EP018 Life of Ulan-Ude

ウラン・ウデ二日目。どうしてもバイカル湖に行ってみたかったのでウラン・ウデで二泊の予定を組んだ。実はバイカル湖でキャンプがしたくて東側にあるキャンプ場まで調べておいたが、どう考えてもキャンプができる気温ではない。

バイカル湖までは約140kmとかなり近いので日帰りでふらっと行ってくるにはちょうどよさそう。一日と時間もかなり余裕があるのでバイカル湖ツーリングは気温がある程度上がる9時くらいに行くことにして朝はとりあえずウラン・ウデ散歩かな。

昼間は停めちゃいけない所まで車で一杯だったの駐車場も朝はそれほど車がなくて案外泊まっている人は少ないのかもしれない。

ホテルを出て徒歩2、3分の所にウラン・ウデの重要施設が全部集まっている。こちらは歴史的建物かと思ったら放送局の建物らしい。

その前にあるのがブリヤート国立オペラ・バレエ劇場。東シベリアで一番の歴史を持つオペラハウスだそう。一般オペラ以外にもブリヤートの伝統劇も見ることができるらしい。

その前にあるのがソビエト広場とウラン・ウデのシンボルのようなレーニンの巨大な頭像。高さ7.7mに重さは42トンらしい。直接見ると結構インパクトがあった。下にぶら下がっている幕からは戦争の影響を感じる。

メインストリートには路面電車が走っていてバスと共に市民の主な移動手段として使われているらしい。昼間はかなり渋滞するのでその影響が少ない路面電車は使い勝手がよさそう。

散歩を楽しんでたら気温が上がって2℃くらいになったのでホテルに戻って支度をしてバイカル湖に向かって出発した。

ウラン・ウデ市内を出ると道は山へつながっていて綺麗な景色にちょうどいい感じのカブが続くワインディングロードだったが、気温がどんどん下がりマイナス2℃に。また昨夜降った雨で路面が濡れていてそれが凍りかけている感じでまたちらほら雪も降ってきた。バイカル湖はここから北へ、山奥のほうへ行かないといけないのでこれ以上は危険と判断してここで引き返すことにした。あれほど期待していたバイカル湖だったので無念で仕方なかったが、旅はまだまだこれからなのであまり危険を犯したくなかった。

それにしても雪の中のDesertXは映えるね。赤がいいアクセントになっている。やっぱりこのデザインセンスが好き。

ホテルに帰ったらちょうど昼時だったので荷物を片付けてから近くのオシャレな人気カフェへ。実はウラン・ウデには1時間の時差がそれが微妙に効くのがこういうご飯時。11時が過ぎるとお腹が減ってくる。

かなり人気のカフェらしいので少し早めの11時50分くらいに行ったら12時にはもう満席だった。赤い壁にはこのようなブリヤート人の美人画が飾ってあってウラン・ウデらしいいい雰囲気を出している。

Google翻訳を使いながら頑張ってオーダーをしたが、頼んだのはいつもとあまり変わらない。ボルシチと

ビーフストロガノフ。昨日のオシャレカフェで遠慮して頼んだら量が少なすぎたのでちょっと多めに頼んだら本当に多かった。周りの方もドン引き気味。皆さん、お昼はそれほどたくさん食べないのね。

まあまあ美味しかったが、ダリネレチェンスクで食べたボルシチを超えられない。

昼間は少し仕事をして夜は韓国料理を食べに少し離れた所の韓国食堂へ。最近はロシア料理ばっかりだったので白い飯が食べたかった。ここは現地の方がやっているお店で正直になんちゃって感があるが、他にオプションがあまりなかった。しょうがない。

あまり失敗したくないので定番のキムチチゲを頼んだ。ビジュアルはそれっぽいのだが、実は肝心のキムチが入ってない!キムチが入ってないキムチチゲを食べたのは初めてだが、悔しくもお味は完全キムチチゲ。そんなことがあるのか…。

今日はしっかり休めたので明日の国境超えは万全の体制で臨もう!

