをしたら田舎道に案内してくれた。こういう細い橋を2つ渡って先へ進むと

こういう田舎道が出てきた。フラットで走りやすいけど時々砂が深くなったり、穴があったり、砂利道だったり気を抜けない道だが、モンゴルに行く前にいい訓練になっているような気がした。まあモンゴルはこんな生暖かいものではないと思うけど。

しかし、真正面からホイールローダーが追ってきて少し焦った。実はここは今新しく道を作る真っ最中だったのかもしれない。

そういうオフロードを11kmくらい走ったら道の最後に小さい集落が現れた。シベリアの田舎ってこんな感じなのか。誰かを待っていたお婆さんがバイクを見てビックリした。やっぱりシベリアでバイク、それもこんな形で荷物をたくさん積んだものはなかなかお目にかからないのかもしれない。

やっと本流のR297に合流できた時、目の前に見慣れた白い車が!同じ日に一緒にロシアに渡ったヒョンデさん夫婦だった!こんなに広いシベリアでこんな偶然がと思ったが、西へ行く道はこの一本のみなので会えなくもない。しかし、いくつかの偶然が重ならないとこんなことはなかなか起きないと思う。嬉しい。

とりあえず一緒に走ってお昼も一緒に食べることにした。

基本一人で走るのが好きだが、たまに一緒に走るとそれもまた楽しい。ヒョンデさんは非常に運転が上手くてメリハリがあって気持ちよく走れた。またその最中に広がるシベリアの美しい自然。やっぱり白樺はいくら見ても飽きない。

途中ヒョンデさん夫婦と離れて走っていたらちょうどいい所にパーキングエリアがあった。アムール地区は運転手に優しくてこのようなパーキングエリアが適所にあって嬉しい。

またここは見晴らしがよくて雄大な自然が広がっていて素敵な所だった。また北海道を思い出す風景だった。もう少し写真が上手かったらな。こういう平野の写真をうまく撮るこつを知りたい。写真より何十倍、何百倍も素敵なのにうまく表現できなくてもどかしい。

これがシベリアの道。補修に補修を重ねても亀裂やポットホール、段差などがたくさんあるけど湿原の上に作られた道なので仕方ないと思う。どこまでも地平線が続いていて時々刻々変わってくる美しい風景は全く飽きない。

また走りっぱなしで疲れ切った時に現れたカフェ。本当に砂漠の中のオアシスのような存在でここもたくさんの人で賑わっていた。この隣のガソリンスタンドもそうだったが、200km以上何もなかった所にあるのでこの次またいつこういう施設があるのか分からないし、やってない場合もあるので見つけたらとりあえず入るしかない。ここでまたヒョンでさん夫婦と合流。

オーダーをすると作り置きした料理を温めて出すシステムでスタッフさん二人でテキパキ注文を処理してくれていたが、さすがに多いお客さんでかなり疲れていた。メニューは言えないので食べたいものを撮ってそれをスタッフさんに見せて注文をする。

お客さんが多くて注文できるまでは20分くらいかかってしまった。これだけの客を裁くにはこういうシステムが必要なんだよね。

頼んだのはプロフと

肉の炒め料理。自由に選べたのにいつも食べているものとあまり変わらないね。実はまだ食べてないものも含めて3、4種類くらい頼むつもりだったが、出てくる量を見て辞めた。この二皿でも量が多くて完食はできなかった。

可愛らしいヒョンデさん夫婦。本当に仲のいい夫婦で見ていて楽しい。奥さんのヘインさんはフォロワー約6万人のインスタグラマー!

食後はまた自分たちのペースで西に向かう。またちょうどいい所にパーキングエリアがあったので一休み。ハバロフスクから1056km、チタまで1109kmの所、ちょうど真ん中辺りまで来た。道路表示版にずっとチタまで何キロと書いてあるのでチタに導かれている気がしてなんだか約束の地に思われてくる。

あと、もう慣れてきたのか直進で何千キロ先の都市が出てきてもあまりビビらなくなった。

水を飲んでいたら休憩していたトラックの運転手さんが声をかけてきた。身振り手振りしながら例の話をしてたらコーヒーを入れるので飲んでいけと言われたが、午後3時以降にコーヒーを飲んじゃうとあまり寝れないので丁寧に断って道に出た。

やっとベロゴルスクから560km離れたスコボロディノに着いたが、ここもメイン道路から離れると非舗装の道だった。でもずっと車が通っている道なのでフラットで走りやすい。むしろ市内のポットホールと段差だらけの舗装路が厄介だった。

