ウィーン二日目、この旅を始めてから初めて移動のためではなくてただ楽しむためにバイクを乗る日だ。予定はそれしかないので朝はのんびりと散歩に出かけた。

金曜日ということもあって街に小さく蚤の市が開かれていた。まあ必要なものはあまりないけど見ていると楽しい。こちらの方はクラシックカメラを売っていてその使用法を説明していたが、その格好がクラシックカメラとぱっちり。こういうのが好きな人というのがよく分かる。みんなあまり商売というよりは自分が好きなものを持ってきてそれに興味がある人と話すのが好きな感じだった。天気もいいし、会話も弾むよね。

みんな自転車によく乗っていた。道路の作りも自転車フレンドリーで車だと一方通行が多いので近場だと自転車のほうが便利だと思う。たまにものすごいスピードで暴走している自転車もいてちょっと怖いときもある。

天気がよかったので歩くのが楽しくなってインネレ・シュタット(旧市街)まで行ってみた。まだ朝早い時間だったのでそれほど人は多くなかったので歩きやすい。

旧市街は観光よりも商業施設が多くてたくさんのブランドのお店があった。また自転車で出社しているお姉さんが格好いい。

奥まで行くとシュテファン大聖堂が現れてその繊細さと規模感にまたビックリ。写真に上手く収めたかったが、今のレンズではこれが精一杯。

ちょっと歩きすぎたのかお腹が空いてきたのでCafe Mozartで朝食。いかにもオーストリアらしい名前のCafeだが、朝食のメインはイングリッシュブレックファースト!真っ黒に転けたベーコンや塩っぱすぎる味まで完璧に再現している。
テラス席で優雅に朝ごはんを楽しんだらあまり時間がない!急いでホテルに戻って支度してhenryさんとの約束場所へ向かった。

ウィーンから南に40kmくらい離れたガソリン・スタンドで待ち合わせ。ちょうど約束時間に二台ともほぼ同時に到着した。久しぶりに見るスラクストン、やっぱり格好いい。こうやって二台並べるとそれぞれの良さが見えて面白い。

ガソリン・スタンドのカフェで本日のコースに関してhenryさんからブリーフィングがあった。道の詳細やその良さを説明してくれていてそこを走ることを考えるともう楽しい。
henryさんが気を使ってくれて私の走行動画を収めてくれた。いつも一人で走っているから自分の動画がなかったので有り難すぎる。またスラクストンの排気音は相変わらず重低音が効いていて気持ちがいい。
ちなみにこの日はまたGoproが放電してしまって使えなかった。いつもと同じ環境で充電したのに…アクションカメラなのに色々デリケートすぎる。なので動画は全部henryさんが撮ってくれたものを使っている。

最初の目的地はBurg Forchtenstein。絵に描いたようなイメージ通りのお城で中にレストランがあるのでお昼をそこで食べることにした。ヨーロッパらしい?ヨーロッパでしかできないツーリングでもう楽しすぎる。お城に登る前にビューポイントで記念写真を一枚。
お城までの上りもhenryさんが動画を撮ってくれた。また久しぶりのグネグネ道が楽しい。

入り口からヨーロッパの城らしい貫禄がある。

城からは町全体が見下ろせて領主はここからこの風景を見ながらいろんなことを考えたんだろう。自分の感覚からすると町から離れて山の上に住んでいるとちょっと寂しそうな気もするけど大丈夫だったのかな?

城の一角を改造したレストラン。城の構造に合わせて奥にもテーブルが広がっていて結構大きかった。100人以上入れるスペースがあって週末は結婚式なども行われるらしい。

ポーランドやドイツ、チェコなどでたくさん食べたシュニッツェルは実はオーストリアが元祖らしいのでまた頼んでみた。しかし、その違いはよく分からず…。これに地元の伝統的なビーフスープとハンガリーの肉料理を楽しんだ。そんなにたくさん頼んでないけど密度(?)が高いのかすぐお腹いっぱいになる。

食後はウィーンならではのウィンナ・コーヒー。甘い。


食事の後走り出したら雨雲が付いてきた。ご飯食べるときもポツンポツンと降っていたが、すぐ止んだのでもう大丈夫と思ったらまた結構激しく降ってきた。とりあえずバス停で雨宿り。雨もツーリングの醍醐味!

緩やかなアップダウンが続く北海道美瑛のような美しい畑が多い所を走る予定だったが、雨雲がそっちに行ってるので方向を変えてゼメリング峠へ。
ここは地元でもあまり知られてない穴場スポットらしくて交通量が少ない。それに結構激しめのカーブが続くのでバイクで走るには最高のコースだった。雨で地面が少し濡れていたが、走行しづらい感じでもなかった。ヤビツ峠に近い。

登り切って綺麗なビューポイントがあったので休憩。登山客も多くてアップヒルを楽しんでいる自転車の方も多かった。また雨のおかげで暑くもなくちょうどいい。最高のツーリング日和だった。

また山のほうに上って記念写真を一枚。こういう写真も撮ってもらえて嬉しい。ここがアルプスの東側でここで山が終わってウィーンで平野が広がる感じだった。ここでもアルプスのような雰囲気を感じる。

そこからは伊豆スカイラインのような高速ワインディングロードを楽しんでから地元のライダーたち、峠を攻めきったライダーが集まるKalte Kuchl Alpengasthofで休憩。ここにくるとたくさんのライダーで賑わっていた。ここで少し休んで道を走ってまたここに戻ってきて休憩を取るらしい。

川崎ナンバープレートを見て気になったオーストリアのライダーが声をかけてきた。今まで走ってきた道を説明してもなかなか信じて貰えず。

走った後はやっぱり甘いものが食べたくてケーキを注文。飲料はオーストリアオリジナルの飲料水で結構美味しかった。これも評判がよくてコカ・コーラに買収されたらしい。
この後は高速を使ってウィーンに戻った。この時だけなのか分からないが、金曜日の夕方なのにあまり渋滞してなくてかなり快適だった。

ウィーンに戻ってhenryさんが晩ごはんまで一緒に付き合ってくれてウィーンの老舗ラーメン屋のカルマラーメンへ。元々は日本人がやっていたラーメン屋らしいが、今はオーナーが変わっているのかもしれない。ラーメンはちゃんとした日本のラーメンで美味しかった。

食事の後、henryさんはここから1時間距離の自宅まで走っていた。もう本当に感謝しかない。
1万8千キロを走ってここまで来た甲斐があった。