EP017 Ulan-Ude

22時を回って眠さと戦っているときに突然部屋の電話が鳴った。出てみると男性の低いトーンのロシア語で何か言っているけどよく分からない。ホテルに泊まっているとたまに警察が調査に来る場合もあるらしいので緊張したが、そうではないっぽい。ロシア語が分からないと伝えたらフロントの英語ができるスタッフさんが出て「バイクがセキュリティ的にあまりよくない」と言う。どういうこと?何かあったのか?状況がよく分からずフロントに行ってみたら、ホテルの前に停めてあるDesertXの周りにずっとギャラリー(?)ができているのでホテルの裏側の鉄柵がある駐車場に移動してくれないかとのことだった。ホテルに着いた時にセキュリティの方からホテルの前に停めろと言われたのだが…。まあより安全な所に駐車できるのであればそっちのほうがいいのに決まっているので移動させるけどね。

実はDesertXに群がるギャラリーの方は昼間から結構いたけど皆さん見ていて話しているだけで特に触ったりしてなかった。またホテルの駐車場なのでカメラでしっかり監視されていたので特に気にしてなかったが、夜勤のセキュリティの方がずっとバイクを気にしなくちゃいけなかったらしくて移動してほしいと言ったらしい。

朝先に荷物を積んでおくために裏側の駐車場に行ってみるとゴツいランドクルーザーと仲良く停まっていた。ちなみにここに停めるには追加で駐車料金が300ルーブルかかる。

ホテルに朝食も付いていたのでレストランに行ってみるとなかなか豪華な感じのエレガントな空間だった。今までのシベリアのホテルは各が違う。これが大都会チタか。

朝食はビュッフェスタイルで料理の数やクオリティもしっかりしていた。スタッフさんもちゃんと付いていて色々対応してくれたので少し感動した。シベリアのど真ん中でこんなサービスが受けられるとは!

ちょっとテンションが上がりすぎたのかご飯も盛りすぎちゃった。中華系の料理も多かったが、このホテルには中国系の方がよく来るらしい。

朝食を食べ終わって部屋に戻る途中。やっぱりこの廊下はすごく気になる。なんでここまで広く設計をしたのか?昔は廊下の広さが高級ホテルの基準だったのかな?

8時半には支度を終えてホテルを出た。チタ市内を抜けてR258まで行くのが地味に辛い。市内は制限速度が細かく変化するし、横断歩道も多いので車が少なくても速度は出せない。ロシアでは制限速度がすごく細かく設定されていてそこにはちゃんと理由があるので従ったほうがいい。特に路面の状況もきちんと反映されているので制限速度を無視して飛ばしたら物理的に痛い目に会う可能性が高い。

市内を抜けるとそこにはまた大陸が広がっていて自分がシベリアの真ん中をバイクで走っているのを実感する。もう白樺の森はなかった。これは少し残念。

チタからは結構集落も多くてガソリンスタンドも多い。でも今までの経験があるからやっぱり疑っちゃうね。ありそうに見せかけてなかったりする場合もあったし、ガソリンスタンドはあったのにガソリンがない場合もあったのでできるだけこまめに注油するようにしている。

ついでにトイレにも寄ったが…詳しい説明はしないが、シベリアで一番恐ろしいのがこういう屋外式トイレ。ここはまだ綺麗な方だったが、匂いがキツくて大変。

ロシアのガソリンスタンドは先に受付に行って油種と量を言って料金を決済しなくちゃいけないが、ロシア語が喋れないのでこのようにLarge Textというアプリを利用して項目を入力して見せている。4は給油機の番号、95はオクタン価、10Lは入れる容量。

ガソリンスタンドを出てまた一走り。目的地のウラン・ウデまでは660kmの道のりなので気を長くして走らないといけない。シベリアを約3,500kmくらい走って分かったのは今までの自分のライディングフォームにどれだけ無駄が多くて余計な力が入っていたかということだ。もちろんそれは道路の状況や混み合い、信号など色々状況が違うのだが、疲れずに長く走るためにはどれだけ力を抜くかが大事だと思う。シベリアを走る時は全身の力をできるだけ抜いてバイクにただ体を載せていることを意識している。自分はバランスだけを取って他の全てはバイク任せ。そうしているとDesertXがどれだけいいバイクなのかがよく分かってくる。またこんなに素敵な景色の中を走れて幸せ。