スコボロディノはベロゴルスクより全然小さくて少し寂れた町だった。それでも街中に結構人がいたのでビックリした。ちなみにベロゴルスクとチタの間ではここが一番大きい都市らしい。

前日受付の彼女(名前を聞いとけばよかった…)が電話で予約してくれたホテル。この日ここも満室だったそうでヒョンデさん夫婦もここに泊まろうとしたが、部屋がないと言われたらしい。本当に予約しといてよかった。昨日の彼女には感謝しかない。

ここもなかなか個性的なホテルでなんかオールド・ボーイで主人公が監禁されていた部屋のような雰囲気!でもWi-fiや温水、暖房など基本的なことは全て揃えられているので満足。

チェックインを済ませてからバイクのちょっとしたメンテナンス。と言っても少し拭いてチェーンメンテをするだけだけどね。本当によく走るし、エンジンのレスポンスが気持ちいい。シベリアを2,000kmくらい走って分かったが、DesertXはスポーツマシンだった。クルーズ走行よりスポーツ走行のほうが絶対向いている!また少し分かち合えるようになったような気がして嬉しい。

EP013 Belogorsk

この日はビロビジャンからベロゴルスクまで約490kmの道のり。急ぎたい所だが、ある程度気温が上がってから出発したほうがいい。起きたのは朝5時くらいだったが、ブログを更新してから朝7時からやっているコーヒースタンドでアメリカノとソーセージパンで朝ごはん。また片付けや荷物の整理を終えてから10時くらいに出発した。気温は5℃くらいであまり寒さは感じない。

ビロビジャン市内を抜けてR297に入るとシベリア平野に白樺の森が広がっていた。また湿原が現れてまた白樺、この景色がたまらない。いつまでもこの景色が続くと思ったら

急に山道が現れた。これだけ広ければどんな地形が出てきてもおかしくない。しかし、走り出して約2時間少し休憩を取りたい所だが、休める場所がない。

やっとバス停を発見してバイクを停めた。ビロビジャンから西へ進むR279は本当に休む所がない。普通にここで生活している人たちは移動する時にどうするだろう?とりあえず喉が乾いたので水を飲んでいたら

ウラジオストクからここまで来て2回目見るバイク!平日だったからかもしれないが、ロシアではバイク乗りを見ることが少ない。まだ寒いのもあると思うけどね。あの彼は一度通り過ぎたのにまたUターンしてきて「大丈夫?助けが必要なのか?」と聞いてきた。ただ休んでいるだけと伝えると笑ってまたUターンして行った。機械トラベルなどで困っているのではないか心配してくれたよう。こういう人の優しい気持ちが力になってくる。

ご心配ありがとうございました。

山道が終わって開けてくるとまた目の前に白樺の森がやってくる。

走っていると次から次へ白樺の森がやってくる。この冬を連想させる美しいビジュアルはいくら見ても飽きない。ずっと見ていたい。

もう昼時でお腹が空いてきた所でカフェの看板を見つけて入ったら廃業したのか営業をやってない所だった。車が止まっていて煙突から煙も出ていたのでやっていると思ったが、残念。犬だけが激しく吠えていた。

またそこから1時間走ってやっと見つけたカフェ「Dom U Dorogi」。駐車場にたくさんの車が止まっているし、出入りする人もいて庭で記念写真を撮っているファミリーもいたのでここは間違いなく営業中だ。本当にヘロヘロで砂漠の真ん中でオアシスを発見したような嬉しさだった。

店内も賑わっていて空いているテーブルはひとつしかなかった。一つ空いていてよかった。

注文は安定のボルシチと

シャシリクライス!実は先日食べた料理の写真を見せながら注文をしたので同じメニュー。この店も料理がすごく美味しくて繁盛している理由がよく分かる。しかし、もう少しレパトリを増やさないとね。次はロシアの餃子(ペリメニ、ヒンカリ)と麺類(ラグマン)も頼んでみよう。

注文を取ってくれた方もすごく優しくて言葉が通じなくて慌てているのを優しく待ちながら色々理解してくれた。この旅を始めてからロシアで出会った方々はみんなすごく優しくて以前モスクワで感じたロシア人のイメージと全く違った。地域の違いなのかはよく分からないが、心が温まってくる。