ちょうどいいタイミングにカフェを見つけたので入ってみた。駐車場に小さい男の子とそのお父さん、またおじさんが一人いて声をかけられたので少し談笑。男の子がバイクにすごく興味があるようでキラキラした目で見てたので「またがってみるか?」と誘ってみたが、お父さんから「大丈夫。遠慮する」と言われた。男の子と握手をしてお店の中へ。

受付で写真を見せながら注文したボルシチに麺が入っているような料理。麺は刀削麺に近い感じかな?弾力があってもちもちして美味しい。スープはボルシチそのものだった。美味しい。それにコーヒーも付けて140ルーブル!めちゃくちゃ安くて美味しいお店だった。

で、注文を終えて席に戻ってきたらさっき駐車場で談笑してたおじさんが当たり前のように目の前に座っていた。彼の名前はアンドレイ、イルクーツクまで行くらしい。会話は基本Google翻訳を通してだけど少し時間をかければ難なく話ができる。旅のことやロシアに来て感じたこと、シベリアを走って分かったことなど色々話せて楽しかった。

アンドレイさん、楽しい時間をありがとうございました。

また順調に走っていたら集落が現れたが、今までの集落と雰囲気が違う。密度も高いし、青と緑の壁が印象的だった。また窓の形も今までと違う。そう、もうブリヤート共和国に入ったようだ。

集落を過ぎてパーキングエリアがあったので停まろうとしたが、トラックが多すぎてちょうどいいスペースを見つけられなかったので路肩に停めるしかなかった。やっぱり路肩だと通り過ぎるトラックが怖い。パーキングエリアから見える景色も雰囲気も今までのシベリアの道とガラッと変わっている。やっぱりロシアは大きいね。

R258をずっと走ってウラン・ウデまで約97km、峠を超えたら目の前に広がるスペクタクルな風景に強い衝撃を受けた。こんな絶景があるのか!こんな規模感は感じたことがない。草原と山と丘にどこまでも広がる地平線、全てが美しすぎた。少し危険でも路肩にバイクを停めて写真を撮りたかったが、急な下り道で路肩の幅も狭くてかなり危険だったので諦めるしかなかった。普通ならこういう所に展望台などを設置すると思うが…。Goproで映像を残したからいいやと思ったが、後で確認した映像はのっぺりして奥行きもなくてそのスペクタクルさがあまり伝わってない。残念。自分にとっては一緒忘れられないくらいのすばらしい壮観だった。

ウラン・ウデまで後50kmくらいの所。また景色が変わってきた。久しぶりの川沿いのワインディングロードが気持ちいい。

お!やっと市街地っぽい所が出てきた。また今まで見てきたシベリアのどの都市とも違う。これもモンゴルに近い感じなのか?人口密度も高そう。

と思ってたら本当のウラン・ウデの市街地はそんなものではなかった。これはまた大都会!都市の規模としてはハバロフスクくらいなのか?でもハバロフスクより綺麗で洗練されている。さすがブリヤート共和国の首都なだけあった。

今日の宿はホテル ブリアティア。安さで選んだが、ウラン・ウデの中心街のど真ん中に位置してすごく立派なホテルだった。

部屋はコンパクトだが、清潔感があって申し分ない。これで一泊1,900ルーブル!シベリアで泊まったホテルの中で一番安い!ウラン・ウデは宿泊費が安いのかもしれない。ここでは二泊の予定。

ホテルが中心街にあるので食堂も困らない。近くに評判がいいカフェがあったので行ってみたら本当のカフェでロシア式のカフェ(食堂に近い)ではなかった。若者に人気のお店でファストフードな感じだった。せっかくなのでアンドレイさんオススメのブリヤート名物ブーズを頼んで食べてみた。確かに美味しい。

一日に660kmはやっぱり疲れるが、できなくはなかった。妙な達成感もあるし…でもここまではあまり走りたくないね。

明日は軽くバイカル湖を見に行く予定だが、もしかすると軽くないのかもしれない。

EP016 Chita

夜中隣の部屋に人が集まって宴会をやっていた。壁が薄くて丸聞こえ。まあしょうがない。耳栓を用意したら22時が過ぎると音がパタッと止んだ。この宿のルールとして22時以降は宴会や騒ぐのが禁止と決められているのかもしれない。あんなに騒いでいたのにビックリ。それもあのお母さんが仕切っているらしい。お陰様でぐっすり寝れた。

朝6時起きてシャワー浴びて支度をしてから朝ごはんを食べに食堂に行ったらあれほど広い駐車場に空きがないくらいトラックで埋まっていた。Mayak Hotelは一般客よりこのようなトラック運転手や道路工事関連の方のための宿なのがよく分かる。

一晩泊まりながら見ているとここの宿は一つのコミュニティのような感じでお母さんがエボシ御前の役割をしているような気がしてきた。トラックの運転手さんたちや食堂のおばさんたちを束ねてリードする。優しさの裏に力強さとカリスマを感じる。お母さんの好意でその世界の中で一晩お世話になったような。

料理はとにかく量が多かったので朝ごはんは缶コーヒーといくつかのロシアパンだけにした。結構甘い。ロシア人って以外と甘いものが好きなんだね。コーヒーやティーにも砂糖を一杯入れるし、料理も甘い味付けのが多いような気がする。

あと、昨日のように食堂が見つからないときのために非常食としてSNICKERSを2本買った。実は甘いものはあまり好きではないが、生きるためには必要。

支度を終えて7時半くらいに宿を出た。寒いのにお母さんが外に出て見送ってくれた。言葉は通じなくても気持ちは通じる。マイナス2℃なのにお母さんとおばあさんたち、トラックのお兄さんたちにたくさんの元気と癒やしをいただいたので全く寒くない。昨日は2℃でもあんなに寒かったのにね。やっぱり人の気持ちってすごいね。

入り口には中まで入れなかったトラックやトレーラーが行列を作っていた。本当にこの人たちがこの辺りで夜頼れるところはこの灯台(Mayak)しかない。一緒に出発したトラックの運転手さんに挨拶をして気持ちよく出発。今日は少しライトで400km先のチタなので気が楽。

出発してまもなく非舗装の工事区間が現れて少し緊張したが、ここの短い区間だけだった。DesertXはロシアのお兄さんたちに大人気でどこに行っても熱い視線を感じてしまう。

Mayak Hotelを出て約100kmくらい走ると急に風景が今までと一変してモンゴルのような景色が広がる。今までの白樺の景色も大好きだが、これはまたこれで大好き。大好物が続いてくる感じでたまらない。

一旦休憩をしながら気持ちを落ち着かせる。これは楽しすぎる。

今まで経験してない風景、これが大陸か!アメリカもこんな感じかな?どこまでも地平線が広がって目を遮るものが一切ない。もし季節がもう少し進んでたらまた違う風景を見れたのかもしれない。絶景があり過ぎて困る。

バス停を見つけたのでちょっと休憩。チタに近づくにつれこういう小さい集落が増えてきた。ハバロフスクを過ぎてから幹線道路周辺にはあまり町がなかったのでこうやって町が見れるだけでも嬉しい。

順調に進んで思ったよりも早く13時半くらいにチタに着いてしまった。途中お昼食べたかったが、お店がなかったので強制走行。シベリアの道はスパルタ過ぎる。チタもまたシベリアのどの都市とも違う独特な魅力がある都市だった。ハバロフスクを出てからずっと道路標示にチタまで何キロと書いてあってチタまで行かなきゃいけない使命感みたいなものまで抱いていたのでそのチタに着いたのがすごく嬉しかった。一つの関門を通過したような。

今回泊まるホテルはArcadia Hotel。チタの中心街にあるホテルでウラジオストクを出てから泊まったホテルの中では一番しっかりしているホテルだった。実はここまでいいホテルじゃなくてもよかったが、なぜか予約可能なのがここしかなかった。

このホテルはかなり独特な作りをしていてエントランスに入ってからエレベーターの場所までがまるで迷路で聞くだけでは探せない。ジェイソン・ステイサムみたいなセキュリティの方が部屋まで案内してくれたが、それはホテルマンのサービスではなくあくまでも部屋の位置を教えてくれる行為だと思う。ただ、荷物が多くて大変そうに見えたのかタンクバッグを受け取って運んでくれた。ありがたい。