ここで時間が1時間遅くなって日本と同じ時間帯になった。陸路での移動で時間帯が変わるのは初めてで不思議な感じ。なんかボーナスステージでアイテムをゲットしたような。

あと、ロシアは思った以上のカード社会で実はあまり現金を使わない。VISAやMastercardは使えないが、現地のプリペイドカードを活用しているらしい。なのでお店にもお釣りの現金をそれほど置いてない所も多くて5,000ルーブルなど大きい額の札を出すとお釣りがなくて困る場合もあるので気を付けてください。

ノヴォブレイスキーを過ぎるとこのようなパーキングエリアが出てきて安心して休憩できるようになった。お店などはないが、こうやって休めるだけでもありがたい。普段の生活の中で自分が当たり前と思ってたことが実は当たり前ではないと実感する。海老名SAが恋しい。

ベロゴルスクに近づくにつれてどんどん平野が広がって綺麗に地平線が目一杯入ってくる。これがシベリア平野か。

ベロゴルスクの市内に入っていくここは思ったより小さい町でどこか旧ソビエトの雰囲気が残っている。

町のガソリンスタンドで給油をしていたらアジア系の方がトラックに乗ってきて笑顔で歓迎してくれた。言葉はよく分からないが、表情が全てを語っている。そのトラックは日本の中古車で荷台などには○○商会とか電話などがそのまま残っていて普通の日本の田舎で遭遇できる光景で不思議な感覚。ガソリンスタンドのお姉さんも笑顔で会計を手伝ってくれながら歓迎してくれた。

予約したのはこの「Zolotaya Melnitsa Mini-hotel」。Yandex Mapsでの口コミがよかったので予約したが、かなり個性的な外観だった。ある種の歴史を感じる。

少し年季は入っているけど客室も綺麗で十分な広さで申し分ない。

洗濯物が溜まったのでフロントに行って置いてある洗濯機がないか聞いたら洗濯物を持ってきてと言われて持って行ったらランドリーサービスをしてくれるらしい。ここでもまた感動したのが、実際このホテルでそういうサービスをやっているのかやってないのかは分からないけど困っていることを助けてあげようと真剣に向き合ってくれるその心だった。絶対マニュアルではない。

一日頑張って移動したので冷たいビールが飲みたくてホテル近くのマガジーン(お店)を探しに出かけたらそこにも旧ソビエトのイメージがあった。自分では実際に経験してないが、ニュースや映画で見たような風景。

マガジーンもそのイメージで陳列台があってお客さんは商品にアクセスできずスタッフさんに欲しい商品を言うと出してくれるシステム。なかなか新鮮で強烈なイメージだったが、ちょっとハードルが高い。またここもお客さんでかなり賑わっていたので人が出ていくのを待って右奥のビールが欲しいと身振り手振りで伝えると笑いながら欲しい商品を探してくれた。この町の人たちは笑顔が多くて優しい。

極めつけはホテルのフロントで受付を担当している彼女。実は翌日は約560km離れているスコボロディノまで移動の予定だが、インターネットで予約できるホテルがない。予約しないで行って初日のような失敗を繰り返したくなかったのでダメ元で彼女に変わりに予約の電話をしてくれないかと頼んだら快く受けてくれて何回も電話をかけて予約を取ってくれた!もう感謝しかない。有り難すぎる。

自分がこの旅で求めていたものを毎日得られて、感じられているような気がする。

EP012 Moto Dom

目が冷めたのは5時が少し過ぎたくらいだった。外はまだ薄暗くて弱い雨の音がしていた。弱い雨だったし、昼間走っている時じゃなくてよかった。ただ、外が妙に白い。

外に出てみるとなんと夜中雪が降ったらしい。それが日が登るのにつれて雨に変わった模様。いや、これはバイクで走るのは厳しいね。とりあえず雨が完全に止んで気温が上がるのを待った。9時を回るとやっとマイナスから回復して10時くらいになると4〜5℃くらいなって路面の雪も溶けてなくなったので出発!

ハバロフスクを向かって北上しているとまた白樺の森がたくさん並んでいる。白樺大好きとしてはたまらない風景。こういう風景が何百キロも続いている。写真もたくさん撮りたかったが、路肩が非舗装の場合が多くてまた傾斜があるのでなかなか停められない。またその横をトラックが通ると本当に危ない。みんな基本100km以上出しているからね。

約2時間くらい走って最初の目的地のハバロフスクに着いた。ハバロフスクはかなり大きい都市だが、古い印象で昔のソビエト時代の雰囲気が結構残っている。それに比べるとウラジオストクはかなり洗練されたモダンな都市だった。

あと、道に大きいポットホールが非常に多くて気を付ける必要がある。それとみんな運転が非常に荒くてマッドマックス怒りのデスロード状態だった。気が抜けない!