また廊下がやたら広くてソファまで置いてある。そこに人が座っているのはまだ見たことがないが…窓やカーペット、ソファまで非現実主義の映画に出てきそうな雰囲気。かなり無駄が多くてありえない構造をしているが、それが面白い。

部屋はクラシックな感じにまとまって素敵だった。申し分ない。今までの宿に比べるとちょっと贅沢過ぎるのかもしれないが、せっかくなのでしっかり休もう。

あ、その前にチェーンのメンテンナス!1,000kmことにしているが、だいたい一日平均で500kmくらい走っているので二日に一回はやっているような気がする。釜山で購入したチェーンクリーナーがほぼなくなった。ウラジオストクでもう一本買っといてよかった。

チェーンメンテも終わったので少し遅めのランチを食べに「LOVE CAFE」へ。ちょっと変な名前だが、Yandex Mapsで評判がよかったので。チタの町並みの作りにも旧ソビエトを感じる。

LOVE CAFEはチタのホットスポットでオシャレでモダンなカフェだった。名前だけなんとかすればより映えると思うけどね。写真とグーグル翻訳を頼りにロシアの麺料理を頼んだが、中華料理と日本の焼きうどんにロシアンテイストが加味されたフュージョン料理が出てきた。今まで味わったことのない味だが、美味しい!さすがの人気店。

明日はウラン・ウデまで約660km。今までで一番長い距離を走らないといけないので今夜はゆっくり休もう。

EP015 Mayak(Маяк)

スコボロディノからチタまでは約920km、一日で行くのは無理なのでその真ん中くらいまで行きたいのだが、そこにはあまり宿がない。約480km先にMayak(Маяк)というホテルが一つあるけどそこが満室だったらその次のホテルはさらに100km先。なのでどうしてもMayak Hotelに泊まりたくて朝出発する時に井口さんに電話での予約をお願いした。唐突なお願いにも関わらず井口さんが快諾してくれて進捗があったら連絡をくれることに。後、もしもの時のためにいつもより早い朝7時半に宿を出た。

スコボロディノの市街地を出るとまた非舗装路が現れた。今はもうこれが当たり前のように感じる。少しはシベリアに慣れたかもしれない。また逆にこっちのほうが走りやすかったりね。ロシアの田舎道を走っている非日常に気分が少し高揚してしまう。

R297に入るといつものように勢いよく走っていくが、とにかく寒い。グリップヒーターも一番強い三段階に設定しているのに熱を全く感じない。出発時に0℃だった気温は2~3℃まで上がってはいるものの寒さはあまり変わらない。曇りで日が出てないせいかなかなか気温が上がらない。

我慢できずパーキングエリアが見えたら即退避するも止まっていると冷たい風が強くて走っているときよりも寒い。困ったな。早く出過ぎたかな?しかし、いつも出発する時間になっても気温が上がらないのはきっと寒い日で間違いない。

それに今までなかったような工事区間が現れてそれが結構長い区間続いている。微妙に縦溝のような感じでハンドルは取られるわポットホールは数え切れないほど出てくるわ地面は激しく波を打っていてリアサスが悲鳴を上げる。その上に寒さまで…。

寒いとトイレが近くなるよね。パーキングエリアを見つける度に入っていく。テーブルなどが設置されている大きいパーキングエリアには高い確率で野犬がいる。この子はまだ大人しくてかわいいけど群れでバイクだけに威嚇してくる子たちもいて正直に怖い。パーキングエリアで食事などをしている人たちに食べ物をもらおうとしているらしい。

頑張って進んでいるとおやおや、雪が降ってきた!黒くて重そうな雲が見えてもしかしてと思ったが、本当に雪が降ってくるとは!局地的に降っているのがまだ救いだった。

そんな中、井口さんから連絡が来て部屋の確保ができたと!実は満室だったらしいが、事情を説明して粘ったらちょうどそのタイミングでチェックアウトをする人がいてその部屋を確保してくれたらしい。その辺で宿はMayak Hotel一つしかなくてまたその道路を行き来する車(特にトラック)はたくさんあるので部屋を取るのはなかなか難しいと思っていたので心の中ではさらに100km先まで行くのも覚悟していた。もう感謝の気持ちを表す適切な言葉がないくらいありがたい。

到着するとホテルのお母さんが優しく受け入れてくれた。だいたいの事情は聞いているので言葉が通じないのにも関わらず細かい所までちゃんと説明してくれて温水ですぐシャワーできるように用意してくれた。暖かいお湯を浴びるとやっと生き返った気がした。このホテルの名前のMayak(Маяк)はロシア語で灯台という意味で正に灯台のようなホテルだった。

シャワーを終えるとお母さんが併設されている離れたカフェへ案内してくれた。ここに来るまで約200km以上の区間に店一つなかったので朝チョコレートを一つ食べた以外何も水以外口にしてなかった。

とりあえずミートパイとロシア産のコーラ、

また名前を知らない肉の上にチーズが乗っている料理。

今まで当たり前だと思ってきたものが実は当たり前ではない。冷たい風を凌げる暖房がある部屋、温水でのシャワー、暖かい食事、今はこれ以上のことは何も求められないくらい幸せ。シベリアでお会いした方々で優しい方が多いのはこういう厳しい環境の影響もあるのかもしれない。

今日もまた人様に助けられる一日だった。謙虚に生きよう。

EP014 Skovorodino

朝起きると外の気温はまだ零下。でもこの寒さにももう慣れた。部屋の中はちょっと暑すぎるくらいなので窓を開けて冷たくて新鮮な空気を取り入れる。そこからブログの更新作業に取り掛かる。気温が上がるのを待っている時間を有効活用できるのでしばらくはこのルーティンでやっていこう。

7時半くらいにブログの更新を終えてフロントに行って朝ごはんを取ってきた。ここの朝食のシステムはまた珍しくて朝フロントに行くとこのような朝食セットを彼女たちが用意してくれる。多分食堂がないのにお客さんに朝食を提供するために考案したものなのかもしれない。

ご飯を食べていると外からノックの音がしたので出てみると前日頼んだ洗濯物を持ってきてくれた。ポカポカに乾いてまだ暖かい。それに綺麗に畳んでくれている。それにタダ。本当申し訳ないくらい心の籠もった最高のおもてなしをいただいた。もし次ベロゴルスクに行ったらまた「Zolotaya Melnitsa Mini-hotel」に泊まろう!

9時がちょっと過ぎて十分暖かくなったので出発。市内では何か大きいイベントがあるのか警察があちらこちらで道を封鎖してなにかをやっていた。それでナビの案内通りにいけなくて違う道に遠回りをしたら田舎道に案内してくれた。こういう細い橋を2つ渡って先へ進むと

こういう田舎道が出てきた。フラットで走りやすいけど時々砂が深くなったり、穴があったり、砂利道だったり気を抜けない道だが、モンゴルに行く前にいい訓練になっているような気がした。まあモンゴルはこんな生暖かいものではないと思うけど。

しかし、真正面からホイールローダーが追ってきて少し焦った。実はここは今新しく道を作る真っ最中だったのかもしれない。

そういうオフロードを11kmくらい走ったら道の最後に小さい集落が現れた。シベリアの田舎ってこんな感じなのか。誰かを待っていたお婆さんがバイクを見てビックリした。やっぱりシベリアでバイク、それもこんな形で荷物をたくさん積んだものはなかなかお目にかからないのかもしれない。

やっと本流のR297に合流できた時、目の前に見慣れた白い車が!同じ日に一緒にロシアに渡ったヒョンデさん夫婦だった!こんなに広いシベリアでこんな偶然がと思ったが、西へ行く道はこの一本のみなので会えなくもない。しかし、いくつかの偶然が重ならないとこんなことはなかなか起きないと思う。嬉しい。

とりあえず一緒に走ってお昼も一緒に食べることにした。

基本一人で走るのが好きだが、たまに一緒に走るとそれもまた楽しい。ヒョンデさんは非常に運転が上手くてメリハリがあって気持ちよく走れた。またその最中に広がるシベリアの美しい自然。やっぱり白樺はいくら見ても飽きない。