最初の目的地はハバロフスクのMoto Dom。少し早いけどこの先、エンジンオイルを交換できる所があまりなさそうだったのでハバロフスクでバイク屋を探したが、なかなかヒットせず唯一バイクだけを専門的にやっているお店だった。

着いたのがちょうど12時でシャッターが閉まっていたのでお昼を食べに行ったのかと思って周りをウロウロしていたら中から人が出てきた。エンジンオイルを交換したいと伝えると「とりあえず中に入って」と。

基本シャッターは締めて作業をしているらしい。それはそうだ。開けていると寒いよね。

彼の名前はリマン、このガレージは彼が一人で運営しているらしいが、ひと目でいかにバイクが好きなのかがよく分かる。主に日本のバイクが多かった。

まずDucati指定のエンジンオイルの種類を確認してそれを買いに行ってくれた。そういえばこういうガレージって部品など必要なものは依頼主が揃えて依頼するのが基本だと以前聞いたことがあるけど私の状況を見て自分が直接行くのがいいと判断したのかもしれない。その間お茶やコーヒーを飲んで寛いでと。

約10分後にエンジンオイルを買って戻ってきたら早速作業に取り掛かる。今までやっていた作業は置いていてDesertXの作業を優先してくれた。もう有り難すぎる。

初回点検で交換してからまだ3,000kmも走ってないのにオイルが真っ黒。ほぼ高速でずっと回しっぱなしだったからか?本当このタイミングで交換できてよかった。

予約もせず昼時の飛び込み訪問だったのに嫌な表情一つ見せずに親切に懸命に対応してくれたリマンには感謝の気持ちしかない。旅に出てから人の暖かい気持ちに振れることが多くて幸せ。

リマン、ありがとう!!

ハバロフスクを出てビロビジャンに向かって西へ。ここからは更にシベリアらしい風景が広がっていて白樺と湿原の天国。白樺大好きとしても一生見れる分以上の白樺を見たかもしれない。くーたさんが仰ったように「北海道の外れのような何も無い道をハイペースで走り続ける感じ」でまたそれが何倍も続いている。

ただあまりバイクを停められる所がなくてこのようにバス停があると邪魔にならない所に停めて少し休憩を取るしかない。ウラジオストクからハバロフスクまではそれでも少しお店などがあったような気がするけどハバロフスクから西は本当に何もない道がずっと続く。

それでもシベリア横断列車と一緒に西日に向かって走るのはなかなか素敵な経験だった。また右には白樺の森が続いていて正に今自分がシベリアを旅している実感がしてきた。

R297から離れてビロビジャンへ。ユダヤ自治州の州都でハバロフスクを過ぎてから一番大きい都市だったのでここで宿を取って泊まることにした。ユダヤ自治州と言っても少しヘブライ文字が併記されている以外は他のシベリアの都市と大きな違いはないような気がする。見た目は。

この日の宿はHotel Bira。建物やエントランスの雰囲気からもうかなり歴史があるホテルなのがよく分かる。受付の彼女は少し起こっているように見えたが、実は結構優しくあれこれ対応してくれた。表情が起こっているように見えるだけで最後に「スパシーバ」とロシア語でありがとうと伝えると素敵な笑顔を見せてくれた。

部屋も年季が入っていたが、広々して一人で過ごすのは十分な設備を整っている。

バイクも鉄柵のドアがあるホテルの裏に停められて(別料金100ルーブル)安心。また頑張ってくれたDesertXのチェーンをメンテナンス。ウラジオストクを出発する前日にやって約1,000kmぶりのチェーンメンテだったが、既にサビが浮かんでいたのでチェーンクリーナーで丁寧に掃除してルーブで仕上げる。綺麗になったチェーンを見ると気持ちがいい。

チェーンメンテをしていたらジャギョム兄さんが来てくれた。

またソンフンさん親子も。みんなでウラジオストクから1,000km離れたビロビジャンで再会して夕食を共にした。やっぱり旅の醍醐味は気の合う仲間と出会うことだと思う。

もちろん英語や写真付きのメニューなどはなくてGoogle翻訳を利用してオーダーをした。ビーフステーキのつもりでお願いしたはずが出てきたのは海鮮サラダ。

またロシアの餃子だと思って頼んで出てきたのはアジア風の餃子だった。

この黒ビールは頼んだ通りのもの。

まあこういうのも旅の楽しさ。いい人達と楽しい時間と新しい空間を共有するのはなかなか素敵な体験だと思う。