途中ヒョンデさん夫婦と離れて走っていたらちょうどいい所にパーキングエリアがあった。アムール地区は運転手に優しくてこのようなパーキングエリアが適所にあって嬉しい。

またここは見晴らしがよくて雄大な自然が広がっていて素敵な所だった。また北海道を思い出す風景だった。もう少し写真が上手かったらな。こういう平野の写真をうまく撮るこつを知りたい。写真より何十倍、何百倍も素敵なのにうまく表現できなくてもどかしい。

これがシベリアの道。補修に補修を重ねても亀裂やポットホール、段差などがたくさんあるけど湿原の上に作られた道なので仕方ないと思う。どこまでも地平線が続いていて時々刻々変わってくる美しい風景は全く飽きない。

また走りっぱなしで疲れ切った時に現れたカフェ。本当に砂漠の中のオアシスのような存在でここもたくさんの人で賑わっていた。この隣のガソリンスタンドもそうだったが、200km以上何もなかった所にあるのでこの次またいつこういう施設があるのか分からないし、やってない場合もあるので見つけたらとりあえず入るしかない。ここでまたヒョンでさん夫婦と合流。

オーダーをすると作り置きした料理を温めて出すシステムでスタッフさん二人でテキパキ注文を処理してくれていたが、さすがに多いお客さんでかなり疲れていた。メニューは言えないので食べたいものを撮ってそれをスタッフさんに見せて注文をする。

お客さんが多くて注文できるまでは20分くらいかかってしまった。これだけの客を裁くにはこういうシステムが必要なんだよね。

頼んだのはプロフと

肉の炒め料理。自由に選べたのにいつも食べているものとあまり変わらないね。実はまだ食べてないものも含めて3、4種類くらい頼むつもりだったが、出てくる量を見て辞めた。この二皿でも量が多くて完食はできなかった。

可愛らしいヒョンデさん夫婦。本当に仲のいい夫婦で見ていて楽しい。奥さんのヘインさんはフォロワー約6万人のインスタグラマー!

食後はまた自分たちのペースで西に向かう。またちょうどいい所にパーキングエリアがあったので一休み。ハバロフスクから1056km、チタまで1109kmの所、ちょうど真ん中辺りまで来た。道路表示版にずっとチタまで何キロと書いてあるのでチタに導かれている気がしてなんだか約束の地に思われてくる。

あと、もう慣れてきたのか直進で何千キロ先の都市が出てきてもあまりビビらなくなった。

水を飲んでいたら休憩していたトラックの運転手さんが声をかけてきた。身振り手振りしながら例の話をしてたらコーヒーを入れるので飲んでいけと言われたが、午後3時以降にコーヒーを飲んじゃうとあまり寝れないので丁寧に断って道に出た。

やっとベロゴルスクから560km離れたスコボロディノに着いたが、ここもメイン道路から離れると非舗装の道だった。でもずっと車が通っている道なのでフラットで走りやすい。むしろ市内のポットホールと段差だらけの舗装路が厄介だった。

スコボロディノはベロゴルスクより全然小さくて少し寂れた町だった。それでも街中に結構人がいたのでビックリした。ちなみにベロゴルスクとチタの間ではここが一番大きい都市らしい。

前日受付の彼女(名前を聞いとけばよかった…)が電話で予約してくれたホテル。この日ここも満室だったそうでヒョンデさん夫婦もここに泊まろうとしたが、部屋がないと言われたらしい。本当に予約しといてよかった。昨日の彼女には感謝しかない。

ここもなかなか個性的なホテルでなんかオールド・ボーイで主人公が監禁されていた部屋のような雰囲気!でもWi-fiや温水、暖房など基本的なことは全て揃えられているので満足。

チェックインを済ませてからバイクのちょっとしたメンテナンス。と言っても少し拭いてチェーンメンテをするだけだけどね。本当によく走るし、エンジンのレスポンスが気持ちいい。シベリアを2,000kmくらい走って分かったが、DesertXはスポーツマシンだった。クルーズ走行よりスポーツ走行のほうが絶対向いている!また少し分かち合えるようになったような気がして嬉しい。